天の川銀河の3Dモデル作成に特化した分散型コンピューティングプラットフォーム「MilkyWay@Home」内で、Zen 3コアアーキテクチャを採用したAMDのワークステーション用CPU「Ryzen Threadripper PRO 5000」が発見されました。
AMD Ryzen Threadripper PRO 5995WX & 5945WX ワークステーション用Zen 3「Chagall」CPUが発見される、最大64コアに対応
今回流出した2つのチップは、ワークステーション「WX」シリーズのラインナップのひとつで、Zen 3コアアーキテクチャを採用している。
モデルは、「AMD Ryzen Threadripper PRO 5995WX」と「Threadripper PRO 5945WX」です。
ウェブサイトには、コアクロック、L3キャッシュサイズ、TDPなどの主要な仕様は記載されておらず、データベースには既存のRyzen Threadripper / PRO 3000バリエーションのほとんどが含まれていないため、パフォーマンス指標も比較する価値はありません。
AMD Ryzen Threadripper PRO 5995WXは、Zen 3 HEDTのフラッグシップCPUになる予定です。
このチップは64コア、128スレッド、最大256MBのキャッシュを備えています。これはワークステーション用のSKUなので、128のPCIe Gen 4レーンと最大2TBのDDR4メモリのサポートが期待できます。
TDPは280W程度になると思われますが、これはギガバイトから最近リークされた文書にも記載されています。
次のモデルはAMD Ryzen Threadripper PRO 5945WXで、このバリアントはわずか12コアと24スレッドを備えています。
32コア以上のThreadripper HEDT CPUで採用されている8+1チップレットSKUではなく、4+1チップレットSKUを採用しています。
その他のスペックは、64MBのキャッシュ、280WのTDP、128本のPCIe Gen 4レーンなど、Threadripper PRO 3945WXと同様のものとなっています。
CPU名 | CPU コア数 |
CPU スレッド数 |
ベース クロック |
ブースト クロック |
L3 キャッシュ / PCIe レーン数 |
TDP | サポート メモリ |
価格 | 発表 |
AMD Ryzen Threadripper 5995WX |
64 | 128 | 不明 | 不明 | 256 MB / 128 PCIe Gen 4 |
280W | 8-Channel DDR4 (2 TB) |
不明 | 2021Q4 |
AMD Ryzen Threadripper 5975WX |
32 | 64 | 不明 | 不明 | 256 MB / 128 PCIe Gen 4 |
280W | 8-Channel DDR4 (2 TB) |
不明 | 2021Q4 |
AMD Ryzen Threadripper 5965WX |
24 | 48 | 不明 | 不明 | 256 MB / 128 PCIe Gen 4 |
280W | 8-Channel DDR4 (2 TB) |
不明 | 2021Q4 |
AMD Ryzen Threadripper 5955WX |
16 | 32 | 不明 | 不明 | 256 MB / 128 PCIe Gen 4 |
280W | 8-Channel DDR4 (2 TB) |
不明 | 2021Q4 |
AMD Ryzen Threadripper 5945WX |
12 | 24 | 不明 | 不明 | 256 MB / 128 PCIe Gen 4 |
280W | 8-Channel DDR4 (2 TB) |
不明 | 2021Q4 |
パフォーマンスについては、AMD Ryzen Threadripper PRO 5945WXのスコアが5.56GFLOPs/coreであるのに対し、Threadripper 3970Xのスコアは5.39GFLOPs/coreとなっています。
Zen 3という全く新しいコアアーキテクチャーを採用しているため、コア当たりのパフォーマンスが最も大きく向上しているようです。
また、より高いクロックスピード、より高い周波数のメモリーサポート、そして全体的に最適化されたマルチスレッド設計により、既存のThreadripper「Zen 2」ラインナップよりも性能が大幅に向上していることが期待されます。
AMDは今年後半の11月に標準的なHEDT SKUを発表する予定ですが、Threadripper PROラインアップが最近DIYセグメントに参入したことを考えると、ワークステーションパーツは結局2022年前半にずれ込むかもしれません。
解説:
64コア128スレッドと12コア24スレッドのChagallが発見される。
こちらはワークステーション用のThreadripperで合計システム価格が通常のThreadripperに輪をかけて高いですが、個人的にはゲーム用として12コアか16コアのThreadripperを通常のTRX40用にも出して欲しいかなと思います。
280WのTDP一杯を使ったZen3コアのハイクロックのパワーを見せてほしいかなと思います。
ゲーミングワークステーションなどと言うものが存在し得るものなのかどうかは分かりませんが、そう言う夢があってもよいのではないかと思います。
折角高いプラットフォームなのですから、そう言った選択の自由があってもよいのではないかと思います。
ドイツのMindfactoryの調査ではHEDTの売り上げは全体の約5%ほどになっています。
あまり大きい市場ではありませんから、これ以上細分化しても仕方ないのかもしれませんが・・・。