NVIDIAが空間アップスケーラーをオープンソース化、AMD FSRに対抗か
NVIDIA NISがオープンソース化する。
本日発表されたDLSS 2.3やICATなどの発表は、NVIDIAからのニュースだけではありません。
何年も前からドライバに搭載されていたImage Scaling技術もオープンソース化されます。
この技術は、以前からドライバに搭載されていましたが、本日、より使いやすくなっています。
NISは現在、すべてのゲーム、そしておそらく市場にあるすべてのGPUで動作します。
これは明らかに、AMD FidelityFX 超解像技術がすべての開発者に公開され、比較的容易に実装できるようになったおかげで、広く利用できるようになったAMD FidelityFX 超解像技術への直接的な反応です。
NVIDIAは、NISがGeForce ExperienceまたはControl Panelのいずれかを通じて利用できることを確認しています。
前者では、オーバーレイを通じてゲームごとのシャープネスの調整も可能です。
11月16日にリリースされた最新のGame Ready Driverでは、既存のNVIDIA Image Scaling機能がアップデートされており、クラス最高の空間スケーリングおよびシャープネス・アルゴリズムにより、すべてのゲームおよびGeForce GPUのパフォーマンスを向上させます。
NVIDIA Image Scalingは、NVIDIA Control PanelとGeForce Experienceの両方からアクセス可能で、NVIDIAのゲーム内オーバーレイから調整可能なゲームごとのシャープネス設定が含まれています。
NVIDIAは、クラス最高の空間スケーリングとシャープネスを実現し、すべてのGPUでクロスプラットフォームに対応するNVIDIA Image Scalingアルゴリズムを、オープンソースSDKとしてリリースします。
このSDKは、すべての開発者がゲームに統合できるよう、11月16日にGitHubで公開されます。
NVIDIAは、Native、FSR、NIS、DLSSのパフォーマンスを比較したスライドを公開しました。
Necromunda Hired Gunでは以下のようになっています。
NVIDIA Image Scalingは、最新のGeForce Game Readyドライバで本日公開されます。
NVIDIAは、NISのコードを本日Githubで公開することを約束します。
ソース:Videocardz.com – NVIDIA Image Scaling goes open source, NIS now available to all games
解説:
「冷静」ではない、いつものnVidia
nVidiaがnVidiaコントロールパネルやFSRで使われている画像補正アルゴリズムであるLanczosを使ったNISをオープンソースで公開しました。
NISはFSRとほぼ同じものであると思います。
これは、「FSRとDLSSは明確に違う」と言うことを主張したかったのだと思いますし、実際にそうなのですが、あまり冷静なやり方ではないと私は思います。
nVidiaは「FSRとDLSSは明確に違う」と主張しても細かい違いがよくわからないエンドユーザーにとっては似た機能を提供する以上同じものとして扱いますし、実際に各レビューサイトなどでもそう言う扱いになっています。
彼らはエンドユーザーの情報源で、エンドユーザーの期待に応えるのが仕事ですので当然と言えば当然です。
それにいらだったのか、Lanczosを使ったアップスケーラーであるNISをオープンソース公開しました。
これはとても感情的な行動のように感じます。
わざわざnVidiaもAMDと同じものを無料で公開する必要性は全くないと思うからです。
AMDの目的はnVidiaが目指す独占を崩す事であり、FSRを普及させることではありません。
FSRを普及させることがイコールになっているからこそ普及させていましたが、Radeonでも使えるアップスケーラーがあるならば、別にFSRでなくてもよいと思っているのではないかと思いますし、だからこそFSRをオープンソースとして公開したのではないかと思います。
NISが普及してもDLSSがFSRに普及の面で勝つとは限りませんし、あまり論理的な行動ではないように感じます。
FSRがここまでクローズアップされるのはXboxとPS5と言う二大ゲーム機に搭載されている都合もあるのかなと思います。
後にはXeSSも控えていますし、今年から、来年にかけてはnVidiaとDLSSにとってかなりの厄年になりそうです。