コードネーム「Raphael」のAMD Ryzen CPUはZen4コアとNavi GPUを搭載へ
AMDのロードマップのパズルに欠けていたピースが明らかになった。
遡ること2020年8月、MebiuWと呼ばれるリーカーによって謎のロードマップが投稿された。
共有されたロードマップには、「Warhol」や「Dragon Crest」など、当時誰も聞いたことのない新しいコードネームが掲載されていました。
MebiuW氏は、他の情報源が既に共有されている内容を確認するまで、ロードマップの全てを明らかにする準備ができていなかったため、共有された写真には、ロードマップの全てが掲載されておらず、いくつかの部分が欠けていました。
最近、@sepeuwmjhが同じロードマップの別の部分を共有したようです。
どうやら、コードネーム「Raphael」と呼ばれるZen4製品シリーズが確認されたようです。
以前のロードマップでは、Raphaelと思われる「Ra」だけが掲載されていましたが、Zen4もNavi2 iGPUも確認されていませんでしたが、今回のロードマップでは確認されています。
Navi2については、将来のRyzenデスクトップシリーズが統合型グラフィックスを搭載することを示唆している。
これは、将来のRyzenプロセッサーの所有者は、もはやディスクリート・グラフィックスを使用する必要がないことを意味します。
これは、強力なGPUを必要としないITXフォームファクターの構築に新たな可能性をもたらします。
また、AMDがDIY市場向けの4700G/4750Gの発売に消極的な理由もここにあるかもしれません。最終的には、それらはGPUを内蔵した高性能なCPUに取って代わられるでしょう。
AMD Raphael,、ソース: @sepeuwmjh
欠けている部分は、古いロードマップにぴったりと収まっている(ピクセル単位で同じ大きさでさえある)。
したがって、このロードマップのソースは同じである可能性が高い。
つなぎ合わせたAMDのロードマップ、ソース:MebiuW, VideoCardz
ロードマップの全容が徐々に明らかになってきました。
Zen3の製造ノードについては、まだいくつかの疑問があります。7nmを改良したものなのか、それとも6nmの新しいノードなのか。
最近では、NVIDIA関連のリーク情報で知られる@kopite7kimi氏が、6nmのZen3+をフィーチャーしたロードマップの1つが正しいかもしれないと述べています。
Zen3+(非公式名)ベースのプロセッサは、今年の後半に発売されるはずです。
私たちは、次世代のThreadripperとRyzen 5000 Refresh(またはRyzen 6000)の両方がこの新しいノードを使用するのではないかといういくつかの噂を聞いています。そ
れが新しいThreadripperの遅れの理由かもしれません。
AMD Zen Roadmap
Zen2 | Zen3 | Zen3+ | Zen4 | |
サーバー | EPYC 7002 Rome7nm (Zen2) |
EPYC 7003 Milan7nm (Zen3) |
– | EPYC 7004 Genoa5nm (Zen4) |
HEDT | Threadripper 3000 Castle Peak7nm (Zen2) |
– | Next Threadripper Chagall6nm (Zen3+) |
不明 |
デスクトップ | Ryzen 3000 Matisse7nm (Zen2) |
Ryzen 5000 Vermeer7nm (Zen3) |
Ryzen 6000 Warhol6nm (Zen3+) |
Ryzen 7000 Raphael5nm (Zen4) |
モバイル | Ryzen 4000 Renoir7nm (Zen2) |
Ryzen 5000 Cezanne7nm (Zen3) |
Ryzen 6000 Rembrandt6nm (Zen3+) |
Ryzen 7000 Phoenix5nm (Zen4) |
より詳細なロードマップは、@Olrak29_さんがまとめたもので、MebiuWのオリジナルのロードマップをベースに、それ以降に他のソースから得られた情報を加えたものです。
AMD ロードマップ、ソース: @Olray29_
※ 画像をクリックすると別Window・タブで拡大します。
ソース:Videocradz.com – AMD Ryzen 7000 “Raphael” to feature 5nm Zen4 core and Navi2 graphics?
解説:
以前出回ったAMDロードマップの完全版がリーク
これによると、テスクトップではZen3+のWarholが確定、Zen4はRaphaelとなり、デスクトップ版のCPUにNavi2X系のGPUを搭載することが確定しています。
RDNA2の文字が緑色で、モバイル版はオレンジなので、何か役割が違っている可能性もあると思います。
対照的なのはThreadripperシリーズで、5000シリーズ以降の予定は書かれていません。
Warholは5nmではなく、6nmを使うことになるようです。
7nm+と6nmは集積度に差はなく、6nmは低コスト版と位置づけられています。
warholは価格が安くなってくれると嬉しいところです。
Zen4にGPU内蔵が意味するところは?
モノリシックではないZen4にGPUダイが追加されるということなのかもしれません。
IntelのCPUは一応すべてのモデルにGPUが内蔵されています。(有効/無効はあるにしても)
AMDのCPUも今後そのようになっていくということなのだと思います。
しかし、画像のRaphaelを見ると、GPU部分の色が変更になっていますので、何か違って役割を持っている可能性も0ではないのかなと思います。
AlderLakeのハイブリッドテクノロジーとZen4、Raphaelはどっちが優れているかですが、私はRaphaelの方が優れていると思います。
理由は何度も今まで書いてきた通り、デスクトップにハイブリッドテクノロジーは合わないと思うからです。
技術云々ではなく、センスが優れているという感じでしょうか。
intelはAppleシリコンの登場を目の当たりにしてちょっと冷静でないように感じます。
問題は登場時期
AMDはIntelに比べるとリソースが少ない会社です。
そのため、毎年GPUとCPUを更新し続けるのは結構大変なのではないかと思います。
Zen3は2020年Q4に登場しましたが、Zen3+は2021年のいつ頃になるのでしょうか?少なくともQ2ではないと思います。
では、いつ頃なのかですが、またQ4になるのではないかと思います。
つまり、AlderlakeとZen3+で一年間は戦うことになるのではないかと予想します。
Zen4は下手をするとRaptorLakeとマッチアップすることになります。
RaptorLakeは7nmが予定通りロンチできなかったことに対するバックアッププランだと思いますので、Alderlakeの改良版になる可能性が高いと私は思っています。
ですので、Zen4はAlderLake+αのシングルスレッド性能と戦うことになるということになります。
シングルスレッド性能の伸びは良くて10%程度だと思います。(恐らく、数%程度になると思います。)
intelもAMDも最先端プロセスを使った猛烈な性能競争の真っ最中です。
しかし、予定通りいかなかったことに対して、似たような時期にWarholとRaptorLakeと言う2つのバックアッププランが挟まれたのは「奇しくも」と言う表現がぴったりな状態だと思います。
2社とも限界を超えて予定通りにスケジュールが進まずに製品のロードマップに予定外の製品が入ってくるというのは、本当に持てる力をギリギリまで出し切っているという感じがします。
RaphaelとRaptorLakeがIntelとAMDの頂上決戦の場になるのではないかと思います。