AMDは「Zen3」アーキテクチャの設計段階を完了しており、その詳細についてはすでに噂が出ています。
今回、Hardwareluxxは、AMDがZen3コアで4Wayマルチスレッドテクノロジーを設計して、データセンターCPUのパフォーマンスを向上させ、並列処理能力を高めることができると報告しました。
2020年中に到着する予定の「MILAN」というコードネームのZen3サーバーCPUは、多くのアーキテクチャの改善をもたらし、TSMCの7nm + Extreme Ultra Violentリソグラフィを使用して、トランジスタ密度を20%増加させると予想されます。
おそらく最大の変更は、CPUがコアごとに4つの仮想スレッドを持つことができる4Way-SMTの追加です。これにより、並列処理能力が向上し、データセンターユーザーがこれまで以上に多くの仮想マシンを実行できるようになります。
4Way-SMTは、各スレッドが操作の一部を実行できるようにμOPsを4つの小さなグループに分割することにより、理論的にパフォーマンスを向上させ、実行時間を大幅に短縮します。
これは4Way-SMTの1つのアプリケーションにすぎないため、AMDはこの機能を最も実用的で、可能な限り最高のパフォーマンスをもたらす方法で活用することが期待できます。
AMDは、プロセッサにこの種のソリューションを実装した最初の企業ではありません。 IBMは現在、4Wayまたは8WaySMTを備えたPOWER ISAベースのCPUを製造しており、それらがPOWER CPUが非常に強力な主な理由の1つです。
それでも、2020年に近づき、Milan CPUを発売する際に、Zen3のコア設計の決定に関する詳細を確認したいと考えています。
ソース:techpowerup – AMD Could Release Next Generation EPYC CPUs with Four-Way SMT
解説:
Zen3は1コア当たり4スレッドになる
Zen3コアのEPYCは1コア当たり4スレッドのSMTを持つようになるというのは前々から言われていましたが、今回改めて話が上がっています。
「μOPsを4つの小さなグループに分割する」とありますので、CPUコアの核心的な部分も1コア4スレッドを前提にしているようなニュアンスを感じます。
よって、明言はされていませんが、デスクトップ向けのRyzenやThreadripperにも同じように下りてくる仕様かもしれません。
ただ、OSやソフト側の対応が進まないとコンシュマー向け製品にとってはあまり意味がある仕様にならないのでは?という風に感じます。
というのも我々の世代はHTTが初登場したPentium4の時のことを覚えていますので、あまりよいイメージがありません。
折角のハイエンド向けの機能だったのですが、当時はOSの対応もあまり進んでおらず、HTTをオンにすると遅くなるとまで言われていました。
そういったこともあり、サーバー向けならともかく、一般向けの仕様としてはあまり意味のあるものではないのではないかと考えてしまいます。
動画のエンコードなんかには威力を発揮しそうです。
ただ、マーケティング的にはかなり強烈だと思います(笑
IntelがLGA1200で10コア20スレッドCPUを販売しているときに16コア64スレッドのCPUが販売されるということに他なりませんからね。
実効的な性能はともかく、インパクトはかなり強烈です。
念のためにお断りしておきますが、現時点ではデスクトップ向けCPUで1コア4スレッドになることが明言されているわけではありませんので、悪しからず。