米国と中国が巻き込まれている貿易戦争は最近の大部分の見出しを独占しましたが、今一つの非常に大きな方向性で世界的なメモリ価格に影響する北東アジアでもう一つの貿易紛争があります。
第二次世界大戦中に強制朝鮮人労働者を使った新日鉄が被害者一人当たり89,000ドルの損害賠償を負ったと韓国の裁判所が裁定したとき、現在の日本と韓国の関係は悪化し始めました。
日本は、和解が1965年の合意で平和的な外交関係に復帰したので完了したと言って反論している。
安倍晋三総理大臣は今年の初めに、この決定を覆さないと経済的手段による日本の報復を招くと脅していた。
日本はプロセッサとメモリの半導体製造に使用されるいくつかの重要な化学物質の輸出に深刻な問題を投げかけており、そのうち韓国が最大の顧客です。
先週のメモリ価格はすでに15%上がっている
韓国には、世界最大のメモリメーカー、サムソン(KRX:005930)とSKハイニックス(KRX:000660)があります。
両者は合わせて世界のDRAM供給の約75パーセントと総NAND容量の40パーセントを生み出します。
SamsungとSK Hynixはどちらも、ここで詳述するいくつかの重要な化学物質について日本に大きく依存しています。
要するに、韓国はそのフォトレジストの92%を日本から輸入しており、フッ化水素の半分以下もそこから供給されています。
ウェハのガスエッチングに使用されるフッ化水素は有毒であり、貯蔵するのが困難であり、そしてフォトレジストは時間とともに急速に劣化し、それにより在庫を増やすことが不可能になる。
DRAMメモリの価格は今年初めてとなり、その小さな価格の上昇もありません。現在のレベルは過去2週間で15%上昇しています。
SKと日本は近い将来合意ができないだろうと合図して以来、アナリストは年を経てDRAMとNANDの潜在的な価格急上昇についての警告を出し始めています。
バーンスタインのアナリスト、マーク・ニューマン氏は、韓国は世界の供給量の4分の3を占めているため、価格は「かつてないほどの高値」のように上昇するに違いないと考えています。
台湾を拠点とするTSMC(NYSE:TSM 43.83 1.48%)は、日本の輸出ブロックが2019年下半期の残りの部分に向かう同社の「最大の不確実性である」と警告したため、状況は十分に悪化した。
状況を見ると、DRAMとNANDは今後数カ月の間に価格上昇に対して極めて脆弱になる可能性が最も高いでしょう。
中国とロシアに拠点を置くことができるフッ化水素の主要な供給元があるので、韓国のチップ製造業者はそれがガスエッチング化学薬品の代替供給源を見つけることになるとかなり容易に時間を過ごすことになるでしょう。
それらの化学物質は、最悪の場合、メモリチップの価格に焼き付けられたとき、総製造コストを考慮すると無視できるほどの影響しか及ぼさないであろう低い二桁桁の材料コスト増加を見るかもしれません。
フォトレジストは本当に重要な項目であり、ストーリーはここではまったく異なります。
92%が日本からのものである場合、韓国は十分な資料を容易に代替することを強く要求されるでしょう。
さらに、これらのフォトレジスト化学物質は複雑な分子で構成されており、今年の初めにTSMCが5億ドルの大失敗を示しているため、品質は最も重要です。
TSMCは期限切れまたは汚染されたフォトレジストを使用し、何千もの高価なウェーハを捨てなければなりませんでした。
日本の供給業者は、海外の工場からのフォトレジストの生産を最大化することを試みるが、日本がその夜間のブロックを逆転させて日本国外のそのような新しい生産能力を不要にすることができるので、これらの同じ供給業者は大きな生産能力のアップグレードに投資することに躊躇するかもしれない。
もちろん、ベンダーがこれらの生産ラインの生産能力を増強することを選択したとしても、それでもかなりの時間がかかります。
日本が現在の進路をとっているならば、DRAM価格とNAND価格が大幅な値上げに設定されているのは当然のことです。
アメリカのメモリ大手Micron(NASDAQ:MU 45.52 1.90%)のようないくつかの会社は、その製品の市場価格が急上昇している間は自社の生産が妨げられないままでいるので恩恵を受けると見ています。
メモリの価格が急上昇し、Micronが今までと変わらないと考える理由は何もない。
日本はすべてのカードを保有しており、現実にはSamsungとSK Hynixが輸出禁止を緩和するためにできることはそれだけです。
この2人が安倍首相と彼の政府に今後数ヶ月の間救済を求めるのはかなり困難になるだろうと想像することができます。
重要なのは、このような意見の不一致はそれが不安定であるのと同じくらい感情的です。
日本とSKは単に貿易赤字や不当な経済慣行について議論しているのではなく、賠償金について議論している。
その非常に政治的で偏光的なトピックと双方の市民は、後退しないようにそれぞれの政府にさらなる圧力をかけるでしょう。
アメリカと中国の貿易戦争はそれほど感情的ではないと感じていますが、この貿易紛争ははるかに深刻です。
私たちは長い間乗りに行くことができました。
ソース:wccftech – Memory Prices Could Soar If Japan/South Korea Trade War Continues
