NVIDIAは、新しいOrin SOCを搭載したAGX OrinおよびJetson AGX Orinプラットフォームを発表しました。この新しいOrin搭載プラットフォームは、2022年初頭に出荷される予定で、ロボット工学や開発エコシステムのための強力なプラットフォームを提供します。
NVIDIAのOrin SOCがAGXおよびJetson AGXプラットフォームに登場、12個のARMコアとAmpere GPUを備えたOrin SOCを搭載
Orin SOCは、2019年にDrive AGXプラットフォーム向けに発表されたものだが、今回、AGX & Jetson AGX開発キットという形で、より多くの人に提供されることになった。
SOC名 | Tegra X1 | Parker | Xavier | Orin | Atlan |
製造プロセス | 20nm TSMC |
16nm TSMC |
12nm TSMC |
8nm Samsung |
5nm TSMC? |
SOC トランジスタ数 |
2 Billion (Tegra X1) |
N/A | 7 Billion (Xavier) |
17 Billion (Orin) |
未確認 |
GPU アーキテクチャー |
Maxwell (256 Core) |
Pascal (256 Core) |
Volta (512 Core) |
Ampere (2048) |
Ada Lovelace? |
CPU | 8 Core ARM CPU |
12 Core ARM CPU |
8 Core ARM CPU |
12 Core ARM CPU |
Grace Next CPU Cores |
CPU アーキテクチャー |
4x Cortex A57 4x Cortex A53 |
4x Denver A53 8x Cortex A57 |
Carmel ARM64 8 Core CPU (8 MB L2 + 4 MB L3) | ARM Herclues Cores (A72AE) | Next-Gen Neoverse |
システム メモリー |
LPDDR4 | 8 GB LPDDR4 (50+ GB/s) | 16 GB 256-bit LPDDR4 | LPDDR4x | LPDDR5x |
シングルチップのOrin SOCは、170億個のトランジスタを搭載し、NVIDIAのXavier SOCの約7倍の性能を実現することで、1チップで200TOPsの性能を目指しています。
また、12個のARM Cortex-A78AEコアとAmpere GPUアーキテクチャーを搭載しています。
本日発表された2つのプラットフォームのうち、まずはAGX ORINプラットフォームの詳細をご紹介します。
AGX Orinは、Computational Sensing Instrumentプラットフォームとして設計されており、Orin SOCとともにNVIDIA ConnectX-7プラットフォームを搭載しています。
また、最大でRTX A6000グラフィックスカードを搭載することができ、パフォーマンスのスループットを向上させることができます。
“NVIDIAのエンベデッド&エッジ・コンピューティング担当副社長兼ゼネラルマネージャーのディープ・タラ氏は、「ロボティクスとエンベデッド・コンピューティングが製造業、ヘルスケア、小売業、輸送、スマートシティ、その他の経済の重要なセクターを変革するにつれ、処理に対する需要は急増し続けています」と述べています。
“Jetson AGX Orinはこのニーズに対応しており、85万人のJetson開発者とその上で商用製品を構築している6,000社以上の企業が、かつては不可能と思われていた自律型マシンやエッジAIアプリケーションを作成・展開できるようになります。”
NVIDIAより
NVIDIA Jetson AGX Orinの開発キットは、6倍の処理能力を持ち、前モデルであるJetson AGX Xavierとのフォームファクターおよびピンの互換性を維持しています。
毎秒254兆回の演算を実現し、GPUを搭載したサーバーに匹敵する性能を、手のひらに収まるサイズで実現しています。
リアルタイム・センシング医療機器・デバイスのためのコンピューティング・プラットフォーム
NVIDIA AGX Orinは、ヘルスケア業界向けの新しいコンピューティングプラットフォームであるNVIDIA Clara Holoscanをサポートしています。
この処理能力は、ロボット手術、内視鏡検査、画像診断システムなどのデバイスで、物理学、イメージング、ビジュアライゼーションを処理し、医師のためのリアルタイムAIによる意思決定支援を可能にするために必要です。
Clara Holoscanは、デバイス上で低レイテンシーのストリーミングアプリケーションを実行しながら、より複雑なタスクをデータセンターに渡すAIマイクロサービスを作成するための柔軟なプラットフォームを開発者に提供します。
NVIDIA DRIVE Orinで構築された交通機関の新時代
Jetson AGX Orinと同じくNVIDIA Ampereアーキテクチャを採用したDRIVE AGX Orinは、交通業界で選ばれているプラットフォームです。
これは、新たに発表されたNVIDIA DRIVE ConciergeとDRIVE Chauffeurを支える高度なプロセッサであり、それぞれ、AIアシスタントを通じて車内での乗客の体験を再定義することと、安全な自律走行を実現することに特化した2つのAIプラットフォームです。
「NVIDIA DRIVE Concierge」と「DRIVE Chauffeur」は、AIアシスタントによる車内での乗客体験の再定義と、安全な自律走行を実現するAIプラットフォームです。
Jetson AGX Orinの発売時期
NVIDIA Jetson AGX Orinモジュールおよび開発キットは、2022年第1四半期に発売予定です。
解説:
遂にnVidia Drive AGX Orinが公式アナウンス
Switchの時期モデルに搭載するのではないかと見られているOrinが公式にアナウンスされました。
Ampere 2048 CUDA Core、12 ARM Herclues Coreと実に3世代前のTegraX1と比較すると物凄いスペックですが、実際のところ、Orinの最高性能モデルの最大消費電力はは45Wとなっておりこれがこのまま使われる可能性はかなり低いと思います。
Orinのラインナップの中には5W版もあり、どちらかと言うと、使われるとすればそちらの方が近いスペックになるのではないかと思います。
Switch Proが4Kに対応するのであれば、DLSSが必須であり、Tensorコアも必須となります。
XavierかOrinどちらかを大きくカスタマイズすることになるのはほぼ確実だと思います。
XavierよりOrinをカスタマイズしてほしいところではありますが、残念ながら、任天堂もnVidiaもコスト重視の企業であり、逆ザヤになるような仕様にはならない可能性が高いと思います。
Switchはタブレット型のゲーム機であり、ディスプレイと言う据え置き型のゲーム機にはない価格上昇要因があります。
CPUやGPUにコストの全力を注ぐことが難しいということです。
それを考えるとXavierになる可能性もあるのかなと言うのが私の予想です。
また、TSMCの12nmプロセスは既に枯れ切った製造プロセスであり、コストを圧縮するにはうってつけでもあります。
さらに来年同じく12nmのRTX2060を復活させるという話もあって、その点もチラチラと脳裏にチラつくところです。
nVidiaはアメリカでShieldとと言う商業的には大失敗したゲーム機を発売していましたが、既に新機種は出ていません。
TegraX1以降、ゲーム機に向けたSoCは製造しておらず、総てが機械学習向けのSoCとなっています。
TegraX1もほとんどの機能を使っていないと言われており、世界的に異例の大ヒットとなったSwitchの後継機と言うことであれば、専用にカスタマイズしたSoCを製造してもおかしくないと私は思います。