昨日はGPUの統計についてお話ししましたが、そろそろCPUに話を移しましょう。
AMD RyzenがIntelのCoreラインアップに対して圧倒的な強さを維持しています。いつものようにRedditのIngeborがまとめたMindFactoryの最新の数字を見てみましょう。
AMD RyzenデスクトップCPUは入手性が向上してIntel Core CPUをリードし続けており、主要小売店ではZen 3が現在最も売れている。
ドイツ最大のハイテク小売業者であるMindFactoryが発表したCPUの数字を見ると、AMD Ryzen CPUが引き続きIntel Core CPUを上回っていることがわかります。
全体の販売数はここ数ヶ月で大きく減少していますが、AMD製CPUは6月と7月の間に1万個以上のCPU販売数を維持しています。
一方、インテルは、それぞれの期間中の販売台数が5,000台を下回りましたが、先月に比べて販売台数は確実に増加しています。
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これにより、ブルーチームは1年以上ぶりに最高の月間販売シェアを獲得しました(AMD – 76% / Intel 24%)。
そういった意味では、AMD Ryzen 5 5600X、Ryzen 7 5800X、Ryzen 9 5900Xの各CPUには大きな需要があるようです。
AMD Ryzen 5 5600Xだけで、インテルの全Coreラインアップと同じ量を販売したのは、実に素晴らしいことです。
売り上げの割合も同様で、AMDが80%以上のシェアを維持しているのに対し、インテルはわずかに20%にとどまっています。
7月の売上高は、AMD Ryzen CPUが400万ユーロ弱であるのに対し、Intel Core CPUは100万ユーロ弱でした。
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平均販売価格を見ると、CPUの価格は現在非常に安定しており、AMDプロセッサはZen 3製品の入手が容易になったおかげで大幅に下落していることがわかります。
インテルの第10世代と第9世代のCPUも全体的に価格が下がっており、在庫があるうちに古いCPUを購入する人が増えています。
AMD Ryzen 5 5600Xは、引き続き最も売れている製品ですが、これには理由があります。
この製品の価格は、いくつかの小売店で279米ドル(対299米ドル)と希望小売価格を下回っており、新規にPCを構築する方にとっては素晴らしい価格となっています。
また、Ryzen 7 5800XとRyzen 9 5900Xも販売チャートを独占していますが、Ryzen 5 3600X、Ryzen 7 3700X、Ryzen 9 3900Xも、希望小売価格よりも低い価格のため、他の販売店での販売が好調です。
青チームではインテルのCore i7-11700Kがリードし、続いてi9-11900Kがリードしているようです。
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MindFactoryでは、Ingeborが新たにIntelとAMDのCPUの6年間の見通しを発表しました。
2021年からは、AMDのチップの平均販売価格が高くなり、AMDはもはや格安のソリューションではなくなっていることがわかります。
真新しいZen 3コアアーキテクチャは7nmプロセスノードをベースにしており、最先端のプロセスノードにチップを搭載することはコストの上昇を意味します。
しかし、これらのチップに対する需要は、人々がより高いパフォーマンスのために追加料金を支払うことを望んでいることを示しています。
このことは、AMDが来年後半に予定されている5nmのZen 4のようなより最先端のノードに移行していく中で、次の世代のエンスージアストセグメントで価格を押し上げることを促すかもしれません。
MindFactoryは一小売業者に過ぎませんが、Intel CoreプロセッサよりもAMD Ryzen CPUの人気が高まっていることは、業界全体で目撃されていることだと申し上げておきます。
AMD Ryzen CPUは、Steamハードウェア調査で30%の市場シェアを獲得し、x86デスクトップ市場全体のシェアは20%にまで上昇しています。
2021年上半期の数字はまだ出ていないが、2020年に同社が達成した数字をはるかに上回ることは間違いないだろう。
メインストリームはRyzenだけではなく、ThreadripperやThreadripper ProなどのHEDTプラットフォームでさえ、競合チップを抑えてワークステーションのシェアを獲得しており、AMDにとってはまったく新しい分野での勝利となりました。
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Newegg、Amazon、BestBuyなどの米国の小売店を見てみると、ベストセラーのスポットはすべてRyzen 5000またはRyzen 3000のCPUで埋め尽くされており、Intel CoreのCPUは1つだけ、またはまったく掲載されていません。
AMDがRyzen CPUのラインナップでこれほど短期間に成し遂げたことには、ただただ驚かされます。
解説:
ドイツの小売業者MindFactoryの売り上げ集計が久しぶりに登場
誤解のないようにお断りさせていただきますが、MindFactoryは日本で言えばドス〇ラやツ〇モなどと同様のPCパーツ専門店になります。
家電専門店のような店ではありませんので注意してください。
自作市場ではRocket Lakeが販売され、PCIe Gen4に対応し、シングルスレッド性能ではIntleが首位を奪還しましたが、やはり、シングルスレッド・マルチスレッドとバランスの良いZen3が依然として人気のようです。
直近1年間だと、85%前後のかなり高い割合を誇っており、既にMincFactoryの主力製品はIntelではなくAMDプラットフォームになっています。
海外だと5600Xが定価以下で販売されており、それも売り上げにかなり貢献していることがわかります。
最近日本でもZen3モデルが漸く定価で販売されるようになってきました。
売上の上位を占めるモデルはほとんどAMDでInelは11700Kが何とか上位に食い込んでいる程度です。
これを見ると、市場では上位モデルをAMDが占め、下位のモデルをIntelが占めているというグレードわけになっており、シングルスレッド性能を挽回したものの、コア数で圧倒的に負けている11900Kや旧ハイエンドである10900Kは人気が無いことが見て取れます。
続いて2015年から今年までの6年間の売上推移をみると、初代RyzenとZen2コア、Zen3コアの発売時でグラフが大きくスパイクしており、intelはCoffeeLakeの発売で一時シェアを奪還したものの、それ以降は徐々に売り上げを落とし、完全に逆転されてしまっていることがわかります。
現在では既にRyzen=Intelの上位モデルと言う位置づけが確定していることがわかります。
Alderlakeでシェアを奪還できるか?
もうすぐDDR5に対応したAlderLakeが発売されますが、シェアは奪還できるのでしょうか?
日本ではともかく、海外ではどうなのかなと私は思います。
AMD、Intelともにソケットが変更になりますので、ここで一端またリセットされます。
そこから両社がどの程度魅力的な製品を出してくるのかが勝敗を分けるポイントになるでしょう。
IntelはBigコアが8コア16スレッドであとはSmallコアをどんどん増やしていくという戦略を取っています。
これは完全にコア数/スレッド数のマーケティング対策だと思われます。
ArrowLakeでは40コア48スレッド迄行くという話ですから、相当なものです。
Smallコアの性能がイマイチだったとしても数は力ですから、油断が出来ない性能になるでしょう。
対するAMDの戦略はZen5で.big.Littleフィロソフィを取り入れるということしかわかっておりませんので、何とも言えないところです。
AMDはLittleコアからbigコアへタスクを受け渡すことが出来るようですので、そうした考え方の違いが売り上げを左右するかもしれません。
いずれにしてもDDR4時代はAMDが完全に勝利したと言ってよいでしょう。