デスクトップ統合型グラフィックスの高速化
Benchleaks(on X)は、AMDのフラッグシップRDNA 3 iGPUであるRadeon 780Mを搭載したAMDの次期Ryzen 7 8700Gのパフォーマンスを示すGeekbench 6 VulkanおよびOpenCLベンチマークのセットを公開した。
8700Gは、ミッドレンジの8600G(昨日Geekbench 6の結果がリークされた)を上回り、NvidiaのGTX 1650に迫る結果を示した。
8700GはGeekbench 6.2.2のVulkanベンチマークで35,427ポイント、OpenCLベンチマークで29,244ポイントを獲得した。
これはVulkanベンチマークでは8600Gより13%高く、OpenCLベンチマークでは15%高い。
8700Gのスコアは、GTX 1060やGTX 1630など、Nvidiaの一部の旧型ディスクリートGPUよりも大幅に高かった。
VulkanベンチマークにおけるGTX 1060のスコアは8700Gのスコアより17%低く、GTX 1630のVulkanスコアはなんと49%も低かった。
8700Gのスコアは非常に高く、Geekbench 6ではNvidiaのGTX 1650のスコアの5%以内に収まっている。
しかし、8700Gの強力な統合グラフィックは、Geekbench 6において、いくつかのモバイルRadeon 780Mの結果に負けた。
我々が8600Gのレポートに使用したRadeon 780Mは、実際には8700GのOpenCLベンチマークを3.3%上回った(しかし、8700Gは780MのVulkanベンチマークを5%上回った)。
モデル | Vulkan | OpenCL |
Ryzen 7 8700G Radeon 780M |
35,427 | 29,244 |
Ryzen 5 8600G Radeon 760M |
30,770 | 24,842 |
Radeon 780M (モバイル) |
33,636 | 30,245 |
Radeon 760M (モバイル) |
27,106 | 20,358 |
GTX 1060 | 30,186 | 34,507 |
GTX 1630 | 23,688 | 24,938 |
8700Gのベンチマーク・スコアはかなり印象的だ。このチップのGPUの結果が実際のゲーム性能に反映されるなら、8700GはGTX 1650のようなエントリーレベルのディスクリートGPUと事実上同等の、適切な1080pゲーム体験を提供するだろう。
これは統合型グラフィックスとしては素晴らしい成果だろう。
スペック面では、8700Gに搭載されているRadeon 780MはAMDの最新のRDNA3グラフィックス・アーキテクチャを採用しており、Geekbench 6のOpenCLリストによれば、12個のコンピュート・ユニット(CU)を搭載し、クロック速度は2.9GHzと報告されている。
8700Gにペアリングされたシステム・メモリのクロックは4786MT/sに過ぎず、8600GのGeekbench 6ベンチマークで使用された6000MT/sのメモリ・キットを大きく下回っていることは注目に値する–8700GがOpenCLテストでRadeon 780Mに敗れた理由はおそらくここにある。
すべてのGeekbench 6のリストと同様に、これらの結果は割り引いて考えてください。ベンチマークとしてのGeekbenchは、GPUの実際のゲーム性能を正確に描写しません。
その上、Geekbenchには複数のGTX 1630、1060、Radeon 780Mの結果があり、性能比較を混濁させている。
AMDは2024年のCESで、AMD 8700Gと残りのRyzen 8000ラインナップを発表すると思われる。
解説:
Radeon 780MのGeekbench6の結果がリーク
GeekbenchのサイトにRyzen 7 8700Gのものとみられる結果がリークしています。
お断りしておきたいのはGeekbench6のGPUスコアはコンピュート性能であり、純粋なゲーム性能を反映していません。
FP32演算性能と同じようなものです。
しかし、一つの指標にはなりえますので、少し見てみましょう。
スコアを見るとGTX1650とほぼ同等の性能があると判断されているようですね。
実際にDirectXのベンチマークで比べると上のようになります。
より、実際のゲームに近い性能がわかると思います。
残念ながら、モバイルのRadeon 780MはGTX1650にやや劣る程度の性能しかありません。
しかし、TDP65WのRadeon 7 8700GはほぼGTX1650と同程度の性能になると考えてよいでしょう。
おそらく、GPUチップの演算性能としてはGTX1650よりRadeon780Mのほうが優れていると思います。
しかし、高速なメモリ帯域をCPUとは別にもっているということは実ゲームにおいてかなり大きな要素になります。
もともと内臓GPUというのはかつては非常に難しい存在とされていました。
性能を上げるには高速なOCメモリが必要になり、それはコストパフォーマンスというAPUの利点に相反するからです。
これらローエンドのGPUとAPUが違うところの一つはメモリをたくさん積めばVRAMに割り当てる容量も増やせるところです。
しかし、これも大量のメモリはコストを圧迫しますのでAPUの利点であるコストパフォーマンスと相反します。
16GBのメモリを積んで、4GBをVRAMに割り当てるというのが一番無難な使い方だと思います。
それを考えると単体GPUのGTX1650と同等の性能というのは用途にマッチした結果だと思います。
これらAPUの利点はGPUを強化したくなった時に単純に買い足せば済むところです。
内臓GPUは使わなくなりますが、無駄になるところがほとんどありません。