AMDの3D V-キャッシュ・テクノロジーの実力
Ryzen 7 7800X3Dは、ゲームに最適なCPUの1つである理由を示し続けている。
ドイツのニュースメディアComputerbaseは、Ryzen 7 7800X3DがFactorioゲームベンチマークで次期Core i9-14900Kを64%の大差で圧倒したと報じた。
Factorioはその名の通り、工場を建設・管理する2Dシミュレーションゲームだ。
このゲームには、プロセッサーの性能を測定するためのさまざまなマップを備えたベンチマークが組み込まれている。
Factorioは、グラフィックカードに縛られない数少ないゲームの1つであるため、その使用は徐々に主流になってきている。
Factorioはキャッシュが大好きなので、Ryzen 7 7800X3DやAMDの3D V-cacheを搭載した他のチップは、Intelのパーツよりも大きなアドバンテージがある。
FPS(フレーム/秒)で測定される他のゲームとは異なり、Factorioの結果はUPS(アップデート/秒)で表されます。
この数値が高ければ高いほど、プロセッサがより速く計算を実行できるため、ゲームがより速く動作することを示すからだ。
Core i9-19400Kのベンチマークを行った人(おそらくレビュアー)は、Factorioのプロセッサ性能を測定するための最も一般的なマップの1つであるflame_Sla 10k – 10x1000spm Belt Moduleマップを使用しました。
インテル Core i9-14900K ベンチマーク
プロセッサ名 | 75パーセンタイル |
Ryzen 7 7800X3D | 450.1 |
Ryzen 9 7950X3D | 415.9 |
Ryzen 7 7800X3D | 404.7 |
Ryzen 9 7900X3D | 368.3 |
Ryzen 7 5800X3D | 339.8 |
Core i9-14900K | 275.2 |
Core i7-13700K | 266.6 |
Core i9-13900K | 261.2 |
Ryzen 7 7700X | 245.1 |
Ryzen 5 5600X | 243 |
Core i5-14600K | 239.7 |
※ 最近よく使われるようになってきたので解説しておきます。パーセンタイルとは統計学の用語で所定のパーセンテージがそれ以下になるスコア。75パーセンタイルならば、下から数えて75%までの一番良いスコアのこと。パーセンタイルは該当する値をスコアで表します。書き間違いなどではないのでお断りしておきます。
Factorioはキャッシュを多用するため、AMDのRyzen 3D V-Cacheパーツがリーダーボードを独占したのは驚くことではない。
Ryzen 7 7800X3Dは、Core i9-14900Kよりも64%高速でランキングのトップに立った。
前世代のRyzen 7 5800X3Dでさえ、Core i9-14900Kを23%上回った。RyzenのバニラモデルはCore i9-14900Kにはかなわない。
間もなく登場するRaptor Lake Refreshフラッグシップは、Factorioリーダーボードで3D V-Cacheを搭載していないRyzen最速チップであるRyzen 7 7700Xよりも最大12%高いパフォーマンスを発揮した。
データベースにある未発表のRaptor Lake Refreshチップは、Core i9-14900Kだけではなかった。
誰かが同じ設定でCore i7-14700Kのベンチマークも行った。Core i9-14900KはCore i7-14700Kより3%だけ高速だったが、後者はマイナーなEコアアップグレードを受けた唯一のRaptor Lake Refreshチップなので、これはショックではない。
既存のCore i9-13900Kと比較すると、Core i9-14900Kはわずか5%高速化したに過ぎない。Raptor Lake Refreshは通常の製品よりもクロックがやや高いものが多いため、これも想定の範囲内だ。
一方、Core i5-14600Kは、Zen 3コアを搭載したAMDの前世代Ryzen 5000ラインナップのRyzen 5 5600Xと同様のパフォーマンスを示した。
Raptor Lake Refreshは、今日から数日後の10月17日に発売されると伝えられている。
この新しい10nmプロセッサーが市場を混乱させることはないだろうが、2024年にArrow Lakeが完成するまではインテルが浮き足立つことはないだろう。
ソース:Tom’s Hardware – Ryzen 7 7800X3D Smashes Core i9-14900K in Factorio Gaming Benchmark
解説:
FactrioのベンチマークでRyzen 7 7800X3DがCore i9-14900Kに勝利
プロセッサの能力としては完全にCore i9-14900Kが上なのですが、高性能デスクトップの中で一番需要が大きいのがゲーミングPCなので、演算性能よりもやはりゲーミング性能が決め手になってしまっていますね。
逆に言えば、比較的安価なRyzen 7 7800X3Dで一部のゲームでCore i9-14900Kを凌ぐ性能が出せるのはかなりお得と言えなくもないと思います。
X3DはもうAMDの最終兵器のような感じになっています。
64MBの追加のキャッシュが効くか効かないかによって大きく結果が異なりますが、PCゲーミングの世界においてはコスパの高い強力な武器であることは確かでしょう。
Intelもこの点は理解しているのか将来の製品にL4キャッシュを搭載する予定になっています。
それまでの間はキャッシュの効果が大きいゲームにおいてはX3D無双が続くと思います。
AMDプラットフォームは寿命が長いので、複数世代の製品をCPUだけ切り替えて使い続けるような用途に使う場合、かなりコスパが高くなります。
昔の4コア8スレッド時代から抜け出した現在において、もうCPUの性能で困ることはほとんどなくなりました。
ですから、演算性能として多少劣っていたとしてもゲーム性能が高ければそれで問題ないと私も思います。
今だとRyzen 7 7800X3D+RTX4060Ti 16GBを購入するのが一番満足度とコスパのバランスがいいのかなと思います。
私はAMDのファンなのでRadeonも指定しておくとRX7900XT 20GBですかねえ。
ゲームだけではなく生成AIにも使えますし、16GBメモリがあればメモリをバカ食いするイラストAIなどでも安心して使えます。
ゲーム性能も高いですし、安価、将来的にCPUとGPUの新製品が出ても個別にアップグレード可能です。