ファーウェイの副会長、コンピュートとAIの重要性を強調。
ファーウェイの孟晩舟副会長は、上海で開催されたイベント「Huawei Connect」で、中国の人工知能の進歩のためのコンピューティング・バックボーンの構築に取り組んでいると述べた。
強固なバックボーン
「日経によると、「ファーウェイは、中国のために強固なコンピューティング・バックボーンを構築することにコミットしている。
「われわれの最終目標は、さまざまな業界の多様なAIコンピューティング・ニーズを満たす手助けをすることだ」。
同会長は、スマートフォン「Mate 60 Pro」や、中国で生産されたシステムオンチップ「Kirin 9000s」(米国の制裁措置に抵触する)については、特に言及を避けた。
しかし、中華人民共和国向けのコンピューティング・バックボーンを構築するというコミットメントは、同社が人工知能(AI)やハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)アプリケーション向けのプロセッサを開発することをほぼ文字通りに裏付けるものだ。
孟氏は講演で、ファーウェイが中国に堅牢な計算インフラを構築し、さまざまな分野の多様なAI要件に応えようとしていることを強調した。
彼女は、顧客、パートナー、開発者と協力し、多様な産業にわたるインテリジェンスの進歩を促進するという同社の戦略を伝えた。
孟はファーウェイのCFOを務めており、ファーウェイの創業者である任正非の娘でもある。
したがって、彼女は単なる高級幹部ではなく、会社の将来的なビジョンを象徴している可能性がある。
これは、これらの目標を達成するための団結と忍耐の重要性を強調している。
ファーウェイのAIへのアプローチ
ファーウェイ・クラウドの張平安CEOは、鉱業、ヘルスケア、政府などの業界の特定のニーズを満たすように設計されたさまざまなAI製品を発表した。
その中には、5+N+Xのデカップリングアーキテクチャとレイヤー化されたAI機能を採用したPanguモデルもあった。
ファーウェイは詳しく説明しなかったが、「デカップリング・アーキテクチャー」とは一般的に、柔軟性と容易な管理のためにシステム・コンポーネントを分離することを意味する。
このようなアーキテクチャはモジュール性と拡張性を目指しており、Panguのモデルは様々な業界にわたる様々なアプリケーションをサポートすることができる。
例えば、ファーウェイによると、自動車向けのPanguモデルは、自律走行システムに必要な学習時間を2週間以上から2日未満に短縮したという。
張氏によると、ファーウェイは博士号を含む専門家を積極的に派遣し、先進的なAI技術を導入する企業と直接連携している。
同氏によると、この取り組みはすでに1,000社を超える企業に恩恵をもたらしており、今年はさらに200人の博士号取得者が顧客先を訪問し、インテリジェント技術と業界固有のニーズの統合を支援する予定だという。
ソース:Tom’s Hardware – Huawei Vows to Build ‘Computing Backbone’ for China’s AI Ambitions
解説:
突如Mate60Proを生産してアメリカの制裁など影響はないということを内外に示した後、今度はAIコンピューティングのバックボーンを構築するとしています。
ゲーム向けでもAI機能が重要な地位を占めるようになり、各分野で益々AI需要が高まっていますが、中国ではAI向けのプロセッサを開発することに力を入れるようですね。
是非はあると思いますが、正しい方向性だと思いますし、民間だけでは資金力や法律の関係でなかなか進まない事業を国策として一気に進めることが出来るのは中国の強みの一つだと思います。
ただし、初期の段階では字面から受けるほど洗練されたものにはならないでしょう。
数世代前のものをやっと実現するという体殿ものになると思います。
それでもアメリカの制裁でいつ輸入できなくなるかわからない海外の製品に頼るよりはかなりマシだと思います。
中国ではバブルの崩壊が続いており、こうした研究に割く力がなくなるか、その前に一線級の性能を持つ製品で社会を変革していくかのチキンレースが始まっているように思います。
普通のレースと違うところは、降りる道が無いところです。
中国がこれからも世界の最先端を走るつもりならば、降りるという選択肢はないです。
無理でも何でも突っ走るしかないでしょう。
記事中ではPanguモデルと言うものが紹介されていますが、nVIDIAのH100と同じような感じなのですかねえ。
内容を見ているだけではちょっとよくわかりません。