NVIDIAのGeForce RTX 4080グラフィックスカードは、リーク者のKopite7kimi氏によって、さらに高速なGDDR6Xメモリが報告され、新しいスペックアップデートが行われました。
NVIDIA GeForce RTX 4080グラフィックスカード、今度は23Gbps GDDR6Xメモリ搭載でTBP340Wと予想される
リーク者によると、NVIDIA GeForce RTX 4080グラフィックスカードの仕様のほとんどは変わらず、変更されたのはメモリの仕様と電源設計だけだそうです。
NVIDIAはMicronの高速なGDDR6Xメモリモジュールを活用するようで、4080は23Gbpsのダイを搭載すると伝えられている。
また、このスペック更新により、TBPも若干高くなり、従来の320Wという数値から340Wに上がっている。
https://twitter.com/kopite7kimi/status/1561942397680254976?ref_src=twsrc%5Etfw
NVIDIA GeForce RTX 4080の「予想される」スペック
NVIDIA GeForce RTX 4080は、従来の構成が80SM、10,240コアを提供していたのに対し、合計84ユニットのうち9,728コア、76SMを有効にしたカットダウンAD103-300 GPU構成を利用すると予想される。
フルGPUは64MBのL2キャッシュと最大224個のROPを搭載しているが、RTX 4080はカットダウン設計のため、48MBのL2キャッシュとより少ないROPにとどまるかもしれない。
このカードは、PG136/139-SKU360 PCBをベースとすることが予想される。
メモリのスペックとしては、GeForce RTX 4080は16GBのGDDR6Xとなる見込みで、256bitバスインターフェースで23Gbpsの速度で調整されると言われています。
これは、最大736GB/sの帯域幅を提供することになります。
これは、RTX 3080は容量が10GBと少ないものの、320ビットインターフェースを搭載しているため、760GB/sとなる帯域幅と比べると、ほんの少し遅いです。
低い帯域幅を補うために、NVIDIAは次世代メモリ圧縮スイートを統合して、256-bitインタフェースを補うことができるかもしれません。
電力については、TBPの定格電力が340Wに設定され、前回取得した320Wのスペックから20W増加した。
これにより、TBPは既存のRTX 3080グラフィックスカード(最大350W)と同程度の性能になりました。
現在、他のRTX 4000シリーズグラフィックスカードもより高速なGDDR6Xメモリ処理を受けるかどうかは不明ですが、Micronが最大24Gbps GDDR6Xメモリモジュールのフル量産を開始したことが分かっているので、これは何かに使われるはずです。
- NVIDIA GeForce RTX 4080 “予想” TBP – 340W
- NVIDIA GeForce RTX 3080 “公式 “TBP – 350W
NVIDIA GeForce RTX 4080シリーズ速報スペック:
グラフィック カード名 |
NVIDIA GeForce RTX 4080 Ti |
NVIDIA GeForce RTX 4080 |
NVIDIA GeForce RTX 3080 Ti |
NVIDIA GeForce RTX 3080 |
GPU名 | Ada Lovelace AD102-250? | Ada Lovelace AD103-300? | Ampere GA102-225 | Ampere GA102-200 |
製造プロセス | TSMC 4N | TSMC 4N | Samsung 8nm | Samsung 8nm |
ダイサイズ | ~450mm2 | ~450mm2 | 628.4mm2 | 628.4mm2 |
トランジスタ数 | 不明 | 不明 | 280億 | 280億 |
CUDAコア数 | 14,848 | 9,728? | 10,240 | 8,704 |
TMU数 / ROP数 |
不明 / 232? | 不明 / 214? | 320 / 112 | 272 / 96 |
Tensor / RT コア数 |
不明 / 不明 | 不明 / 不明 | 320 / 80 | 272 / 68 |
Base Clock | 不明 | 不明 | 1365 MHz | 1440 MHz |
Boost Clock | ~2600 MHz | ~2500 MHz | 1665 MHz | 1710 MHz |
FP32演算性能 | ~55TFLOPs | ~50 TFLOPs | 34 TFLOPs | 30 TFLOPs |
RT TFLOPs | 不明 | 不明 | 67 TFLOPs | 58 TFLOPs |
Tensor-TOPs | 不明 | 不明 | 273 TOPs | 238 TOPs |
メモリ容量 ・種類 |
20 GB GDDR6X |
