AMDが16コアのRaphael-Hチップを発売するとの噂、Alder Lake-Sモバイルへの対抗策か?
Zen3アーキテクチャを採用したAMD Rembrandtシリーズの発売から約3ヶ月が経過し、その後継機種の詳細が明らかになってきました。
Zen4を採用したRaphaelとPhoenixです。
デスクトップ向けのAMD Raphael、ソース:AMD
以前、機密情報を共有していた@NNNiceMingによると、AMDは16コアのZen4ラップトッププロセッサを発表するかもしれないとのことです。
この噂は、@greymon55によって、このシリーズがRaphael-Hというコードネームで呼ばれるのではないかと言われており、来年のラップトッププロセッサーシリーズに何が起こるのかを示唆しています。
16コアのAMD製ノートPC用CPUが存在するとの主張、ソース:ツイッター
AMD Raphaelは、Zen4マイクロアーキテクチャーを採用したコアを搭載した次世代デスクトップ・シリコンです。
デスクトップ向けのコア数はまだ確認されていませんが、モバイル向けのコア数は判明しつつあるようです。
このシリーズは、コードネーム「Phoenix(フェニックス)」と呼ばれるAPUシリーズと一緒に提供される予定で、エントリーレベルからハイエンドまでのノートPCデザインに位置付けられています。
この噂によると、AMDはPhoenixよりもさらに高性能なRaphael-Hと呼ばれる製品で、エンスージアスト向けのモバイル分野に参入しようとしているのかもしれません。
しかし、この噂を解き明かす前に、Raphaelが統合型グラフィックス(RDNA2)を搭載した初の「デスクトップ」ハイエンドCPUになることなど、いくつか考慮すべき点があります。
当初は、iGPUを標準搭載しているIntel Coreシリーズに対するAMDの対抗策と考えられていましたが、95W以上のセグメントに統合型GPUを導入することには、まったく別の背景があるのかもしれません。
AMDは、デスクトップ用CPUをモバイル市場で再利用し、ノートPC向けにエンスージアスト向けの性能を提供したいと考えているのかもしれません。
これは、昨年「Alder Lake-S(H55)」という新しい性能セグメントとしてリークされた、TDP45~55Wの16コアチップ「Alder Lake-Sモバイル」を計画しているIntelの計画に直接対応したものかもしれません。
インテル Alder Lake-M、Alder Lake-P、Alder Lake-S モバイル Sシリーズ、ソース:インテル
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実は、AMDがRaphaelチップをモバイル分野に採用する可能性は、まったくの新規ニュースではありません。
約1.5年前、Gamers Nexusは、TDPが35~65Wの次世代ゲーミングノートPC「Rapahel」シリーズの初期情報を公開している。
AMD Raphael-H モバイル、ソース:ゲーマーズ・ネクサス
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なお、Raphaelシリコンは、Ryzen 7000HシリーズのノートPC向けにPhoenixとセットで提供される予定です。
コアの構成などの詳細は不明ですが、RDNA2グラフィックスを搭載し、DDR5メモリをサポートすることが分かっています。
このシリーズは、Intel Raptor Lake Mobileに対抗するもので、Alder Lake Mobileの1年後である2022年末から2023年初めまでには登場しないと思われます。
噂されるAMD Ryzen CPUロードマップ
7nm Zen3 | 6nm Zen3+ | 5nm Zen4 | |
65W+ | VERMEER AM4 DDR4, PCIe 4.0 |
WARHOL/ VERMEER X3D AM4 DDR4, PCIe 4.0 |
RAPHAEL AM5 & ?? DDR5, PCIe ?.0 |
45-64W | – | – | |
>45W | CEZANNE → BARCELO FP6 DDR4, PCIe 3.0 |
REMBRANDT FP7 DDR5, PCIe 4.0 |
PHOENIX FP8 DDR5, PCIe ?.0 |
ソース:Videocradz.com – AMD Ryzen 7000 mobile series might include 16-core Zen4 “Raphael-H” chips
解説:
AMDは今後はサーバーとモバイル向けに力を入れていくと宣言したわけですが、それを裏付けるようにZen4のモバイル向け16コアCPUが用意されているという噂が飛び込んできました。
通常のAPUももちろん用意されていますが、さらに高性能なRaphael-Hと呼ばれる45W枠のAPUが用意されているようです。
元々Zen4からはGPU内蔵になり、モバイル向けのAPUとほとんど機能的な違いが無くなってしまうのですが、従来と同じAPUはPhoenixと呼ばれるようです。
この二者の違いはモノリシックであるかないかだけの違いだと思います。
Raphael-HはMCMチップでデスクトップに使われる物をそのままモバイル向けに下ろしてきたものでしょう。
もちろんですが、PCI Expressのレーン数など、従来のAPUとCPUの違いはあると思います。
しかし、それはモバイル向けではあまり大きな差にはなりえません。
このRaphael-Hの話が突然出てきた背景にはやはり、Alder Lake世代でIntelが大きく性能を上げてきたことが関係しているのだと思います。
コメントで冗談めかして、AMDはまだ負けていないと言いましたが、実際にまだ負けていないようですね。
すなくともAMDはやる気満々であるように見えます。