自作PCユーザーがゲーム用PCの解説をします

自作ユーザーが解説するゲーミングPCガイド

スイスの小売業者の統計から、最も故障率の高いGPUブランドが判明

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Tom’s Hardwareで面白い記事が出ていました。

スイス最大のPCパーツネット小売店Digitec Galaxus AG (TechEpiphanyより)のRMA利用率が公開されています。

このようなデータは通常、公開されることは無く、一般のユーザーが知りえるものではありません。

そう言った点から考えも非常に興味深い貴重なデータと言ってもよいでしょう。

RMAとは一定の期間・基準の範囲内で、破損・故障した製品を代替品と交換する保証制度のことを言います。

日本の場合、一般的には1週間から1か月程度の間返品保証が付き、それ以降は1-2年間、メーカー修理保証となるのが一般的です。

しかし、データの説明を見ると、欧州では2年間返品保証が付いているようです。

一般的に製造工程にそれほど差があるわけではないと思いますので、メーカーの品質検査がどのくらいの精度なのかを表すと考えてよいと思います。

品質検査がザルの場合、検査にかかるコストを圧縮でき、製品出荷率が上がりますので、製品当たりのコストを安く抑えられますが、サポートは一件当たりに非常にコストがかかるため、品質検査がザルの場合、一定の故障率を超えるとトータルで考えると高くつきます。

そのため、格安のメーカーは一般的にサポートもあまり良くない可能性が高いです。

なぜならば、そのようなコストがかけられないからです。

では、そう言ったことを前提にデータを見てみましょう。

また、このデータはスイス最大手とはいえ、1ネット小売店のデータに過ぎないことは忘れないようにしてください。

全世界に出荷されている製品の正確な初期不良率を表しているわけではないということです。

1店舗のデータのみの場合、製品によっては初期不良率の偏りが発生している可能性があります。

今回のデータ上で優れているメーカーがあったとしても、そのメーカーが絶対に優れているという指標にはなりえないことは注意を喚起しておきます。

単純な1小売店のサンプルと言うことを忘れないようにしてください。

なお、データは2年間で300ユニット以上販売した実績を持つメーカーに絞っているようです。

当然ですが、スイスと言う欧州の状況ですので、日本にはなじみのないメーカーも含まれていることは忘れないでください。

また、製品がゲーミング向けなのかプロフェッショナルクリエイター向けも含まれるのかについては説明がなされていませんのでその点も注意してください。

データは「保証スコア」と「保証に要する期間」です。

「保証スコア」

そのブランドの<グラフィックカード>カテゴリーに属する製品で、最初の24ヶ月以内に不具合が発生する頻度

「保証に要する期間」

保証クレームがサービスセンターに届いてから顧客の手元に戻るまで、平均して何営業日かかるか

を意味するようです。

「保証スコア」グラフを見ると日本でも販売されるようになったGainwardが1位で0.4%となっている。3位はPalitで0.8%で、PNYも名言はされていないが、Palitと関連があるとされている。こちらも0.8%とかなり低い保証スコアを誇っている。

このデータから判断するとPalit系列はとても優秀と判断してよいだろう。

Lenovoは2位で0.7%、HPは8位で1%となっている。これらは自作市場のリテール品では全く馴染みが無いが、他社からOEMを受けたり逆に時に独自の製品を製造したりするようで、主にプロ仕様の製品のようだ。

もちろんだが、完成品の一部ではなく、単体のグラフィックカードとして販売されているものの数字である。

あまり一般向けではない製品を2年間に少なくとも300ユニット以上販売している当たり、Digitec Galaxus AGがどのような規模の小売店かわかるだろう。

AMDのグラフィックカードの故障率は8位で1.4%となっている。

もちろんAMDは自社でグラフィックカードを製造しているわけではないので、リファレンスモデルとして製造されているMBA(Made By AMD)製品のことだろう。

PC Partnerはグラフにデータがある企業で言えばSapphireの製品を製造している企業だ。

その他、グラフ中にはデータが含まれていないが、DellとSamsungの製品も製造している。

AMDのリファレンス・グラフィックス・カードを製造しているメーカーである。

PC Partnerの子会社であるZotacの故障率は1.8%である。

AMD独占パートナーはPowercolor、Sapphire、XFXが知られているが、Powercolorは1.2%、XFXは2%、Sapphireは2.5%となっている。

Sapphireは2.5%と言うのは結構意外に思った。

Inno3DはnVIDIAのパートナーだが、0.9%で5位、欧州市場が中心で日本やアメリカではほとんど見かけないメーカーである。

nVIDIAのシェア率1位だったEVGAは、RMA率1.8%で12位だ。

日本のAIB四天王はどうか?

AsusとMSIが不良率1.4%で8位タイ、Gigabyte(1.9%)とASRock(2.1%)がそれぞれ14位と16位である。

日本での有名メーカーは保証スコアが高く、RMA率が高いという結果になっているのは残念。

ただし、これらは既に説明したが、必ずしも正確な実態を表しているわけではないことに注意してください。

 

グラフィックスカードがサービスセンターに届いてから顧客に戻るまでを考慮したメーカー保証期間のデータもあります。

こちらはGigabyteはRMAプロセス完了までに17営業日を要し、RMA期間に関して最悪のベンダーである一方、ASRockとPalitのRMAサービスは一流で、2営業日しかかからない。

 

どうでしたか?一部馴染みのないメーカーも含まれていますが、実態の一部が明らかになって面白かったのではないでしょうか。

個人的にはAMD系列の数字があまり良くなかったのが残念です。

また日本でのAIB四天王であるASUS、Asrock、Gigabyte、MSIもあまり数字が奮いません。

ただし、誤差や偏りを考えるとこの程度の数字は許容範囲内と私は考えます。

 

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