Steam11月ハードウェア・サーベイにおけるAMD逆転の数字とその他の傾向を分析する
AMDは、11月の最新のSteamハードウェア調査において、GPUで4.7%増、CPUで8.4%増と大幅な伸びを示している。
GPUでは4.7%増、CPUでは8.4%増となっている。しかし、これはAMDが突然大幅な利益を上げたというよりは、現状に戻ったということだ。
10月のSteamのハードウェア調査では、NvidiaのGPUとIntelのCPUの使用率が同じように上昇したが、現在は元に戻っている。
11月の調査結果の癖はこれだけではない。
Nvidiaの使用率の急上昇は短期間だった
11月の調査は、10月の調査と実質的に逆で、10月に増加したほとんどのものが11月には減少し、逆もまた然りである。
GPUのGeForce RTX 3000シリーズカードの一時的な急増は、突然後退に転じた。
RTX 3060 Ti、RTX 3070、RTX 3070 Tiのようなカードのシェアは2桁減少し、特にRTX 3060のシェアは9.92%から5.04%になり、打撃を受けた。
一方、過去3世代のAMD製カードはほぼすべて上昇した。
デスクトップGPU市場シェア
’23/9 | ’23/10 | ’23/11 | |
RTX 3060 | 6.27% | 9.92% | 5.04% |
RTX 3060 Ti | 4.04% | 4.95% | 3.54% |
RTX 3070 | 3.62% | 5.18% | 3.23% |
RTX 3070 Ti | 1.53% | 1.91% | 1.50% |
RTX 3080 | 2.16% | 2.64% | 2.21% |
RTX 3090 | 0.54% | 0.49% | 0.60% |
RX 560 | 0.16% | 0.00% | 0.16% |
RX 570 | 0.70% | 0.53% | 0.73% |
RX 580 | 0.95% | 0.74% | 1.01% |
RX 5500 XT | 0.20% | 0.16% | 0.21% |
RX 5600 XT | 0.24% | 0.17% | 0.24% |
RX 5700 XT | 0.63% | 0.50% | 0.68% |
RX 6500 XT | 0.20% | 0.00% | 0.20% |
RX 6600 | 0.57% | 0.45% | 0.66% |
RX 6600 XT | 0.38% | 0.32% | 0.41% |
RX 6650 XT | 0.23% | 0.19% | 0.28% |
RX 6700 XT | 0.64% | 0.53% | 0.74% |
RX 6750 XT | 0.24% | 0.19% | 0.28% |
RX 6800 XT | 0.31% | 0.23% | 0.34% |
RX 6900 XT | 0.23% | 0.18% | 0.26% |
しかし、これはすべて9月の結果とほぼ一致しており、10月の結果が異常値であったことを示唆している。
Nvidiaが数ヶ月の間にこれほど大きなシェアを獲得し、そして失う可能性はかなり低いと思われる。
10月のCPUトレンドも短命だった
10月の調査では、インテルが大きくシェアを伸ばしたが、11月では完全に逆転している。
AMDが市場のおよそ3分の1を占め、インテルが残りの3分の2を占めている。
さらに、6コアCPUの使用率が低下し、クアッドコアが上昇したが、これは9月の水準に戻っただけであり、異なる傾向と同様である。
CPU市場シェアとその他の統計
’23/9 | ’23/10 | ’23/11 | |
AMD CPU | 32.10% | 26.20% | 34.70% |
Intel CPU | 67.90% | 73.80% | 65.30% |
6コア CPU | 35.00% | 39.80% | 31.90% |
4コア CPU | 23.40% | 18.90% | 23.00% |
AVX512拡張 命令対応CPU |
9.90% | 9.50% | 10.60% |
16GB RAM | 51.30% | 48.10% | 49.90% |
しかし、AMDとインテル以外にも奇妙な動きがある。4コアと6コアのCPUのシェアは9月の数値に戻っており、クアッドコアは上昇、ヘキサコアは下降している。
これらの数字も若干変化しているので、単なるノイズではない。
AX512VNNI命令のサポートも興味深いもので、インテルの第11~14世代Raptor Lake Refresh CPUとAMDのRyzen 7000シリーズでのみサポートされている。
Steamユーザーのおよそ10%がこれらのCPUを所有していることを示しており、奇妙な変動も見られた。
16GBのRAMの使用率は、しばらくの間最も人気があったが、10月に若干の落ち込みを見せた。
その他の逆転現象 Windows11対10、英語対中国語
最後に注目すべきトレンドのひとつは、Windows10を犠牲にしてWindows11が急速にシェアを伸ばしたことだ。Windows11のシェアは11.5%増加し、Windows10の12.1%の減少にほぼ匹敵した。これは、Windows 10が7.6%増加した一方でWindows 11が6.9%減少した10月に起こったことを相殺するものである。Windows11のシェアは現在42%で、Windows10の53.5%を上回っている。
もうひとつの大きな変化は言語使用率で起こった。
10月には中国語の使用率が13.7%上昇し、英語を抜いて45.9%となった。
しかし、現在は英語が再びトップに返り咲き、中国語は9月よりも後退している。
Windowsの市場シェアと使用言語
’23/9 | ’23/10 | ’23/11 | |
Windows 10 | 56.00% | 65.60% | 53.50% |
Windows 11 | 37.40% | 30.50% | 42.00% |
英語 | 32.30% | 26.40% | 36.00% |
中国語 | 32.20% | 45.90% | 26.00% |
解説:
AMDのGPU、CPU Steam調査のシェアが回復したという話です。
単体GPUを見ると、2023/10でかなりシェアが下がり、11月でまた回復しています。
CPUでも傾向は同じで、AMD CPUは2023/10にかなりシェアが下がっており、11月に回復しています。
とても不思議な現象です。
最後のデータWindowsの市場シェアと使用言語を見ると謎が解けます。
2023/10に英語のシェアが下がり、中国語のシェアが上がっています。
恐らく、中国のどこかのネットカフェや巨大施設などでPCの入れ替えを行い、初回だけSteamサーベイの結果を送信したのではないかと思われます。
それがIntel CPU+RTX3060だったのではないでしょうか。
4/6コアCPUの使用率にも変化がありますので恐らくは一部に型落ちの10400F、11400Fや12400/Fが使われていたのではないかと思います。
その結果、使用率に大きな影響を及ぼしたのではないかと思います。
11月にはSteamサーベイへの送信を止め、正常に戻ったというようにデータからは読めます。
Steamサーベイは母数が明示されているわけではありませんので、こんな風に必ずしも実態を表していない可能性があります。
Steamサーベイのデータを読むときはその点に注意したほうが良いでしょう。
断言はできませんが、恐らく、9月と11月の母数はほぼ同じで、10月だけ突出して多かったのではないでしょうか。
データからはそのように読み取れますが、元記事では解説されていませんので、補足しておきます。
もちろんですが詳細な内訳があるわけではありませんので私の解釈が必ずあっているという保証はないので、付け加えておきます。
その他
4コアのCPUが23%台とかなり多く、こんなにSandyおじさん(Kaby以前のCPUを使っている人)がいっぱいいるのかと思うと驚きです。
SandyおじさんはWindows11で対応されなくなるはずですから、もう限界です。
大人しく買い替えましょう。
また、9月、10月、11月と見ていると異常値だつた10月を除いて9月と11月を比較するとWindows11のシェアが突出して伸びています。
この3か月間でかなりWindows11に移行したことが見て取れますね。