IntelのSapphire Rapids CPU用デスクトップワークステーション&HEDT CPUプラットフォーム「W790」の全仕様と機能がリークされた。
Intel W790 ‘Fishhawk Falls’チップセットプラットフォームが次世代Sapphire Rapids Xeon Workstation & HEDT CPUをサポート
HXL(@9550Pro)氏が発見した最新のチップセット比較スライドには、Intelの次世代ワークステーションファミリーのスペックや特徴が示されている。
ラインナップは2つに分かれ、C741はSapphire Rapids-SPやSapphire Rapids-SP with HBMなどのサーバーCPU(Xeon Max CPUとも呼ばれる)の上位機種向けとされる。
もう1つのチップセットは、今回取り上げるW790で、Sapphire Rapids-112LやSapphire Rapids-64Lファミリ向けに設計されているものです。
これらのCPUラインナップは、ワークステーションやHEDTユーザー向けの製品となっている。
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Intel W790 CPUプラットフォームは、CPUからPCIe Gen 5.0レーンを完全に利用することができます。
Xeon W-3400とXeon W-2400を含むすべてのSapphire Rapids Workstation CPUは、W-3400ファミリーが最大112レーン、W-2400が最大64レーンと膨大な数のPCIe Gen 5.0レーンをCPUから直接提供されている。
CPUレーンに加え、W790「Fishhawk Falls」PCHでは、PCIe Gen 4.0が16、PCIe Gen 3.0が12、SATA 3.0が8ポート用意される予定です。
以下は、ワークステーション/HEDTプラットフォームで利用可能なレーンの内訳である。
- 112 PCIe Gen 5.0レーン(Xeon W-3400)
- 64 PCIe Gen 5.0レーン(Xeon W-2400)
- 16 PCIe Gen 4.0 レーン (W790 PCH)
- 12 PCIe Gen 3.0 レーン (W790 PCH)
- 8 SATA III 6 GB/sポート(W790 PCH)
メモリ構成は、Intel Xeon W-3400 CPUが8チャネルDDR5をサポートし、チャネルあたり2枚のDIMMをサポート、Xeon W-2400 CPUが4チャネルDDR5をサポートし、チャネルあたり2枚のDIMMをW790プラットフォームでサポートする予定です。
Xeon W-3400 CPUは最大4TBをサポートし、W-2400 CPUは最大2TBの容量を、最大DDR5-4800の速度でサポートします。
- インテル Xeon W-3400 – 8チャネル DDR5-4800 (最大4 TB 容量/ECC)
- インテル Xeon W-2400 – 4チャネル DDR5-4800 (最大2TB容量/ECC)
全てのIntel Sapphire Rapids Workstation & HEDT CPUには、IAとメモリのパフォーマンスチューニングオプションが付属しています。
これらのアンロックされたパフォーマンスチューニング機能は、一部のSKUでのみ利用可能であることが明記されています。
また、Intel Wi-Fi(CNVi)のサポート、最大14個のUSB 2ポート、25個のUSB 3ポート(5 Gen2x2、10 Gen2、10 Gen1)、VROC PCIe/SATA RAIDのサポートも提供される予定である。以下は、Intel自身が強調する主な特徴である。
- Intel vPro for WorkstationsとIntelアドバンスト・マネジメント・テクノロジー
- エンタープライズPCと整合性のあるリモート管理、仮想化、およびセキュリティ機能
- W790 & W680で統合されたインテル® Wi-Fi 6Eサポート
- インテル・プラットフォーム・トラスト・テクノロジー(C741, C621, C621A, C422 & X299 Limited)
- インテル ブートガード
- 最大x8 DMI プロセッサ-チップセット間接続
- W790 & W680で統合USB 3.2 Gen 2×2(20G)サポート
- チップセットPCIe 4.0レーン(W790 & W680)
- Intel Ethernet接続サポート(統合I219-LM / ディスクリートI225-LM)
Intel Sapphire Rapids Xeon Workstation CPU Xeon W-2400 & Xeon W-3400
Intel Sapphire Rapids Xeon Workstationのラインナップは、Xeon W9、Xeon W7、Xeon W5、Xeon W3セグメントで、MonolithicとMCMの両方が提供される予定であることは予想通りである。
ラインナップは、Xeon W-2400が8SKU、Xeon W-3400が9SKUの合計17SKUとなっている。
Xeon W-3400プラットフォームは最大350WのTDP、Xeon W-2400は最大225WのTDPを実現する予定。
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Intel Sapphire Rapids-WS Xeon Workstation CPU Lineupのスペック:
CPU名 | アーキテクチャー | 製造プロセス | コア数/ スレッド数 |
ベース クロック |
最大 ブースト |
L3 キャッシュ |
メモリ サポート |
Max PCIe Gen5 Lanes | TDP |
Xeon W9 -3495X |
Golden Cove (MCM) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
56/112 | 1.9 GHz | 4.8 GHz | 105 MB | 8-Channel DDR5 |
112 Gen 5 | 350W |
Xeon W9 -3475X |
Golden Cove (MCM) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
36/72 | 2.2 GHz | 4.8 GHz | 82.5 MB | 8-Channel DDR5 |
112 Gen 5 | 300W |
Xeon W7 -3465X |
Golden Cove (MCM) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
28/56 | 2.5 GHz | 4.8 GHz | 75.0 MB | 8-Channel DDR5 |
112 Gen 5 | 300W |
Xeon W7 -3455 |
