Ryzen 7 5700X3Dは、バリュー志向のゲーマーにとって真の勝者になるかもしれない。
AMDの次期Ryzen 7 5700X3DがGeekbench 6でテストされ、より大きく古い兄弟機であるRyzen 7 5800X3Dと驚くほど近いベンチマークスコアを出した。
5700X3Dのスコアがあまりにも近いのは驚きだ。もし5700X3DのGeekbenchでのパフォーマンスが実際のゲーム性能にまで及べば、バリュー志向のゲーマーやエンスージアストは、AM4プラットフォームから選べるもう1つの驚異的なX3Dチップを手に入れることになり、間もなくゲーム向けベストCPUのリストに入るかもしれない。
5700X3Dは1月31日に登場し、価格は250ドルだ。
Ryzen 7 5700X3Dは、Geekbench 6.0.1のシングルコアテストで1,926ポイント、マルチコアテストで10,514ポイントを獲得した。
同じベンチマークでRyzen 7 5800X3Dと比較すると、5700X3Dはシングルコアテストで8%遅く、マルチコアテストではわずか4%遅いだけだ。
CPU | シングルコア | マルチコア |
Ryzen 7 5700X3D |
1,926 | 10,514 |
Ryzen 7 5800X3D |
2,086 | 10,929 |
Geekbench 6における5700X3Dのパフォーマンスは、5800X3Dとの微細な違いを考慮すると、非常に妥当なものだ。
両者のハードウェア構成はほぼ同じで、8個のZen 3 CPUコアと、AMDの3D-VCacheテクノロジーによる96MBのL3キャッシュを搭載している。
5700X3Dはベースクロック3GHz、ブーストクロック4.1GHzで、5800X3Dはベースクロック3.4GHz、ブーストクロック4.5GHzとなっている。
Geekbench 6での5700X3Dの性能が実世界での性能に反映されるなら、AM4プラットフォームの購入者は、ゲーム・ワークロードでAMDやIntelの最新製品に対抗できるはずの超競争的なゲーミングCPUをまた手に入れることになる。
AMDの現行のRyzen 7 5800X3Dは、現在でも非常に競争力のあるゲーミング・チップであり、最高でもAMDのRyzen 7000 3D-VCacheCPUに匹敵する性能を提供し、最悪でもRyzen 7 7700XやCore i7-12700KのようなAMDやIntelの下位の最新ハードウェアに匹敵する性能を提供する。
250ドルで、5700X3Dは5800X3Dが提供するものの90%を70ドル安く提供する、超魅力的なチップになる可能性がある(今日の価格で計算)。
ただし、Geekbench 6の結果は、このチップの全貌をGeekbenchが教えてくれるわけではないので、塩のひとつまみ程度に受け止めてください。
この新しいCPUについて確固とした結論を下す前に、Ryzen 7 5700X3Dの完全なレビューを待ってほしい。
解説:
1/31発売の5700X3Dですが、250ドルなので1ドル150円で換算すると37,500円ということになります。
AMDのCPUはIntelのような選別の精度はないため、同じRyzen7グレードで下位のCPUが発売されると、上位のCPUは人気がなくなってしまう傾向が強いです。
つまり、5700X3Dは5800X3Dの実質的な値下げモデルといっても差し支えないと思います。
X3Dはキャッシュの増量と引き換えにクロックが落とされていますが、にもかかわらずゲーム性能は爆上がりすることは周知の事実です。
つまり、ゲーム性能はクロックによらないということがAMDの3D V-Cacheによって証明されたといってもよいでしょう。
IntelもMeteor LakeからL4キャッシュを搭載するようになりました。
デスクトップには24年末に発売されると予想されるArrowLakeから搭載されるでしょう。
そうなれば一層、大容量キャッシュを搭載すればゲーム性能が爆上がりするということが広まると思います。
クロックが速いほうがゲーム性能が高くなるというのはもう過去のパラダイムといってもよいでしょう。
大容量の高速キャッシュを積めば、その分排熱が増大してクロックがあげられなくなります。
しかし、どこに仕事量を配分するかで考えると、演算器を速く回すより、大容量のキャッシュを搭載したほうが圧倒的にゲーム性能が上がるということはすでに検証された事実なので、今後はそのようになるでしょう。
今後はエンコードやレンダリングなどのクリエイティブ用途とゲーム性能は両立しにくくなるということになります。