新たな報道やリーク情報により、NVIDIAが2023年の第2四半期にGeForce RTX 4070 & RTX 4060Tiグラフィックスカードを発売することが示唆されているようです。
NVIDIA GeForce RTX 4070 “AD104” グラフィックカードは4月に発売、RTX 4060 “AD106 “は同四半期に発売
NVIDIAのGeForce RTX 4070とRTX 4060は、RTX 4060は確かにそれを大きく下回る500ドルUSに近い価格設定になるAdaメインストリームのグラフィックスカードになる予定である。
GeForce RTX 4070は4月に発売されると言われており、RTX 4060Tiは同じ四半期に発売されると思われますが、数週間の差があります。
というわけで、まずはVideocardzが、NVIDIA GeForce RTX 4070が2023年の4月までに店頭販売されると報じています。
NVIDIAが同じ日にカードを発表して発売するかどうかは、はっきりとは言えません。
RTX 4070 Tiは小売発売のわずか2日前に発表されたので、発表から発売までのウィンドウが小さい次期グラフィックスカードもそうなる可能性があります。
というわけで、メインストリームのカードを実際に見ることができるまで、あと2ヶ月は待つことになりそうです。
NVIDIA GeForce RTX 4070グラフィックスカードの噂される仕様
NVIDIA GeForce RTX 4070は、GPUコアに「AD104-250/251」を搭載すると予想される。GPUは5888個のCUDAコアと、21Gbpsクロックの12GB GDDR6X VRAMを搭載するという。
GeForce RTX 4070グラフィックスカード用に設計されたPCBボードは3つあるようで、そのうち2つは先月指摘したが、もう1つはKopite7kimiによって明らかにされている。
そのうち2つはリファレンスカード用で、1つは以下のようにFounders Edition用となっています。
- PG141-SKU343 RTX 4070 リファレンスエディション AD104-250-A1
- PG141-SKU344 RTX 4070 ファウンダーズ・エディション AD104-250-A1
- PG141-SKU345 RTX 4070 リファレンス・エディション AD104-251-A1
※ 画像をクリックすると別Window・タブで拡大します。
このグラフィックスカードは、220W TGPを採用していた上で200W TGPを採用する見込みなので、電力が10%削減されていることになります。
また、もう1つ興味深いのは、GeForce RTX 4070のコア構成は、同じく5888コアを搭載するRTX 3070と非常に似ているが、後継機ではAda GPUコアが収容されており、さらなるパフォーマンスだけでなく、高い効率性ももたらすはずだということだ。
このカードは、ベースクロック1920 MHz、ブーストクロック2475 MHzで、約30 TFLOPsの計算能力を発揮すると言われています。
NVIDIA GeForce RTX 4060Tiグラフィックスカードの噂される仕様
GeForce RTX 4060Tiは、AD106グラフィックチップの縮小版であるAD106-350-A1 GPUコアを利用すると予想され、噂によれば、34 SMまたは4352 CUDAコア、128ビットバスインターフェースで18 Gbpsで動作する8 GB GDDR6メモリ、カードに288 GB/Sの帯域を提供するはずである。
また、GPUには32MBのL2キャッシュが搭載されており、GeForce RTX 3060 Tiの8倍となっている。
RTX 4070と同様に、RTX 4060TiもPCIe Gen5 12VHPWRコネクタを使用します。
これは、NVIDIAが全ラインナップで標準化することを望んでいるからです。
また、このグラフィックスカードは、リファレンスとノンリファレンスの両方でコンパクトなPCB設計を特徴とします。
リファレンスボードは、「PG190 SKU 361」と呼ばれていることが分かっています。
このカードは、160W TGPで動作すると予想され、これは旧モデルのRTX 3060 Tiよりも20%低いことになります。
NVIDIA GeForce RTX 4000シリーズ グラフィックカードラインアップ(噂):
グラフィック カード |
GPU | PCBモデル | SMユニット 数 / コア数 |
メモリ容量 / バス幅 |
メモリクロック / 帯域幅 |
TBP | 補助電源 コネクタ |
発売日 |
NVIDIA Titan A / GeForce RTX 4000? |
AD102-450? | 不明 | 144 / 18432? | 48 GB / 384-bit | 24 Gbps / 1.15 TB/s | ~800W | 16-pin x2 | 不明 |
NVIDIA GeForce RTX 4090 Ti |
AD102-350? | 不明 | 144 / 18432? | 24 GB / 384-bit | 24 Gbps / 1.15 TB/s | ~600W | 16-pin x1 | 不明 |
NVIDIA GeForce RTX 4090 |
AD102-300 | PG136 | 128 / 16384 | 24 GB / 384-bit | 21 Gbps / 1.00 TB/s | 450W | 16-pin x1 | 2022Q4 |
NVIDIA GeForce RTX 4080 |
AD103-301/300 | PG139 SKU 360 | 76 / 9728 | 16 GB / 256-bit | 23 Gbps / 716.8 GB/s | 320W | 16-pin x1 | 2022Q4 |
NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti |
