Nvidia、TSMCの3nm級プロセス技術を来年採用へ。
Nvidiaは来年、TSMCの3nmクラスのプロセス技術を採用するとDigiTimesが報じている。同社はこの技術を用いて、コードネーム「GB100」と呼ばれるコンピュート・グラフィックス・プロセッサーを生産する見込みだ。
しかし、同社はすべてのBlackwell GPUを同じ製造技術で製造する可能性が高い。
同レポートは、NvidiaのGB100は2024年に発売されると予測しており、これはNvidiaが新しいGPUアーキテクチャを発売する際の典型的な2年サイクルと一致するとしている。
B100は、人工知能(AI)やハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)アプリケーション向けのNvidiaの次世代コンピュートGPU製品となる可能性が高い。
一方、最新の噂では、GB100製品はマルチチップレット設計を採用し、HopperアーキテクチャをベースとするGH100製品と比較して性能を大幅に向上させるとしている。
TSMCの3nmクラスのプロセス技術のうち、どれがNvidiaに採用されるかは未知数だ。
TSMCには、性能強化型のN3PやHPC向けのN3Xなど、数多くの3nmノードがある。
NvidiaはAda Lovelace、Hopper、Ampere GPUにカスタマイズされた製造技術を採用しているため、Blackwellグラフィックス・プロセッサにもカスタム・ノードを採用する可能性がある。
来年TSMCのN3技術を採用するのは、もちろんNvidiaだけではない: AMD、インテル、メディアテック、クアルコムはいずれも、2024年から2025年にかけてTSMCの3nm級ノードを採用する予定だ。
実際、メディアテックはすでにTSMCとの最初のN3Eデザインをテープアウトしている。
現在、アップルだけがTSMCのN3B(第1世代N3)技術を使ってスマートフォン向けシステム・オン・チップ「A17 Pro」を製造している。
この技術は、Macパソコン向けのM3、M3 Pro、M3 Max、M3 Ultraを含む他のSoCにも採用される見込みである。
ソース:Tom’s Hardware – Nvidia’s Blackwell B100 GPU to Hit the Market with 3nm Tech in 2024: Report
解説:
AI/ML向けの高性能チップBlackwell B100はスケジュール通り2024年に発売
900トンも出荷されているnVIDIAの今世代のAI/ML向けGPU、DGX H100の後継製品B100はTSMC3nmプロセスを使い、2024年に出るそうです。
ゲーム用GPUであるRTX5000シリーズは2025年にずれ込むといわれているのとは対照的ですね。
ゲーム用のGPUが今余っているのは全部マイニング特需がいきなりなくなったからでゲーマーには一切関係ないので、nVIDIAにはゲーム市場に対してあまり攻撃的にならないでほしいところです。
次世代のB100はマルチチップレットを採用して性能を大幅に向上させているとのことで、その恩恵はゲーム用GPUにも降りてくるところでしょう。
マルチチップレット製品はGPUダイをいくつに分割することによってダイの面積を小さく抑えて生産性を向上させる効果があります。
また、複数のダイを使ってGPUの性能を向上させつつコストを抑えることが可能です。
しかし、その反面チップ間のコネクト部分で遅延が発生する可能性が高く、それをどのように解決するのか興味深いところです。
AMDは既にRDNA3でマルチチップレット構成を採用していますが、MCDとGCDに分けて64bit毎にMCDを分けてチップ間のコネクトのデータ量を制限することによってその問題を解決しています。
しかし、nVIDIAの場合、GCDを分割するのはほぼ確実でしょうから、この問題にもろにぶち当たることになります。
高性能で名をはせたZen2はマルチチップレット製品ですが、マルチチップレットはかなりの性能の飛躍をもたらしますのでRTX5000もその点では期待してよいだろうと思います。
次世代のGPUは我々にどんな未来を見せてくれるのか期待が高まりますね。