NVIDIA GeForce RTX 3000 & AMD Radeon RX 6000シリーズグラフィックスカードの価格が国際小売市場で下落し続けていると3DCenterが報じています。
NVIDIA GeForce RTX 3000 & AMD Radeon RX 6000グラフィックスカードの価格が希望小売価格よりさらに下落
AMD Radeon RX 6000 & NVIDIA GeForce RTX 3000シリーズグラフィックカードの価格は、2022年に入ってから下落傾向にある。
その主な要因は、暗号通貨の需要が終わったこと、GPUの大量の在庫品余り、そして次世代グラフィックスカードの発売前にメーカーが在庫を整理しようとしたことです。
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3DCenterによると、NVIDIA GeForce RTX 3000シリーズのグラフィックカードが希望小売価格より-9%、AMD Radeon RX 6000シリーズのグラフィックカードが希望小売価格より-14%で販売されているようです。
以下はその内訳です。
AMD Radeon & NVIDIA GeForceグラフィックスカードの価格動向(ソース:3DCenter):
米希望小売 価格 vs 実勢 価格 |
RX 6000 | 前回からの 差異 |
NVIDIA GeForce RTX 3000シリーズ |
前回からの 差異 |
相対的 パフォーマンス |
前回からの 差異 |
2021/12/12 | +83% | N/A | +87% | N/A | 106% | N/A |
2022/01/02 | +78% | –5PP | +85% | –2PP | 100% | –6PP |
2022/01/23 | +63% | –15PP | +77% | –8PP | 88% | –12PP |
2022/02/13 | +45% | –18PP | +57% | -20PP | 67% | –21PP |
2022/03/06 | +35% | -10PP | +42% | –15PP | 56% | –11PP |
2022/03/27 | +25% | -10PP | +26% | –16PP | 39% | –17PP |
2022/04/17 | +12% | –13PP | +17% | –9PP | 28% | –11PP |
2022/05/08 | +7% | –5PP | +13% | –4PP | 23% | –5PP |
2022/05/29 | +2% | –5PP | +6% | –7PP | 17% | –6PP |
2022/06/19 | -8% | -10PP | 2% | –4PP | 5% | –12PP |
2022/07/10 | –12% | –4PP | -3% | –5PP | 1% | –4PP |
2022/07/31 | –14% | –2PP | –9% | –6PP | -2% | –3PP |
AMD Radeon RX 6000シリーズ グラフィックカードの価格(RDNA 2 GPU)3DCenterより:
AMD Radeon RX 6000シリーズグラフィックスカードは、最も大きな値下がりを見せています。
最上位のRadeon RX 6900 XTラインアップは、現在、希望小売価格より-20%以上低く、エントリーレベルのRX 6600およびRX 6500/6400シリーズは、希望小売価格より-10~-25%となっている。
RX 6800は、希望小売価格より2%高い価格設定となっている唯一のバリエーションです。
希望小売価格 | Geizhals 価格 | 最低価格 | 差異 | 前回からの差異 | 入手性 | |
Radeon RX 6950 XT |
$1099 | 1143-1300€ | 999€より (case king) |
–22%より | –15PP | ★★★☆☆ |
Radeon RX 6900 XT |
$999 | 885-1100€ | 885€より (Mindfactory) |
–24%より | –4PP | ★★★★☆ |
Radeon RX 6800 XT |
$649 | 749-900€ | 749€より (Mindfactory) |
-1%より | –2PP | ★★★★☆ |
Radeon RX 6800 |
$579 | 659-900€ | 659€より (Mindfactory) |
+2%から | –2PP | ★★★☆☆ |
Radeon RX 6750 XT |
$549 | 559-700€ | 559€より (Mindfactory) |
–13%より | –3PP | ★★★★☆ |
Radeon RX 6700 XT |
$479 | 469-550€ | 469€より (Mindfactory) |
–16%より | –7PP | ★★★★★ |
Radeon RX 6650 XT |
$399 | 399-470€ | 399€より (Mindfactory) |
–14%より | –2PP | ★★★★☆ |
Radeon RX 6600 XT |
$379 | 379-500€ | 379€より (Hardwarecamp24) |
–14%より | -1PP | ★★★★☆ |
Radeon RX 6600 |
$329 | 289-350€ | 289€より (Mindfactory) |
–25%より | –2PP | ★★★★☆ |
Radeon RX 6500 XT |
$199 | 189-230€ | 189€より (case king) |
–18%より | +9PP | ★★★★☆ |
Radeon RX 6400 |
$159 | 166-200€ | 166€より (Amazon) |
