Geekbench 5ベンチマークで、14コア20スレッドのIntel Alder LakeデスクトップCPUが発見されました。
このチップは、これまでに確認されたAlder Lakeラインナップの多くのエンジニアリングサンプルの1つであり、非常に初期のパフォーマンス結果も見ることができます。
Intel Alder Lake 14コア/20スレッド デスクトップCPUテスト、ベースクロック1.40GHzの初期ESチップ
今回テストしたIntel Alder Lake-S Desktop CPUは、間違いなく非常に初期のエンジニアリングサンプルだ。
スペックとしては、14コア、20スレッドを確認している。
このコアとスレッドの構成は、6+8 SKUによって可能となる。
6つの大きなコアはGolden Coveアーキテクチャをベースにした12スレッド、8つの小さなコアはGoldmontアーキテクチャをベースにした8スレッドとなっています。その他のスペックとしては、24MBのL3キャッシュを搭載しています。
このチップは、(詳細なCPUダイで報告されているように)10MBのL2キャッシュを搭載すべきで、今回報告されているような2MBではありません。
なお、ベースクロックは1.40GHz、ブーストクロックは27.2GHzとなっていますが、これはインテル社のAlder Lakeチップに対応するためにアップデートされていないGeekbenchソフトウェアの誤検出です。
このAlder Lake CPUは、Alder Lake-P RVPマザーボードに64GBのDDR5メモリーを搭載してテストされました。
これがリファレンスのAlder Lakeテストプラットフォームであることを考慮すると、DDR5メモリの速度はDDR5-4800に維持されているはずです。
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16コア、24スレッド、最大4.6GHzのクロックスピードを持つ、より高速なサンプルが存在することは分かっているが、それらについてのベンチマークはまだ見ていない。
Intelのハイブリッド・アーキテクチャー・アプローチがコンシューマ・デスクトップ・セグメントでどの程度の成果を上げているかを明確に示すような、より具体的なパフォーマンス結果を目にするには、2、3ヵ月待たなければならないだろう。
また、いくつかのメーカーがDDR5メモリモジュールをAlder Lakeプラットフォームで評価していますので、今後ますます多くのリーク情報が出てくるでしょう。
Intelの第12世代Alder LakeデスクトップCPUの現時点でわかっていることのすべて
Intelは公式スライドの中で、Alder Lakeを「Breakthrough CPU Architecture」と呼んでいます。
第12世代のプロセッサーは、シングルスレッドのパフォーマンスを20%向上させ、マルチスレッドのタスクでは2倍のパフォーマンスを実現するとしています。
IntelのAlder Lakeは、現在のTiger Lake CPUの製造に使用されている10nm SuperFinプロセスノードをさらに改良・最適化した、新しい10nm Enhanced SuperFinプロセスノードで製造される最初のCPUとなります。
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最近の噂では、Alder LakeのCPUはTiger Lakeに比べてIPCが20%向上すると言われているので、IntelはCypress Coveを搭載したRocket Lakeや古いHaswellベースの製品と比較するのではなく、Willow Coveを搭載したTiger Lakeのことを言っていると思われます。
以下は、Intelの2021年のアーキテクチャー・ラインアップから期待されるアップデートの一部です。
Intel Golden Cove (Core) ・アーキテクチャー。
- シングルスレッドパフォーマンス(IPC)の向上
- 人工知能(AI)性能の向上
- ネットワーク/5Gパフォーマンスの向上
- セキュリティ機能の強化
Intel Gracemont (Atom) (Atom)アーキテクチャー
- シングルスレッド性能(IPC)の向上
- 周波数(クロックスピード)の向上
- ベクトル性能の向上
IntelのデスクトップCPU「Alder Lake」のキャッシュサブシステムの正確な内訳は以下の通りです。
Golden Coveコア:
- 32KB(L1I)/コア
- 48KB (L1D) 各コア
- 1280 KB (L2) 各コア
- 3072 KB (L3) 各コア
Gracemont コア
- 64KB(L1I)/コア
- 32KB(L1D)×1コア
- 2048 KB (L2) x 4 コア
- 3072 KB (L3) x 4 コア
Intelは、スライドの中で、Willow Coveの後継であるGolden Coveコアと、次世代AtomアーキテクチャであるGracemontコアの両方を含むハイブリッドコアデザインを採用するなど、Alder Lake CPUの主な特徴を強調しています。
Golden Coveコアは、CPUの大きなコアとして機能し、同時マルチスレッドに対応しますが、Atomコアは非SMT設計を採用します。
コア自体の新機能としては、ハードウェアガイドによるスケジューリング、設計の最適化、省エネルギーを考慮したコア休止機能などがあります。
I/Oに関しては、第12世代Alder Lake CPUのラインナップは、PCIe Gen 5とPCIe Gen 4の両方をサポートし、Intel WiFi 6E (Gig+)、Thunderbolt 4をサポートしています。
メモリについては、デスクトップ向けにDDR5/DDR4、モビリティ向けにLPDDR5/LPDDR4など、幅広い選択肢が用意されています。
また、Alder LakeのリフレッシュラインであるRaptor Lakeと呼ばれるプロセッサーでは、LPDDR5Xのサポートが追加される予定です。
IntelデスクトップCPU世代の比較:
Intel CPU ファミリ |
製造プロセス | 最大コア数 | TDP | チップセット | プラット フォーム |
