AMD FSR on Polaris 10
AMDは、Polaris 10ベースのRadeon RX 400カードもFSRをサポートすることを明確にする短い声明を発表しました。
スコット・ハーケルマンは、Computex Keynoteにおいて、Radeonの待望のテクノロジーであるFidelityFX Super Resolution(FSR)が、Radeon RX 6000、RX 5000、RX 500、RX Vegaグラフィックスでサポートされることを明らかにしました。
また、Vegaグラフィックスを搭載したAMD APUでもサポートされます。
結局のところ、RX 480/470はRX 500シリーズと同じPolaris GPUを使用しているため、なぜRadeon RX 400シリーズがこのリストから除外されているのか疑問に思っていました。
しかし、AMDはすぐにこの問題に関する最新情報を提供し、RX 400シリーズ(RX480およびRX470)は実際にFSRをサポートしています。
FidelityFX Super Resolution(FSR)に対応するAMD製グラフィックスのリストを更新し、Radeon RX 470およびRX 480を追加するというニュースをお伝えしたいと思います。
近日中にこの情報をウェブサイトに掲載する予定ですが、皆様にお知らせしたいと思いました。
22日に皆様にFSRをお試しいただけることを楽しみにしております。
– ミッキー・モラッド、AMDコミュニティ・マネージャー
ただし、RX 560/RX 550モデルにもFSRが対応するかどうかについては、この声明では確認されていません。
開発者がコードを入手できるようになれば、事態は面白くなるかもしれません。
この技術は、DirectX 12/11およびVulkanに対応したすべてのGPUでサポートされる予定です。これには、最新のインテル製統合グラフィックスやNVIDIA製のエントリーレベルのGPUも含まれます。
AMD FSRに関する議論は現在も続いています。編集者の中には、FSRがここ数カ月の間に発生した誇大広告に応えられないのではないかと懸念する人もいます。
公式のビデオや画像では、FSRを有効にすると目に見えて画質が低下することが示されていますが、各ゲームエンジン、各GPUアーキテクチャ、そしてRadeon Image SharpeningのようなAMD独自の画像改善技術との組み合わせにおいて、FSRがどのように機能するのかはわかりません。
AMDは最近、Epicと提携して、Unreal Engine 5のTemporal Super ResolutionにGPUを最適化しました。
これまでのところ、静止画像では素晴らしい結果を示していますが、動きがあると品質が低下します。
FSRは、NVIDIA DLSS 2.0とは異なり、モーションベクターを使用しません。
FSRもTSRも、ニューラルネットワークの学習によって強化されたアルゴリズムを使用していません。
しかし、動きに合わせて解像度を動的に調整する「Radeon Boost」や、サファイアの「Trixx Boost」のように、基本的にカスタムの解像度を作成し、オプションでAMDのシャープネスフィルターで画像を改善する技術もあります。
確かなことは、レビュアーがこれらの技術をすべてのサポートされたGPUで比較するのは大変な作業だということです。
解像度アップスケーリングによる性能向上技術
Deep Learning Super Sampling (DLSS) |
FidelityFX Super Resolution (FSR) |
Temporal Super Resolution (TSR) |
Radeon Boost | TriXX Boost | |
開発元 | NVIDIA | AMD | Epic Games | AMD | Sapphire |
アップ スケーリング方法 |
ニューラル ネットワーク、 低解像度画像、 モーションベクター |
空間アップ スケーリング 、モーション ベクターなし |
モーション ベクターを用いた 画像アップ スケーリング |
動的な 解像度 |
シャープネス フィルターによる カスタム解像度 |
実装方法 | ゲームごと | ゲームごと | アンリアル エンジン5 |
ゲームごと | カスタム解像度に 対応したゲーム |
バージョン | Released (2.0) | 公開告知済 | リリース済 (アーリー アクセス) |
リリース済 | リリース済 |
ライセンス 形態 |
Closed | Open (MIT license) |
Closed | Closed | Closed |
サポートGPU | Volta, Turing, Ampere | DX11, DX12, Vulkan | DX11, DX12, Vulkan, PS5 XSX, Metal (soon) |
GCN + RDNA | Sapphire製品 |
ソース:Videocardz.com – AMD FidelityFX Super Resolution also coming to Radeon RX 480 and RX 470
解説:
当初告知されていなかったRX480/470にもFSRが対応
RX580/570だけの対応で公式アナウンスの対応リストにはRX480/470の記載は無かったようですが、正式に対応を発表したようです。
元々、製造プロセスの完成度を徐々に高めていくGFでは製造時期によって性能が変わってくると言われていましたが、RX500とRX400シリーズもその例も漏れず、同じ製造プロセスであるにも関わらず、型番を変更しました。
両社の違いは動作周波数の変更ですが、RX500シリーズの方が相対的によく回るチップに仕上がっていたのだと思います。
中身がほとんど同じなので、RX500シリーズが対応するならば当然RX400シリーズにも対応しないとおかしいのですが、当初、RX400シリーズは対応リストに含まれていなかったようです。
こちらを後から対応と公式に発表したようです。
当初リストに入れなかった理由ですが、さすがに製品が古すぎて対応しなくてもよいと思ったのかもしれません。
思ったよりも寄せられる声が大きく、対応リストに入れたか、そのまま動いてしまったので問題ないと判断したのかどちらかでしょう。
性能が最大+200%されるので対応するかしないかで全くゲームの快適さが変わってきます。
RX400シリーズをお持ちの皆さんには朗報ですね。
あと数年は現役を続行できるかもしれません。
画質はやっぱり落ちる
FSRをオンにすると画質はやはり落ちるようです。
こちらは設定にもよるのでしょうがさすがに元の3倍になるパフォーマンス設定では見てわかるほど落ちるのではないかと思います。
DLSSはモーションベクターを用意して補正しますので、画質の劣化はそんなに大きくないのでしょうが、それでも初期のころはかなりボロクソに叩かれていました。
FSRに関しては、画質を取るか、快適さを取るかの選択になると思います。
こちらはDLSSのようにモーションベクターがありませんので、比較するとどうしても画質が劣化するのではないかと私は考えています。
欠点もありますが、やはりFSRは素晴らしい技術だと思います。
FSRに対応してくれれば、2世代くらい前のGPUならばしばらく現役を続行できるレベルになると思いますので、出来るだけ多くのゲームが対応してほしいところです。
AMDはRX400/500/Vega/RDNA1/2、nVidiaはGTX1000、GTX1600、RTX2000、RTX3000シリーズに対応しています。
AMDだけではなく、nvidia製のGPUでも使えますので、対応ゲームが増えてほしいですね。