+10%より | +4PP | ★★★☆☆ |
NVIDIA GeForce RTX 30シリーズ グラフィックカードの価格(アンペアGPU)3DCenterより:
NVIDIAカードでは、GeForce RTX 30シリーズのトップラインアップは、希望小売価格より-25~-40%で販売されており、その他のラインアップは希望小売価格とほぼ同じか10%以内で販売されています。
最も値下がりしたカードはRTX 3090 Tiで、現在、希望小売価格の-40%以下で販売されています。
希望小売価格 | Geizhals 価格 | 最低価格 (店舗名) |
差異 | 前回から の差異 |
入手性 | |
GeForce RTX 3090 Ti |
$1999 | 1398-1800€ | 1398€より (Mindfactory) |
-40%より | –21PP | ★★★★☆ |
GeForce RTX 3090 |
$1499 | 1299-1400€ | 1299€より (ESD direct) |
–26%より | –14PP | ★★★★★ |
GeForce RTX 3080 Ti |
$1199 | 1049-1200€ | 1049€より (case king) |
–25%より | –3PP | ★★★★★ |
GeForce RTX 3080 12GB |
($849) | 849-1000€ | €849より (notebooks cheaper) |
–14%より | –8PP | ★★★★★ |
GeForce RTX 3080 10GB |
$699 | 829-950€ | 829€より (Mindfactory) |
+2%より | –2PP | ★★★★★ |
GeForce RTX 3070 Ti |
$599 | 679-800€ | 679€より (Mindfactory) |
+3%より | –3PP | ★★★★★ |
GeForce RTX 3070 |
$499 | 589-670€ | 589€より (Mindfactory) |
+1%より | –2PP | ★★★★★ |
GeForce RTX 3060 Ti |
$399 | 489-580€ | 489€より (ESD direct) |
+5%より | –2PP | ★★★★★ |
GeForce RTX 3060 |
$329 | 395-480€ | 395€より (Mindfactory) |
+3%より | -1PP | ★★★★★ |
GeForce RTX 3050 |
$249 | 319-380€ | €319より (notebooks cheaper) |
+10%より | ±0 | ★★★★★ |
https://twitter.com/TechEpiphany/status/1553748929577209856?ref_src=twsrc%5Etfw
TechEpiphany(Mindfactoryより)が発表した最新のGPU市場統計では、NVIDIA GPUが売上の60%を占め、AMD GPUは39%となっています。
NVIDIAのGeForce RTX 3000とAMD Radeon RX 6000シリーズグラフィックスカードの価格下落傾向はここで止まらないだろうし、次世代カードの発売が近づいているため、すぐにさらなる値下げが行われると予想される。
解説:
GPUの価格が下がり続けています。
既に大半のモデルは希望小売価格以下で販売されている状況です。
前から解説していますが、工場のリードタイムの関係で需要が減退したら即生産数を落とせるわけではないので、その需給ギャップから在庫が膨らみ、これが流通の価格下落の圧力になっているという状況でしょう。
一時期は希望小売価格以上の価格で店頭の棚に並ぶ前にかっさらっていくという状況だったわけですが、マイニング需要が崩壊し、次期GPUの発売が迫ると在庫が溜まって価格がどんどん下がっていくという状況になっています。
RTX3090TiもnVidiaのFE版の価格は328,000円ですが、日本のamazonで売られている最安値は229,800円とびっくりするくらい価格が下がっています。
一時期はnVidiaのHPに掲載されているFE版の価格付近では全く購入できなかったGPUですが、今は希望小売価格以下は当たり前になっています。
売れ線のRTX3060 12GBもGAINWARDなど日本であまり知名度のないメーカーの製品は53000円台で販売されています。
ただ、次世代GPUが発売間近のこの時期に、この価格でお得感があるか無いかで言えば全くなく、まさに遅きに失した感はあります。
Ampere世代はゲーマーには厳しかった世代として記憶されるのではないでしょうか。
レイトレーシングもDLSSもほとんど普及には貢献できなかった世代ともいえるのではないでしょうか。
マイニングではレイトレーシングもDLSSも使われていないわけですが、使用されない用途向けに大量に販売し、本来使われるべき用途に向けては使われなかったというのは皮肉としか言いようがありません。
一体nVidiaは何のためにレイトレーシングやDLSSを作ったのか?いぶかしく思います。
RTX4000も同グレードで旧モデルと比較すると価格は高くなると言われています。
それでもRTX4000シリーズは発売から時間が経てば経つほど価格が落ちていくと思いますので、どれくらい普及するかですね。
アップスケーラーにはFSR、DLSS、XeSSと3種類ありますが、今のところオープンソースで他社製品、旧製品にも対応しているFSRが一番有利な位置にあるのかなと思います。
FSRはARMでも使われ始めています。
当然のことながら、IntelのAlchemistにも対応させることは可能でしょう。
Radeonも価格はかなり落ちています。
こちらは元々Geforceより人気がありませんので、価格下落傾向は早かったですが、表を見ると最近は特にひどいですね。