アメリカのファーウェイ制裁がいよいよ苛烈になってきました。
これまでの制裁内容は
速報:グーグル含む米テック大手、ファーウェイへの部品・ソフト供給停止
の記事に書いてある通り、
- グーグル=Android OS
- インテル=サーバー用半導体
- クアルコム=スマートフォン向けCPU、モデム
- ザイリンクス=プログラム可能半導体(FPGA)
- ブロードコム=ネットワーク機器関連半導体
これらの企業との取引停止です。
これだけでもスマートフォン製造・販売には致命的ですが、中国国内だけでいえば、Playストアなどは使われておらず、Facebookもamazonもtwitterもyoutubeもありません。
それぞれ中国の企業が似たようなサービスを運営しています。
中国には金盾(きんじゅん)という大規模ファイヤーウォールがあり、政府に都合の悪い情報が公開されているサイトには接続できないようになっています。
そのため、中国国内企業が運営しているこういうサービスが一般的になっています。
これに加えて、
- ARMとの取引停止
- SD Associationからの排除
- クアルコムの社員にファーウェイの担当者との連絡禁止
などの続報が出てきました。
これによってファーウェイはスマホにmicroSDが搭載できなくるそうです。(笑
アメリカの制裁は徹底していますね。
ファーウェイのスマホにはKirinシリーズという独自CPUが搭載されているのですが、中身ARMですからね。
アメリカの中国に対する要求は
- 貿易赤字の解消
- 不正な産業保護の撤廃
- 知的財産権の保護
- 財産権の保護
- 為替の自由化、通貨切り下げ禁止
- 外国企業差別の禁止と投資制限撤廃、資本移動の自由を認める
- これらの要求を、きちんと履行したかどうかの時間軸の目標と検証プロセスの徹底
また、中国はアメリカの武器輸出規制国になっています。
この武器輸出規制国に対して、最先端技術や製品も輸出の規制がかけられました。
中国人が役員となっている企業も中国企業とみなされます。
さらにファーウェイと共同研究している大学にも規制がかけられています。
これらの規制は二次輸出、日本を経由する場合も同様にかけられます。
セカンダリーボイコットといって、この規制を破った相手先の国にも規制がかけられます。
かつては日本もRISCの独自仕様CPUを作っており、セガサターンに搭載されていたSH2などがあって、隆盛を極めていました。
このCPUを設計したのは日立です。
しかし、アメリカがスーパー301条をちらつかせてくると、要求をのまざるを得なくなってくるわけです。
その後アメリカの年次改善要望で、最先端技術の投資を止め、建設業などに積極的に投資するようになっていきました。
韓国人や中国人は日本を「終わった国」としてバカにしますが、結局は同じ道をたどっているということですね。
上のアメリカの要求を全部飲めば、ITのサービスはすべてアメリカ企業に独占され、国内経済を蹂躙されるものと思います。
結局はアメリカの掌の上で踊っていただけの儚い繁栄だったということです。
ファーウェイに突き付けられた制裁はもはや企業として事業を営むのが困難なレベルであり、近い将来、アメリカの要求を全てのまざるを得なくなるでしょう。
日本がどうして落ちぶれていったのか?というのは、これからの中国が同じ道を歩んで実感するものと思います。
中国は様々な社会的な矛盾を軍事力で抑えつけている状態ですので、言論の自由化がなされれば、国内が分裂するかもしれません。
2016年実績ですが、中国では国内暴動が1日500件以上おきいているといわれています。
人民解放軍だけではこれらの暴動が抑えきれず、ヤクザまで雇って暴力で無理やり押さえつけています。
中国は国内に奴隷層を作って搾取するという画期的な(?)システムで経済繁栄してきた国ですが、アメリカの要求を全部飲まされれば、こうした矛盾が抑えきれなくなって暴発する可能性があるでしょう。
少なくともこれらの要求を全部飲まされたら習近平氏は失脚する可能性が高いと思います。