European Processor Initiative(EPI)は、欧州連合が必要とする可能性のあるさまざまな使用モード向けに特別に設計されたカスタムプロセッサの開発を開始するヨーロッパのプロジェクトです。
EPIは、カスタムプロセッサを使用するヨーロッパのプロジェクトです。最初のタスクは、高性能アプリケーションで使用されるプロセッサの作成です。
最初のロードマップが公開されて以来、EPI開発者はすべての要素をまとめて詳細を入力するのに忙しくしています。
更新されたロードマップは、プロトタイプおよび実稼働HPCプロセッサの目標納期、使用予定のプロセスノードなど、いくつかの追加情報を提供します。
EPIの最初のタスクは、機械学習などの高性能コンピューティングアプリケーション用のカスタムプロセッサを作成することです。
EPIはすでにチッププロトタイプを開発中です。EPIの会長であるJean-Marc DenisはThe Next Platformで述べ、これらのプロセッサの設計目標と発売の全体的な時間枠に関する情報を確認しました。
デニスは、EUの今後のエクサスケールスーパーコンピューターにとって、どのアクセラレータとコンポーネントが意味をなすのかはまだ決定されていないことを示しています。
このプロセッサは、TSMCの6 nm EUVまたはTSMC N6 EUVテクノロジーで製造されることになっています。
EPIプロセッサは2020年末または2021年初頭にテープアウトされる予定であり、このプロセッサは異種であることが予想されます。これは、2.5Dダイ上に多くの異なるIPが存在することを意味します。
このプロセッサは、OSの実行などの汎用計算タスク向けのNeovereseサーバーコアの「Zeus」反復に基づくカスタムARM CPUを利用します。
特別に設計されたチップに関しては、EPIにはTitanという名前のチップが組み込まれます。これは、ベクトルおよびテンソル処理ユニットを使用してAIタスクを計算するRISC-Vベースのプロセッサです。
Titanチップは、FP32、FP64、INT8、bfloat16などのAI処理のすべての新しい標準を使用し、システムはTitanプロセッサに割り当てられたHBMメモリを使用します。
これには、CPU用のDDR5リンクもあり、内部接続用にPCIe 5.0を備えています。
ソース:wccftech – European Processor Initiative Readies its Custom HPC Processor
解説:
ソフトバンクがARMを買収したのとほとんど同じタイミングでできた欧州のプロジェクト
このEuropean Processor InitiativeはARMを買収されたEUが新たに立ち上げた独自のプロセッサを作成するプロジェクトです。
IoT時代をにらんでARMを買収した日本のソフトバンクですが、ARMを失ったEUは新たなプロジェクトを推進しています。
日本も同様のことをすればよいのですが、ちょうど今の「米中貿易戦争」と同じように、残念ながら90年代に「日米半導体摩擦」と呼ばれる事態が起きてしまいました。
1986年に日米間で締結された協定で,日本製半導体製品のダンピング輸出防止を骨子とする。1991年の改訂では日本市場における外国製半導体のシェアを20%以上に引き上げることを目標とする条項が付け加えられた。
日本市場での外国製半導体シェアを上げるためにあえて、韓国に技術移転して半導体を製造させて現在に至ります。
この協定が発効されてから、韓国と台湾の半導体業界が躍進したのはご存知の通りですね。
別に特に日本が劣っていたというわけではありませんので、安心してください。
欧州がEUを作ったのはアメリカと対等に渡り合うためというのはあったと思います。
日本は残念ながら敗戦国ですし、グローバルサプライチェーンというのはアメリカ市場を中心に動いているため、言うことを聞かざるを得ませんでした。
アメリカの圧力がいかに強力かは中国の経済がアメリカと摩擦を起こした瞬間に停滞したことからも明らかではないかと思います。
その後、エルピーダメモリのマイクロン(アメリカ企業)による買収や東芝メモリの海外の企業連合(アメリカ企業が中心)による買収によってほぼ日本の半導体産業はとどめを刺されてしまいました。
いずれもアメリカ企業が中心になっています。
現時点では中国や韓国の半導体産業もかつての日本と同じようにアメリカと摩擦を起こしており、いずれは日本の半導体産業のようにつぶされていくと思います。
どこかで見た景色というやつですね。