数日前、AMDとNVIDIAがパートナーから発行されるGPUの新しい値下げを準備していることをお伝えしました。しかし、最近の値下げは在庫を動かすのに特に効果がなかったようで、両社は現在、既存のラインナップに対してより残酷な値下げ、プロモーション、割引を準備しているようです。
AMDとNVIDIA、在庫一掃のため9月にGPU価格引き下げを実施か?
最新のレポートは、台湾の業界関係者と台湾の主要な経済ニュースアウトレットを引用しているMyDriversから来ています。
それは、価格カットの現在のラウンドは、AMD&NVIDIAプラス彼らのパートナーが望んでいた方法で在庫を移動していないことを述べている.
そのため、第2弾の値下げが進行中で、現世代GPUでこれまでに見られた値下げ幅を上回るものになるとのことです。
以下は、その声明文です。
グラフィックスカードの値下げが叫ばれて久しいが、多くのユーザーはそのことに気づいていない。台湾経済日報の暴露によると、主な理由は、メーカーはまだディーラーとのより良い優遇措置について議論していることです 。
台湾経済日報の最新ニュースによると、業界の在庫処分は期待ほど良くないという。グラフィックスカードメーカーは、主にNVIDIAとAMDの製品は、9月から値下げの新しい波を開始し、値下げははるかにコスト圧力を緩和するために良いことができる、以前の努力を超えてしまいます。
マイドライバーズ
これらの新しい値下げは9月に実施されると言われており、主にAIBsが既存のチップの在庫に対して課されることになる。
NVIDIAとAMDは、ボードパートナーや小売店などのパートナーに対して、次世代GPUのための余剰在庫を処分するように要請している。
NVIDIAはすでに在庫の一掃に取り組んでおり、CEOのJensen Huang氏は、今後数四半期にわたって在庫の一掃を行なうと明言しています。
過剰在庫の状況は、経済状況やPCセグメント内の全体的な需要の低下を考慮すると、2023年まで劇的に改善されないと予想されます。
さらに、暗号の洪水によっていくつかの中古GPUが市場に出回り、消費者がライフサイクルのこの時期に新品のグラフィックカードを購入する理由はほとんどないのです。
AMDとNVIDIAの様々なGPUですでに前回の値下げが行われていますが、本当にグラフィックカードを買いたいと思っていた人、次世代まで我慢できない人は、来月まで待って、どんな値下げが来るか確認することをお勧めします。
今週初めに述べたように、AMD RadeonとNVIDIA GeForce GPUの価格は全体的に下がり続け、今月末には大きな値下げも予定されているので、数週間後にRTX 3090が1000ドルを下回ってもショックを受けないで下さいね。
解説:
値下げしても売れないAmpereとRDNA2
別にAmpereとRDNA2に罪があるわけでも歴代の製品に比べて極端に性能が劣っていたわけでもありませんが、AmpereとRDNA2の在庫がハケず、さらなる値下げが予定されているようです。
Pascalの時も同じように在庫が余り、値下げして在庫を処分していましたが、なぜ今回こんなに在庫処分に苦しんでいるのでしょう?
詳しく考察してみましょう。
・在庫の数が多い可能性
Pascalの時と比較するとGPU市場は年々大きくなっており、それに伴って用意されていた在庫の数も増えている
・情報の伝達速度が速くなった
Pascalの時と比較すると、SNSがさらに発展し、皆が情報に敏感になり新製品の情報に敏感になった。
・工場のリードタイムが長くなっている
工場での生産数は生産調整に数か月を要する可能性があります。需要が激減して生産数を調整したとしても数を減らすのに4-6か月かかる可能性があるということです。
ゲーマーに限らず、誰だって新製品の発売直前に現行の製品を購入するのは嫌です。
値引きやソフトのバンドルなどによる強力なインセンティブが働かない限りもうすぐ型落ちする製品を購入したいとは誰も思わないでしょう。
管理人が考えるAmpereの今の適正価格(ゲーマー向け)
ここからの話は前にも少し触れましたが、かなりシビアです。
販売関係者は見ない方が良いと思います。
まずマイニング需要が無かったTuringのケースを考えてみましょう。
モデルはRTX2060を想定してみます。
RTX2060 | RTX2060SUPER | RTX2070 | |
発売時期 | 2019/1 | 2019/7 | 2018/10 |
価格 | 42,500 | 49,980 | 89,618 |
GPUチップ | TU106 | TU106 | TU106 |
CUDAコア数 | 1920 | 2136 | 2304 |
メモリバス幅 | 192bit | 256bit | 256bit |
メモリ容量 | 6GB | 8GB | 8GB |
TimeSpyスコア | 7,755 | 8,918 | 9,187 |
上の表のとおり、ほぼ、RTX2070と変わらないRTX02060SUPERをRTX2060発売後半年(RTX2070の発売日から数えると9か月)してから発売しています。
RTX2060ユーザーから見るとスペックアップであり、RTX2070ユーザーから見ると実質的な値下げであることがよくわかる結果だと思います。
馴れているゲーマーならば、GPUのフルモデルチェンジは2年周期であり、24か月たつと価値が大きく下落することを良く理解していると思います。
TuringではSUPERと言う形で1年前後をめどにラインナップを一新して、販売のテコ入れをしていたということになります。
ゲーマーにとってGPU製品とは何もしなくても時間の経過によって、価値が下落していくものなのです。
ではここでTuringからAmpereに移行した時を見てみましょう。
RTX2080Ti | RTX3070 | RTX3070Ti | |
発売時価格 | 169,800 | 79,800 | 89,980 |
メモリ容量 | 11GB | 8GB | 8GB |
TimeSpyスコア | 14,579 | 13,896 | 14,811 |
ほぼ同じ性能帯であるRTX2080Ti/RTX3070/RTX3070Tiで考えてみると、2年後には価値は半分以下になると考えてよいでしょう。
もちろん、メモリ容量などはフラッグシップであるRTX2080Tiが優れていますが、価格が倍になるほどの価値はありません。
RTX4070もこれに倣うならば、RTX3090無印を例に挙げると発売時価格229,800円に対してRTX3070/Tiより多少高くなったとしても税込100,000円程度だと思われます。
つまりRTX4000シリーズ発売直前のこの時期にあっては発売時の半分以下の価値しかないということになります。
クリエイター用途などに使用されて大量のメモリを必要とされる方はまた違った計算になるでしょう。
しかし、ゲーマーにとってはこのような価値基準になると思います。
今の時期に値下げと言うのは本当に遅すぎると思いますし、今まで最新のGPUを手にすることができなかったゲーマーに訴求するのは弱すぎると思います。
マイナーの景気の良いうちはマイナーに売るのは当然だったと思います。
私も売る側ならば少しでも高く買ってくれる人に売りたいという気持ちはわかります。
しかし、新製品の発売直前のこの時期に「旧製品など買いたくない」と思うのは人情であり、そう思っている人たちに無理やり旧製品を売りつけることはできませんし、よほどの好条件でない限りアピールは出来ないでしょう。
売る側もかつて条件の良い人に売っていたわけですから、買う側に「自分の利益を最大化するような行動をするな」とは誰にも言えないと思います。
誰だって損するのは嫌なのですから。