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TSMC、台湾の新竹で2nm研究を開始

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サムスン電子がクアルコムの次期ハイエンドのフラッグシップスマートフォンSoCを製造すると発表した昨日の報道で、TSMCの将来の投資計画を共有する中国からの報告を受けた。

台湾のファブは、7nmのArgon Florideベースのプロセスノードで製造の最先端にあり、来年までに5nmの開発が見込まれています。

現在、レポートには、5nmと3nmを超えるプロセスに対するTSMCの計画の詳細が記載されています。

詳細は下記をご覧ください。

 

TSMC、台湾の新竹R&Dパークで2nmプロセスノードの研究を進める計画

2017年12月、TSMCはサプライヤーフォーラムで、台湾の新施設に200億ドル以上の投資を行っていることを発表しました。

この施設は2020年代初頭に完成し、工場が5nmを超えることが可能になります – 計画通りに進行すれば2020年に商業化するプロセスノードです。

現在、ファブの3nmプロセスは当面の間承認されていますが、

TSMCはすでに未来を見始めています。 中国のメディアによると、同社は新竹で2nmプロセスの研究開発を開始する。

この研究が新竹科学技術パークで実施されるかどうかは、現時点では明らかではありませんが、TSMCがこの分野に多大な投資をした可能性があります。

出版物はTSMCのシニアディレクターであるZhuang Zishouを引用しています。

Zishou氏は、TSMCが2nmプロセスノードの研究に成功するのであれば、その才能の大部分は市内にいるため、会社は新竹に集中する必要があると考えています。

ちなみに、TSMCの本社も新竹にあります。

新竹にあるTSMCの3nm工場は、この地域の温室効果ガスの排出量を増やし、電力と水の消費量を増やします。

工場の建設は来年から始まり、約18か月で完成すると見込まれており、3nmの量産は2022年に始まると予測されています。

現時点では、ピッチやゲート幅などの重要な指標は、異なる見出しで販売されているデザインでも同様であるため、プロセスノードは単なるマーケティング用語です。

何か意見をお持ちですか? 下記のコメント欄であなたが何を考えているかを私たちに知らせてください。 最新の情報をお知らせします。

ソース:wccftech – TSMC To Commence 2nm Research In Hsinchu, Taiwan Claims Report

解説:

ついに2nmまでプロセスが進むのか?という話です。

今のところまだ研究中という話のようです。

もうここまでくるとすでに量子力学の世界ですね。

ちなみに

  • 人間の髪の毛(細いもの)が60,000nm(0.06mm)
  • 煙の粒子のサイズ(PM2.5と同じ) 570nm
  • 水分子一個分のサイズ 0.38nm
  • 水素原子(最小原子)が0.1nm
  • 電子一個分の古典半径が0.000002818nm

となっており、どんなサイズ感なのか大体わかってもらえるのではないかと思います。

だんだん分子や原子のサイズに近づいて言っているということです。

私は量子力学が専門ではありませんので電子のサイズについてははっきり断言できませんが、そのサイズについてはいろいろな説(?)があるようです。

古典半径というものをサンプルとして出しています。

ここまで微細化が進むといろいろな影響が出てきて、単純に微細化イコール高性能化にならないというのが実際のところです。

それを様々な技術で解決しているというのが現実です。

問題の大きな一つは、リーク電流と言って、配線間の間隔が小さすぎて電流が隣の配線に移ってしまう現象です。

これによって微細化しても省電力化の恩恵が受けられなくなってしまい、この現象を如何に回避するかが課題になっています。

7nmではバーチカルナノワイヤという技術を使って回避しました。

出典:IEEE Spectrum – Nanowire Transistors Could Keep Moore’s Law Alive

シリコン面積当たりのトランジスタ数(トランジスタ密度)をHNW構造よりも高めるには、円筒状のチャンネルをシリコンウエハー表面と垂直な方向に配置する。この構造は「バーチカルナノワイヤ(VNW)」と呼ばれる。VNW構造は、既存の半導体材料を前提としたときは、究極のトランジスタ密度を得られる構造といえる。

出典:EE Times Japan – 福田昭のデバイス通信(25):ARMから見た7nm CMOS時代のCPU設計(14)~次々世代の異次元トランジスタ

ムーアの法則は崩壊したといわれていますが、この法則を最初に提唱したゴードン・ムーア氏のintelではなく、TSMCにおいて何とか法則を維持しようという努力が続けられています。

法則の維持には莫大な資金が必要ですので、スマートフォンの出荷数は2018年通年で14億890万台で、PCの出荷台数は2億5,938.5万台、約7倍の差がついているわけですが、こうした莫大な出荷数の差からプロセスの進化に必要な資金は現在では完全にARM勢が提供しているということになります。

これがintelがプロセスの進化で後れを取っている理由の一つであり、時代は完全にPCからスマホに移っているといってもよいと思います。

3nmから2nmは一気に2/3になり、2nmから1nmは1/2になります。

この先どこまで行けるのかは誰にもわかりませんが、7nm(intelでいう10nm)で微細化は終わりといわれていましたので、我々が想像するよりはもう少し長く、その恩恵が受けられるかもしれません。

 

※ もっと詳しく知りたい方はEE Times Japanの該当記事やIEEE Spectrumの該当記事を読まれることをお勧めします。記事執筆にあたって引用・参考にさせていただいた元の記事を書かれたライター様に敬意を表するとともに厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

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