サポート メモリ |
PCIeサポート | 発売 |
Sandy Bridge (第2世代) |
32nm | 4/8 | 35-95W | 6-シリーズ | LGA 1155 | DDR3 | PCIe Gen 2.0 | 2011 |
Ivy Bridge (第3世代) |
22nm | 4/8 | 35-77W | 7-シリーズ | LGA 1155 | DDR3 | PCIe Gen 3.0 | 2012 |
Haswell (第4世代) |
22nm | 4/8 | 35-84W | 8-シリーズ | LGA 1150 | DDR3 | PCIe Gen 3.0 | 2013-2014 |
Broadwell (第5世代) |
14nm | 4/8 | 65-65W | 9-シリーズ | LGA 1150 | DDR3 | PCIe Gen 3.0 | 2015 |
Skylake (第6世代) |
14nm | 4/8 | 35-91W | 100-シリーズ | LGA 1151 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2015 |
Kaby Lake (第7世代) |
14nm | 4/8 | 35-91W | 200-シリーズ | LGA 1151 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2017 |
Coffee Lake (第8世代) |
14nm | 6/12 | 35-95W | 300-シリーズ | LGA 1151 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2017 |
Coffee Lake (第9世代) |
14nm | 8/16 | 35-95W | 300-シリーズ | LGA 1151 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2018 |
Comet Lake (第10世代) |
14nm | 10/20 | 35-125W | 400-シリーズ | LGA 1200 | DDR4 | PCIe Gen 3.0 | 2020 |
Rocket Lake (第11世代) |
14nm | 8/16 | 未確認 | 500-シリーズ | LGA 1200 | DDR4 | PCIe Gen 4.0 | 2021 |
Alder Lake (第12世代) |
10nm (ESF) | 16/24? | 未確認 | 600 シリーズ? | LGA 1700 | DDR5 | PCIe Gen 5.0? | 2021 |
Raptor Lake (第13世代) |
10nm (ESF) | 16/24? | 未確認 | 700-シリーズ? | LGA 1700 | DDR5 | PCIe Gen 5.0? | 2022 |
Meteor Lake (第14世代) |
7nm (EUV) | 未確認 | 未確認 | 800 シリーズ? | LGA 1700 | DDR5 | PCIe Gen 5.0? | 2023 |
Lunar Lake (第15世代) |
未確認 | 未確認 | 未確認 | 900 シリーズ? | 未確認 | DDR5 | PCIe Gen 5.0? | 2023+ |
解説:
Alder Lakeの6+8ESのベンチマークがリーク
ベース1.4GHz、ブースト27GHzのESのベンチマークがリークしました。
ブーストクロックは誤検出されているようですのできわめて初期のESと言ってもよいのではないかと思います。
一つ注意してほしいのはGeekbench5はAVX512に対応しているベンチマークであり、Intel有利のベンチマークであることはお断りしておきます。
ただ、Rocket Lakeに関しては、AVX512に対応していないベンチマークでもZen3を上回る数字を出しています。
Alder Lakeはどうなのかと言うとTiger Lakeの+20%IPCと言うことなので、Rocket Lakeと同クロック若しくは多少クロックが下がっても同等以上のレベルの性能が発揮できることは間違いないと思います。
問題なのは10nm SuperFinで5.1-5.3GHzと言った非常に高いクロックが出せるかどうかになります。
また、かなり以前のリークではハイブリッドテクノロジーをオンにすると拡張命令がGracemontコアに合わされると報じられており、AVX512に対応したベンチマークではハイブリッドテクノロジーをオフにした場合より不利になる可能性があることはお断りしておきます。
シングルスレッドはハイブリッドオフ、マルチスレッドはハイブリットオンのベンチマークが出てきそうな予感がします。
Intel社はベンチマークでこういう見苦しい悪あがきをすることがよくあるので注意です。
最近は大本営ではなく、別の企業を使ってやっているのも注意すべきですね。
直近ではRyzen3000シリーズが不利になるようなBIOSの設定を行ってベンチマークを出していたことが印象的でした。
勝ちなら勝ち、負けなら負けでよいと思いますが、作為の不作為的な表現や、BIOSの設定が等価でないインチキベンチマークは問題だと思います。
これからIntelがそうするとは思いませんが、ベンチマークの値を見るときは条件がどうなっているのかはチェックしておいた方が良いと思います。
8Bigコア8LittleコアのAlderlakeは実質(ゲーム用途では)8コアではないか?
ゲームの実行に当たってはAtomを使えば(恐らく)FPSが落ちますので、AlderLakeは16コア24スレッドではなく、8コア16スレッドCPUになると思います。
同様にAVX512を使われる方にとってもそうでしょう。(ただし、まだ確定でないことはお断りさせていただきます。)
性能が低いAtomをユーザーがどう評価するのかがAlder Lakeの評価の分かれ目になると思います。
オマケの8コアが付いたなんちゃって16コアと見るのか?エネルギー効率に優れた優秀なCPUと見るのか?
この点がAlderLakeが市場に受け入れられるかどうかを決めると思います。
AMDのZen4のようにZen3までのBigコアと同数を確保した上でLittleコアを実装するならば問題は無かったと思います。