AD104-400 | PG141 SKU 331 | 60 / 7680 | 12 GB / 192-bit | 21 Gbps / 504.0 GB/s | 285W | 16-pin x1 | 2023Q1 |
NVIDIA GeForce RTX 4070 |
AD104-251/250 | PG141-SKU 345/343 | 46 / 5888 | 12 GB / 192-bit | 21 Gbps / 504.0 GB/s | 200W | 16-pin x1 | 2023Q2? |
NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti |
AD106-350 | PG190 SKU *** | 34 / 4352 | 8 GB / 128-but | 18 Gbps / 288.0 GB/s | 160W | 16-pin x1 | 2023Q2? |
NVIDIA GeForce RTX 4060 |
AD106-300 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | ~150W | 16-pin x1 | 2023Q3? |
NVIDIA GeForce RTX 4050 |
AD107? | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 | ~100W | 不明 | 2023Q3? |
ソース:wccftech – NVIDIA GeForce RTX 4070 & RTX 4060 Graphics Cards Expected To Launch In Q2 2023
解説:
RTX4070の発売時期がリーク
RTX4070は2023年Q2つまり4-6月期に発売されるとされています。
こちらはもっと具体的に言うと4月となるようです。
元記事の元になっているVideocardz.comの記事を見るとRTX4060の記述はどこにもなく、RTX4060Tiとなっているので、上の記事もRTX4060の記述をRTX4060Tiに書き換えてあります。
まだRTX4060の仕様にまつわるリークは無かったはずです。
単純な記述ミスだと思いますが、一応お断りさせていただきます。
支持されなくなったnVidiaの価格政策
さて、RTX4070Tiは公式版の価格は当初149,800円とされていました。
※ ドルでは$899です。
しかし、現在では新品を128,000円台で売っている店があり、もうすでに実勢とはかけ離れた価格と言ってもよいのではないかと思います。
少なくとも日本では出回っている数と需要が明らかに釣り合っていません。
今回のAda Lovelaceは極端にコスパが良くないですが、既にこれはユーザーから支持されなくなっていると言ってもよいのではないでしょうか。
これを受けてnVidiaの価格政策に変化があるのかどうかは注目したいところです。
AmpereがだぶついているのもAda Lovelaceが避けられている理由の一つだと思います。
参考:RTX4070の3DMarkの仮想スコア
CUDA数 | TimeSpy | FireStrikeExtreme | |
RTX4070 | 5888 | 17399 | 20744 |
RTX4060Ti | 4352 | 12838 | 15363 |
RTX3080 | 8704 | 17848 | 20994 |
RTX3070 | 5888 | 13896 | 16440 |
RTX3060Ti | 4864 | 11887 | 14335 |
RTX3060 | 3584 | 8833 | 10252 |
上の表は私が計算で出したものです。
RTX4070はRTX3080とほぼ同じ性能であり、あまり価格が変わらなかったり、RTX3080と同じであれば、「じゃあRTX3080買うわ」となってもおかしくありません。
RTX4070Tiの公式価格を元にした1CUDAあたり19.5円で計算した私のRTX4070の予想価格は114,816円です。
そして、今のRTX3080の価格は最安で113,111円です。
コスパ的には全く変わってないわけで、これでは購入しようという意欲が湧きません。
nVidiaの価格政策はなぜ受け入れられないのか?
巷ではChatGPTが大きく取り上げられ、これでnVidiaの株価が急騰しているわけですが、ゲームに使われているAI技術は今のところDLSSのみであり、DLSSは確かに素晴らしい技術だと思いますが、ではユーザーはDLSSが使えないARCやRadeonを選んでいないのかと言えば決してそんなことはありません。
なぜならば、FSRやXeSSと言う類似の技術があるからです。
確かにAIを使った技術としてはDLSSの方が高度なのかもしれません。
しかし、アップスケーラーと言う同じ方向性の技術であるならば、ユーザーはFSRでも受け入れるということです。
DLSSが製品選択の決め手になるわけではありません。
nVidiaはこのあたりを勘違いしていると思います。
ゲーム機と違ってPCパーツと言うのは特定のメーカーが囲い込んでいるわけではありません。
現在では単体GPUのノウハウと言う高い参入障壁がありますのであまり参入してくるメーカーはいませんが、それでも特定のメーカーが権利を持って囲い込んでいるわけではないのです。
コスパ良い別のメーカーがあればそちらを選ぶユーザーがいても何らおかしくはないということです。
ムーアの法則は本当に終わってしまったのか?
RTX4070Tiまでの価格はムーアの法則が終わったという前提で価格付けしていると思います。
しかし、世界的なインフレもあってユーザーはこれ以上嗜好品であるPCパーツにお金を払えなくなってきています。
nVidiaが事実上の値上げをしていった先に、何が待っているのかと言うことは私も興味深く見守っています。
私はRTX4080は高すぎるので売れないと思いましたが、RTX4070Tiはある程度売れると思っていました。
しかし、販売が奮っていない現状を見ると、世間の考え方が変わってきているように思えます。