16 GB GDDR6X |
12 GB GDDR6X |
10 GB GDDR6X |
メモリバス幅 | 320-bit | 256-bit | 384-bit | 320-bit |
メモリ速度 | 21.0 Gbps? | 23.0 Gbps? | 19 Gbps | 19 Gbps |
メモリ帯域幅 | 840 GB/s | 736 2GB/s | 912 Gbps | 760 Gbps |
TBP | 450W | 340W | 350W | 320W |
価格(希望小売 価格/FE版) |
$1199 US? | $699 US? | $1199 | $699 US |
発売時期 | 2023? | 2022年? | 2021/07/03 | 2020/09/17 |
NVIDIA GeForce RTX 4080とRTX 4070グラフィックスカードは、RTX 4090の他にゲーマーに発売される最初のグラフィックスカードの1つとなりますが、グリーンチームがRTX 4090のすぐ後に今年中に発売する予定なのか、来年初めまで出さないのか、分かりません。
RTX 4090は今のところ、2022年10月頃に発売される見込みです。
解説:
RTX4080の仕様の一部がリーク
RTX4080=256bitメモリバス、GDDR6X、23Gbps、736GB/s、16GB、TBP340W
となりました。
今までの噂よりもメモリ速度が上がり、帯域が教化され、TBPが20W上がりました。
RTX3080はメモリバス幅320bit、RTX4080はメモリバス幅256bitと違いがあるため、より高速なGDDR6Xを使用してもバス幅の分だけ不利になります。
そのため、メモリの帯域幅はRTX3080より若干落ちることになります。
nVidiaはこの対策として、データの圧縮を行って補うかもしれないとされています。
私はそんなことはしないと思います。
理由は大量のL2キャッシュを搭載しているため、見かけ上のメモリ帯域がはるかにAmpereより大きいからです。
RTX4070もメモリバス幅は192bitとされており、RTX3070の256bitと比較すると高速メモリを使っても帯域幅は小さくなる可能性もありますが、大容量のL2キャッシュを搭載しているため恐らく実効帯域が小さくなることは無いでしょう。
RTX4000シリーズの最大の特徴の一つがやはり大容量キャッシュの搭載によるメモリ搭載量の柔軟性が上がったことでしょう。
AmpereではRTX3060 12GBとRTX3070 8GBののメモリ搭載量が逆転していましたが、これは256bitバスと192bitバスでメモリの搭載量が8GB/16GB、6GB/12GBと変化するためで、今の時代、容量的に6GBは厳しいという判断が働いたためでしょうね。
この点、RTX4000しリーズは大容量のL2キャッシュを搭載し、見かけ上のメモリ帯域が上がるため、メモリのバス幅にそれほど気を使わなくてよくなりました。
また、発売時期に関しても言及があります。
RTX4090は30万越えになると思われます。
これではほとんど数が出ませんので、元記事に書いてある通り、RTX4080/4070の年内発売が危ぶまれていますが、この2つの売れ線のモデルを年末商戦にぶつけないで来年に先延ばしするのか?と言う疑問が湧きます。
現在GPU市場はマイニング特需が終わって作り過ぎた在庫を処分するのに四苦八苦している状態ですから、今年のクリスマス商戦を丸々Ampereの在庫を処分するために使う可能性は0ではありません。
しかし、かなり覚悟のいる選択ではないかと思います。
先日、アメリカの大手マイニング企業SDIGが保有しているマイニングリグを売りに出したという話を取り上げましたが、その数なんと26,200です。
これらに5-9程度のGPUがぶら下がっていたとして、その数なんと131,000から235,800です。
こんな狂ったような数のGPUが中古市場に流れてくれば、中古市場自体が価格崩壊してしまうと思いますので、ちょっとやそっとじゃ在庫の処分は出来ないのではないでしょうか。
20万個を超えるようなGPUをマイニング企業が金に糸目をつけずにかっさらっていっていたとすれば、ゲーマーの手には渡らなかったはずですよね。
DLSSもRTXも素晴らしい技術だと思いますが、こういった状況を見ていると「本気で普及させる気あるのかよ」と訝しく思います。
マイニングゴールドラッシュは市場に混乱以外の何物も残さなかったと思います。
単に誰かが作ったマイニング用のソフトウェアを使うだけでブロックチェーンと言う技術を使いこなした気になって幼稚な万能感に浸っていただけの勘違いマイナーが金にモノを言わせてGPUを買いあさって市場を荒らしまくった挙句、「GPUは金融商品」などとわけのわからない寝言を宣って我が世の春を歌っていたわけですが、こういった勘違い野郎がもう2度と出てこないよう、GPUがマイニングに2度と使われないように祈らずにはいられません。
マイニング企業がつぶれていくのはGPU市場に混乱をもたらした天誅のように思えてくるのは私だけでしょうか。