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研究者はカーボンナノチューブを使用してシリコンなしでCPUを構築します

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シリコン製造が高価で困難なプロセスであることは周知の事実であり、これには多大な投資と適切な対応に多大な努力が必要です。

Intelの10 nmを例にとります。

当初は2015年に開始する予定でしたが、技術的な問題により、2019年に遅れました。

これは、シリコンスケーリングがこれまで以上に困難になっている一方で、コストが指数関数的に上昇していることを示しています。

新しいノードの開発には、研究だけでも数十億ドルの費用がかかると予想されており、製造施設の設置費用も含まれていません。

ますます小さくなるサイズのノードの開発が財政的および物理的に実行不可能になる瞬間に備えるために、研究者は、シリコンよりも優れた電気的特性を置き換える可能性のある新しい技術を探索しています。

そのような材料の1つ(実際にはそれから作られた構造)は、カーボンナノチューブすなわちCNTです。

MITの研究者は、アナログデバイスの科学者と共同で、CNTのみを使用したRISC-Vアーキテクチャに基づいたCPUの構築に成功しました。

RV16X Nanoと呼ばれるこのCPUは現在、古典的な「Hello World」プログラムのみを実行できます。

CNTは天然の半導体ですが、製造時には金属ナノチューブとして製造されています。

これは、金属ナノチューブが製造エコシステムに統合しやすいという事実によるものです。

CNTはXYZ軸にランダムに配置される傾向があるため、生産には多くの課題があります。

MITとAnalog Devicesの研究者は、十分な大きさの表面を作り、十分なランダムチューブを適切に配置することにより、この問題を解決しました。

CPUはRISC-Vアーキテクチャに基づいており、特に16ビット幅のメモリアドレス設計で32ビット幅の命令を処理するように設計されています。

CPUパイプラインのすべてのステージ(命令フェッチ、デコード、レジスタ読み取り、実行、および書き戻し)は16ビット幅であるため、CPUは公式に16ビットとして宣言されています。

ANDまたはNOTゲートなどの14,000個の論理ゲートを使用して、完全に機能する設計になります。

ナノチューブの注意深い操作を考えると、研究者は100%の収率を達成することができました。これは、14,000のゲートすべてが正しく機能したことを意味します。

Hello Worldプログラムの実行の波形は次のとおりです(この技術の位置を考えると、Crysisではありませんが、これは非常に印象的な成果です)。

技術はまだ完全ではありません。

チップはわずか10 kHzの非常に低いクロック速度で実行されましたが、平均CPUはこれより1桁高速です。

すべての欠陥があるため、このデモンストレーションはテクノロジーの重要な成果であり、概念実証です。

これは、シリコンを必要とせず、おそらくそれよりも優れているものに基づいて、CPUの実用的な例を製造できることを示しています。

CNTを既存のパフォーマンスと同じレベルで取得するために必要なすべての要素を完全に完成したわけではありません。

ソース:techpowerup – Researchers Build a CPU Without Silicon Using Carbon Nanotubes

解説:

カーボンナノチューブ(英: carbon nanotube、略称CNT)は、炭素によって作られる六員環ネットワーク(グラフェンシート)が単層あるいは多層の同軸管状になった物質。炭素の同素体で、フラーレンの一種に分類されることもある。

構造によってバンド構造が変化し電気伝導率やバンドギャップなどが変わるため、シリコン以後の半導体の素材としても期待されている。

Wikipedia – カーボンナノチューブ

 

富士通研究所 – カーボンナノチューブ

 

3nmの次はカーボンナノチューブか?

現在各メーカーはあの手この手で半導体の密度を上げようと四苦八苦しています。

台湾TSMCが新竹市に3nmの研究施設群を集中させようとしていますが、カーボンナノチューブを使ったCPUの話が出てきましたので一応紹介しておきます。

このCPUは32bit(メモリアドレス16bit・・・どこかで聞いたことのあるような構造ですな)RICS CPUでたったの10KHzという動作速度ですが、Helloworldの実行に成功したそうです。

※元の記事を見ると、どうもHelloworld以外は実行できないようです。(笑

凄いのか凄くないのかよくわからない話だと思いますが、研究室レベルでは今の半導体製造とは全く違った方式でCPUを作ることに成功したという点で、凄い話なんだと思います。

現在は下のような感じで進んでいます。

2018年7nm

2019年7nmEUV

2020年5nm

2021年5nm+?

2022年3nm?

まあ、5nm+と3nmは話が上がってきてませんので毎年製造プロセスが更新されるという希望的観測に基づいた願望ですが、順調に行っても2024年以後の予定は決まってないことになります。

予定が詰まるとどうなるかというと28nm時代の停滞のようにあまり性能が上がらないという状態になります。

そうならないためにぜひ未来の技術に期待したいところです。

カーボンナノチューブが今の半導体最先端プロセスと比較してどのくらいの密度になるかはデータが無いのでよくわかりませんが、いずれ微細化にも限界が来ると思います。

そうなるまでには順調に行ってほしいなと思います。

 

 

 

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