これは、399ドルのSteam Deckの下で競合する他のARM搭載デバイスの将来にとって良い兆候かもしれない。
格安ゲームハンドヘルド機の分野は、Nintendo SwitchやSteam Deckのようなものに支配されているが、300ドル以下のARMを搭載したハンドヘルド機も数多く存在し、PowKiddy X55もそのひとつだ。
具体的には、PowKiddy X55のウェブサイトでの小売価格は90ドル(16GBのベースモデルで、通常の110ドルから割引)と安く、Amazonでは64GBモデルで145ドルからとなっている。
この価格帯のARM搭載ハンドヘルドの多くとは異なり、PowKiddyは、この手のデバイスの常套手段であるAndroidではなく、カスタムLinuxディストリビューションを採用しているのが特徴だ。
このデバイスのサポートは、メインラインのLinuxカーネルにも追加されており、このクラスの他のデバイスにとっても、このデバイスにとっても良い兆しだ。
では、この価格帯の端末は実際に何ができるのだろうか?
PowKiddyのページでは、主に初期のファミコン/GBタイトルからPSP、N64、PS1タイトルまでのエミュレーション機能を宣伝している。
また、5.5インチの720p IPSディスプレイに出力することで、特に2Dコンテンツの整数スケーリングを有効にした場合、これらのゲームを正当に評価するには十分すぎるはずだ。
しかし、オンボードのクアッドコア、ARM Cortex-A55 CPU、Mali-G52 GPUは、その高いエミュレーション領域で実際に良いパフォーマンスを発揮できるのだろうか?
大部分はイエスだ。
YouTubeのTaki Udonのベンチマークによると、PS1とN64のエミュレーションはこのデバイスで完璧に動作するようだ。
しかし、『クラッシュ・バンディクー』を2倍の解像度で動かそうとすると端末が重くなるため、初期の3Dゲーム機のエミュレーションではネイティブ解像度にこだわるのがベストだろう。
もちろん、PSPはN64やPS1よりもはるかに高いビジュアル・フィデリティを持っているが、ほとんどの3D PSPゲームにも同じことが当てはまる。
PPSSPPによるPSPエミュレーションは、特に真のPSPやPS Vitaの後継機が存在しない現状では、このようなデバイスの最良の使用例の1つであることに変わりはない。
Linuxカーネルのサポートが追加されたことで、このようなデバイスは、エミュレーションだけでなく、SteamリモートプレイやMoonlightゲームストリーミングのようなユースケースにとっても、特に魅力的な選択肢となった。
解説:
最初にこうした勝手レトロゲーム機には権利上の問題があることはお断りしておきます。
それを抜きにしてお話します。
この勝手レトロゲーム機はクアッドコア、ARM Cortex-A55 CPU、Mali-G52 GPUを搭載したSoCらしいです。
こうした低価格用のARMがLinuxでサポートされるのは良いことだと思います。
近年x86以外のCPUでLinuxやWindowsのサポート事例が増えていますが、脱x86化が進んでいるということですね。
https://twitter.com/KotoriKanase/status/1731652528910324137
最近ツイートしたものですが、Raspberry Pi5のシングルスレッド性能はSandy Bridge Core i7-2700K以上となっています。
昔の組み込み機器の性能は到底快適には使えないレベルでした。
しかし、2020年代に入ってからそうではなくなったと思います。
今後はシングルボードコンピューターのような低価格帯のデバイスでもブラウザやYoutube視聴くらいなら快適に使えるようになるでしょう。
この勝手レトロゲーム機もそうですが、徐々にx86の世界が侵食されているように思います。
2025年からAMDとnVIDIAもWindowsが動作するARMに参入すると表明しています。
2025年以降、ARMが躍進し、x86の力が弱くなるX-DAYがやってくると思います。
ARMに巨大な投資をしていた中国が米中の貿易戦争で大きく失速しましたので脱x86の進行は遅くはなっていますが、いつかは必ずやってくると思います。