GeForce RTX 4060 Tiが米国小売店のセールで16%安くなる
じわじわと期待される価格に近づいているRTX 4060 Ti。
先日、Radeon RX 7900 XTXが799ドルという魅力的な価格に値下がりしたことをお伝えしたが、今度はRTX 4060 Tiが同様に大幅値下げされるという朗報が入った。
5月末に399ドルで発売されたRTX 4060 Tiだが、ゲーマーたちはすぐに、当時はグラフィックスカードとして最高の価格ではなかったことに気づいた。
このフィードバックに迅速に対応し、小売店は徐々に価格を下げてきた。Neweggの最新のキャンペーンでは、RTX 4060 Tiが史上最安値の334ドルとなっており、2ヶ月足らずで16%の大幅な値引きが実現した。
GeForce RTX 4060 TiのNeweggでの価格:
- MSI RTX 4060 Ti 8GB VENTUS 2X 8G OC: $334.39
- MSI RTX 4060 Ti 8GB VENTUS 3X 8G OC: $351.99
- GIGABYTE RTX 4060 Ti EAGLE: $351.99
- ASUS RTX 4060 Ti DUAL OC: $351.99
現在値引きされているRTX 4060 TiはMSIのモデルだけではない。
「希望小売価格」モデルの多くは、「OC」モデルの一部を含め、現在48ドル安く購入できる。
とはいえ、MSIのキャンペーンが今のところ最高であることに変わりはない。
この値下げはRTX 4060 Ti 16GBモデルの発売が間近に迫っていることと重なる。
最近のベースモデルの値下げは、より大容量の16GBモデルも発売と同時に迅速な調整が必要になることを示しているのかもしれない。
RTX 40の特価販売が増加していることは、NVIDIA RTX 40のラインアップ全体にわたって値下げが必要であることを示しています。
NVIDIAがこの必要性を早く認識すればするほど、NVIDIAにとってもゲーマーにとっても有利になります。
さらに、IntelとAMDが価格調整を進めるにつれて、NVIDIAに対する追随圧力は強まるでしょう。
ソース:Videocardz.com – MSI Ventus 2X is the first GeForce RTX 4060 Ti to drop below $335
解説:
MSIのRTX4060Tiが$334.39へ
希望小売価格$399のRTX4060Tiが334.39ドルへ
16.19%引きですね。
人気の高いGeforceにしてはなかなか大きい値引き率です。
RTX4090などの上位モデルは売れる数もそれほど大きくないですから生産調整しやすいと思いますが、ミドルレンジはかなりの量を生産するでしょうから、価格の下落も速いかもしれませんね。
RTX4060TiからCUDAコアの数が旧モデルより512CDUA減らされて、メモリのバス幅も半分に減らされています。
L2キャッシュの増量とクロックが1.5倍になることによって、旧モデル以上の性能にはなっていますが、その向上幅はわずかにとどまっています。
nVIDIAはDLSS3込みの性能で見て価格を設定したと思うのですが、ユーザーの目は厳しくラスタライズ性能で見てどうなのかと言うところを抉ってきたようですね。
なぜこんなことになったのか?
ローエンドモデルの性能を上げてもメーカーにはあまり得がない
当サイトの記事でも何度も触れてきましたが、nVIDIAはTSMC 4Nを使用するにあたって莫大な金額を投入しています。
その莫大な金額をペイして利益を出すためには製品そのものを高額にするか、ダイの面積を小さくして(=性能を下げて)価格を維持するかするしかありません。
上位モデルならば値上げしても付いてくるユーザーはいるでしょう。
しかし、ミドルレンジ以下のモデルで大幅な値上げは理解されないでしょう。
そのため、ダイ面積を小さくして、価格を少し上げるという方法を取ったのだと思います。
誤算は旧モデルの在庫と戦争による生活物資の価格上昇
ロシア-ウクライナ戦争とマイニング特需崩壊による旧モデルの大量在庫が無ければnVIDIAの目算通りになっていたかもしれません。
しかし、残念ながら、これらの出来事によってGPUを取り巻く状況は悪化してしまいました。
マイニング企業が市場に出る前のGPUをかっさらってしまったことによって厳しいまなざしでショップを見ているユーザーもいると思います。
残念ながら、これらの事情によってRTX4000シリーズのミドルレンジモデルへの購入意欲はかなり失われているように私は思います。
私はRTX4060Ti/4060無印モデルのスペックを見て、DLSS3込みのでの性能を正当化できるのかどうかについては非常に興味がありました。
しかし、その目論見はあまりうまくいっているようには思えません。
レイトレーシングって必要なのか?
もちろんハイエンドモデルを購入しているユーザーはフルオプションで楽しんでいると思いますが、FPSのAAAタイトルなど競技性の高いタイトルをプレイしているユーザーはオプションをかなり落としてFPSを上げていると聞いています。
理由は最低FPSを出来るだけ上げてプレイ中ある程度の処理落ちが発生した瞬間でもFPSが下がることによる違和感をなくすためだそうです。
私はいわゆるeSPORTS的なタイトルはあまりプレイしないため話を聞いたとき「なるほどな」と思いました。
結果が名声や金に直接結びつくならば、ある意味「見てくれなんてどうでもいい」と思っても当然で、それよりもプレイに違和感がない方が重要でしょう。
ひるがえって見かけを上げるためだけのレイトレーシングも不要と割り切ってしまう人がそれなりの数いても不思議ではありません。
レイトレーシングはかなり重たい処理ですから。
最下位のモデルがラスタライズで4Kを60FPSでプレイできるようになれば上位モデルは要らない説
4Kでラスタライズが楽にプレイできるようになったと言われているのはGTX1080Tiからだと記憶しています。
もう3世代前のモデルですから、今のミドルレンジ程度の性能となります。
GTX1080Ti=RTX3060Ti程度の性能です。
これが将来のXX50程度になったら、あまり積極的に買い替えようという人はいなくなるのではないかと思います。
今のAAAタイトルはかなり重いゲームも出てきていますから、段々この法則は崩れてきていますが、しかし、コストを重視するユーザーは1080pで60FPS出せれば基本的に満足してしまう人も多いのではないでしょうか。
メーカーにとっては下位のモデルの性能を底上げしても何一つ良いところは無いということになります。
そのため、DLSSと言う新しい基準を持ち出して、ミドルレンジGPUの性能はあまり向上させないようにしたのではないでしょうか。
なかなかユーザーからの理解は得られなかったようですが、この理屈が正当化できれば、次世代のRTX5000からもミドルレンジGPUの性能を抑えることができます。
もちろんですが、ユーザーは基本的に新しいものが好きです。
しかし、不景気が生活を直撃し、旧モデルが大量に在庫されている状況では上のような複合的な要因から安いモデルを選んでしまっても仕方ないのかなと思います。