解説:
ここから下は私個人の見解ですので、韓国に不利な意見が許せない方は読まないことをお勧めします。
この話題は荒れるので、どうしようか迷ったのですが、ここで翻訳しないと逃げるような感じですので、一応取り上げます。
前回はマスコミがあまりにミスリードするような記事をあげていたので少し煽りましたが、今回は真面目に行きます。
日本と韓国の貿易紛争(?)でメモリの価格が上がっているということです。
これは予測ではなく、すでに15%上がっているようです。
フッ化水素は別に日本以外でも作っているが、しかし・・・
フッ化水素というのはチップの材料であるウェハーを洗浄するために使います。
フッ化水素は日本以外でも作っています。
しかし、7nmEUVのような最新のプロセスに関しては、99.999999999999%(トゥエルブナイン)と呼ばれるきわめて高純度のフッ化水素を使わないと歩留まりが極端に落ちるので、現実的な問題として最先端プロセスは使えないということになります。
この高純度フッ化水素に関しては日本以外では作っていません。
また、EUVに使うフォトレジストも高品質なものは日本が独占しています。
おそらく、28nmあたりならば、日本産のフッ化水素でなくても問題は起きませんが、半導体の製造工程は700以上あるといわれており、途中で別の国のものに変更すると検証に数か月かかるといわれています。
この高純度のフッ化水素はあまり量が出るものでもないので、アメリカや中国もコスト的な面で自国で生産するのを諦めたという経緯があります。
このフッ化水素はウランの濃縮にも使われていますので、兵器転用可能な物資(戦略物資)という扱いになります。
日本の主張と韓国の主張
国内のマスコミは今回の措置を「韓国に対する制裁」としています。
しかし、実際にはホワイト国という簡易にフッ化水素を含む戦略物資が輸入可能な優遇措置を止めただけです。
この措置の裏には、前回の記事でも触れたように、韓国に輸出した40トンものフッ化水素が使途不明となっており、北朝鮮やイラクに横流しされたのではないかという疑惑があります。
日本側からは韓国に再三、説明を求めてきましたが、そもそも韓国が交渉の席に着かなかったので、今回の措置となりました。
ここで何もしなければ、日本が逆に北朝鮮やイラクの核開発に協力したとして国際的な制裁を受ける可能性があったからです。
日本側の主張は、ホワイト国としての簡易審査を取りやめし、過去3年分の日本から輸入したフッ化水素の用途についての詳細を出さない限り輸出の許可は出さないとしています。
韓国はこれに猛反発。
ホワイト国を除外するのは貿易制裁に当たるとしてWTOや米国に仲裁を申し入れています。
ただし、日本側からは過去3年間の使用用途を明確にすれば、通常の手続きを行って輸出するとしています。
中国もこの手続きをきちんと踏んで輸入しており、なぜ韓国がこの措置に反発するのかは理解不能なところです。
ここは全くマスコミが報じない部分です。
今後どうなるのか?
日本は今回、安保理事案のため今までのように韓国には譲歩しません。というかできません。
一方、韓国ではすでに、「日本製品不買に反対していた李明博元大統領の最側近だった元国会議員」が不審死していたり、「韓国の日本大使館で自爆テロ、ガソリンを積んだ車で突っ込み火をつける」、「産経新聞ソウル支局に男2人が無断で侵入し撮影」など暴力を使った行動が起きています。
韓国の元国会議員は自殺とされていますが、タイミング的に見てもちょっとありえないと思います。
これは一種の見せしめ的脅しでしょう。
こんな風に韓国では反対意見があっても力で潰されてしまいますので、日本との協調路線は難しいものと思います。
よって韓国サムスンの7nmEUVを使った製品はとん挫する可能性が高いです。
最先端プロセスでない製品に関しても、他の国からの輸出に切り替えたとしても、検証に数か月かかるとされており、その間生産を中止するしかないでしょう。
現時点で日本は制裁は行っていませんが、日本が本気で制裁することになれば、サムスンやSKハイニックスなどは一瞬で倒産することになります。
なぜなら、韓国の企業に融資を行っているのは日本の三大メガバンクだからです。
貸しはがしを行えば即倒産します。
また、輸出に対する信用状も日本のメガバンが発行しており、これが無いと国際取引が出来なくなるといわれています。
韓国の国際企業は日本の金融プラットフォームにどっぷり依存しており、にもかかわらずなぜこんなにも日本に強気に出られるのか私から見ると全く理解不能です。
現時点の見解
メモリは米Micronが広島に新しい工場を建て、中国も国内消費分は国産化するとして、2019年から量産を開始しています。
また、有機ELに関しては、アップルが韓国企業からから中国のBOEという会社に調達先を変更しています。
このままいけば脱韓国の動きが加速するというのが私の見解です。
アメリカも中国も韓国企業が製造を担当していた分野から代替先となっていますので、特に韓国の味方にはならないでしょう。
nVidiaのRTX3000シリーズはTSMCで生産される可能性が高くなったと言ってよいのではないかと思います。
メモリの高騰に関してはいずれ落ち着くというのが私の見解です。
なお、この記事に反論がある場合はきちんとソースを提示してください。