Golden Cove (MCM) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
24/48 | 2.5 GHz | 4.8 GHz | 67.5 MB | 8-Channel DDR5 |
112 Gen 5 | 270W |
Xeon W7 -3445 |
Golden Cove (MCM) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
20/40 | 2.6 GHz | 4.8 GHz | 52.5 MB | 8-Channel DDR5 |
112 Gen 5 | 270W |
Xeon W5 -3435X |
Golden Cove (MCM) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
16/32 | 2.1 GHz | 4.7GHz | 45.0 MB | 8-Channel DDR5 |
112 Gen 5 | 270W |
Xeon W5 -3433 |
Golden Cove (MCM) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
16/32 | 2.0 GHz | 4.2 GHz | 45.0 MB | 8-Channel DDR5 |
112 Gen 5 | 220W |
Xeon W5 -3425 |
Golden Cove (MCM) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
12/24 | 3.2 GHz | 4.6 GHz | 30.0 MB | 8-Channel DDR5 |
112 Gen 5 | 270W |
Xeon W5 -3423 |
Golden Cove (MCM) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
12/24 | 2.1 GHz | 4.2 GHz | 30.0 MB | 8-Channel DDR5 |
112 Gen 5 | 220W |
Xeon W7 -2495X |
Golden Cove (Mono) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
24/48 | 2.5 GHz | 4.8 GHz | 45.0 MB | 4-Channel DDR5 |
64 Gen 5 | 225W |
Xeon W7 -2475X |
Golden Cove (Mono) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
20/40 | 2.6 GHz | 4.8 GHz | 37.5 MB | 4-Channel DDR5 |
64 Gen 5 | 225W |
Xeon W5 -2465X |
Golden Cove (Mono) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
16/32 | 3.1 GHz | 4.7GHz | 33.7 MB | 4-Channel DDR5 |
64 Gen 5 | 200W |
Xeon W5 -2445X |
Golden Cove (Mono) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
12/24 | 3.2 GHz | 4.6 GHz | 30.0 MB | 4-Channel DDR5 |
64 Gen 5 | 200W |
Xeon W5 -2445 |
Golden Cove (Mono) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
10/20 | 3.1 GHz | 4.6 GHz | 26.2 MB | 4-Channel DDR5 |
64 Gen 5 | 175W |
Xeon W5 -2435 |
Golden Cove (Mono) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
8/16 | 3.1 GHz | 4.5 GHz | 22.5 MB | 4-Channel DDR5 |
64 Gen 5 | 165W |
Xeon W3 -2425 |
Golden Cove (Mono) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
6/12 | 3.0 GHz | 4.4 GHz | 15.0 MB | 4-Channel DDR5 |
64 Gen 5 | 130W |
Xeon W3 -2423 |
Golden Cove (Mono) |
10nm ESF ‘Intel 7’ |
6/6 | 2.1 GHz | 4.2 GHz | 15.0 MB | 4-Channel DDR5 |
64 Gen 5 | 110W |
解説:
Intelがワークステーション向け新世代Xeonのラインナップを公開したようです。
この分野は14nmで停滞していた時期にAMDのThreadripperにコテンパンにのされてしまいCore-Xとしてのラインナップが断絶しました。
AMDのThreadripperはあらゆる点でHEDTを革命した製品と言ってよいと思います。
素晴らしい製品でしたが、Threadripper 5000世代で供給の問題からプラットフォームを変更してOEM中心のワークステーション向けとなりました。
価格的に旨味の無かった自作PC市場向けに安価で製品を供給し続けるのは難しかったのでしょうね。
Intelは一度断絶したラインナップをXeonとして再度製品を供給することにしたようですね。
Core-Xも別に出るのかどうかはわかりませんが、同じカテゴリにあるThreadripper PRO 5000WXシリーズが多コア向けに最大の能力を発揮する製品である以上、手は抜けないと思います。
価格がいくらなのかはわかりませんが、スペックに関しては最高56コア112スレッドと200万円以上するサーバー向けXeonと同じ仕様になっています。
Core-Xの時代はXeonと比べると仕様が劣化していたことから口の悪いユーザーからはXeonの残りカスなどと揶揄されてきましたので、これで本当に個人向けのXeonと名乗れるのではないかと思います。
Threadripperは非常に残念な結果になってしまいましたが、Intelに本気を出させたという点で非常に意義が大きい製品だったのではないでしょうか。
何れにしてもコスパの良かったPROではないThreadripperと言うHEDTの星が果たした役割はそれなりに大きかったのだと思います。
もちろんですが、64コア128スレッドのThreadripper PRO 5995WXは今でも個人で購入可能です。
ソケットsTRX4のThreadripper 3995Xと比較すると価格が倍くらいになってしまいましたが。