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4GBグラフィックカードが復活

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■事実

製品仕様まわり

AMDがRDNA 4系最下位モデルとしてRadeon RX 9050を投入、4GB版と8GB版の2構成で登場しました。

8GB版はGDDR6を128bitバスで搭載、メモリ帯域幅288GB/s、価格279ドルでアジア太平洋・日本・中南米にて先行発売しています。(欧州・北米での発売計画は現時点で未発表)

4GB版はメモリバスが64bitに半減され、帯域幅は144GB/sと8GB版のちょうど半分です。

8GB版と4GB版の違いはメモリ構成のみで、GPUコア自体は完全に共通しています。(コンピュートユニット16基、ストリームプロセッサ1024基、理論FP32性能約5.3TFLOPS)

この1024基という数字は、2026年5月時点でのリーク情報(32コンピュートユニット・2048ストリームプロセッサ)から大幅に下方修正された最終仕様です。

ブーストクロック最大2.6GHz(ゲームクロック1920MHz)、RDNA 4の第3世代レイトレーシングアクセラレータ・第2世代AIアクセラレータを搭載しています。

8GB版はInfinity Cacheを32MB搭載することがAMD公式ページで確認されている一方、4GB版のInfinity Cache搭載有無は本稿執筆時点で未確認です。

8GB版はASRockが「Radeon RX 9050 Challenger 8GB」として単体販売向け製品ページを公式に公開。サイズ249×132×41mm、重量645g、8ピン電源コネクタ1系統、推奨電源450Wです。(上位のRX 9060 XTは推奨500W)

8GB版のボード消費電力は92Wと公式発表されています。

なぜ8GB版と9060無印がメモリ帯域幅・Infinity Cache容量とも完全に同一なのか、という点も業界メディアで指摘されています。(シェーダー数だけを削って帯域は維持する構成)

4GB版の流通・位置づけ

4GB版は現時点で単体販売の公式発表がなく、主にOEM/プリビルドPC向けの流通が想定されています。

米Best Buyで販売中のCyberPowerPC製プリビルドPC「Gamer Master」に4GB版RX 9050の搭載が確認されている。構成はRyzen 5 5500・4GB RX 9050・8GB DDR4・500GBSSDで、販売価格は890〜900ドル前後でする(PC本体価格であり、GPU単体の価格ではない)

ASRockのサイト上でも4GB版の製品ページは画像や仕様の一部が欠落した状態で掲載されており、8GB版に比べて情報開示が明らかに少ないです。

AMDが4GB搭載のデスクトップGPUを発売するのは2022年のRadeon RX 6500 XT以来。同年には他社からもIntel Arc A310やNVIDIA GTX 1630など4GB級のエントリーモデルが登場しており、4GB帯自体が「2022年世代の遺物」として扱われてきた経緯があります。

RX 6500 XTは発売当時、メモリ帯域144GB/sやPCIe x4接続などの制約により「a complete mess」(KitGuru)、「the most cynical GPU-crisis graphics card we’ve seen」(PC Gamer)などレビューで酷評された経緯があります。

メモリ市場・価格の背景

GDDR6のスポット価格は2025年末以降、AI向けメモリ需要の急増を背景に約3倍まで高騰しているとの報道があります。(Board Channels経由、TechTimes報道)

AMDは2026年に入り複数回、追加基板パートナー向けのGDDR価格を引き上げているとされ、直近の7月にも約10%の値上げが報じられています。

Samsung・SK Hynix・Micronの主要DRAM3社が、利益率の高いAI向けHBM(広帯域メモリ)へ生産能力を優先的に振り向けているため、GDDR6のようなコモディティ向けメモリの供給が圧迫されているとの分析があります。

業界関係者からは「メモリ価格の高騰はもはや周辺コストの問題ではなく、GPU価格を決定する主要因になりつつある」との指摘も出ています。

同時期の他社動向(比較材料)

NVIDIAの現行エントリーモデルRTX 5050(2025年7月発売、269〜309ドル前後)はVRAM8GBを最低ラインとしており、4GB構成のモデルは現時点で投入していません。

RTX 5050は128bitバス・GDDR6・帯域幅320GB/sで、AMDのRX 9050 8GB(288GB/s)と近い水準を維持しています。

3DMarkベンチマーク比較では、RX 9060 XTがRTX 5050を6割以上上回るスコアを記録しているとの集計データもあります。

 

表(比較表・拡充版)

項目 RX 9050 4GB RX 9050 8GB RX 6500 XT(2022年参考) RTX 5050(NVIDIA参考)
メモリ容量 4GB GDDR6 8GB GDDR6 4GB GDDR6 8GB GDDR6
メモリバス 64bit 128bit 64bit 128bit
メモリ帯域幅 144GB/s 288GB/s 144GB/s 320GB/s
Infinity Cache 未確認 32MB 16MB ―(NVIDIA独自構成)
ボード消費電力 未公表 92W 107W 130W
想定価格 非公表(OEM向け) 279ドル 199ドル(発売時) 249ドル(発売時)
販売形態 OEM/プリビルド限定 単体販売あり 単体販売あり 単体販売あり
発売地域(初期) 不明(プリビルド確認済) APAC・中南米限定 グローバル グローバル

ソース

  • The Verge: https://www.theverge.com/games/971868/asrock-amd-4gb-rx-9050-gpu

解説

単に「4GB」という容量数字だけでなく、4GB版のみメモリバスまで64bitに削られている点が最大の問題。容量とバス幅を同時に削る「二重の値下げ」構造になっている。

8GB版は上位の9060無印と帯域幅・Infinity Cache容量が完全に一致しており、AMDが「シェーダー数だけを削って帯域は維持する」という比較的まっとうな設計判断をしている点は評価できる。問題は4GB版だけが別次元の切り詰め方をしていること。

海外メディア(hwbusters)の「4GBは2026年においてもはやフレームレートの問題ではなく、設定項目(テクスチャ品質など)の問題」という指摘は的確で、そのまま使える視点だ。

CyberPowerPC「Gamer Master」構成(Ryzen 5 5500+4GB RX 9050+DDR4 8GB)を見ると、システムメモリ側も8GBしかなく、VRAM不足を退避させる余地すらない。これは典型的な「安さのしわ寄せが二重にかかる」プリビルド構成だ。

144GB/sという数字を見て「タイムマシンで2022年に戻ってきたのか」と思わず二度見した。

2022年のRX 6500 XTがレビューで酷評された前例に触れ、「歴史は繰り返す」と皮肉る。当時と違うのは、今回は「メモリ高騰」という業界構造がその主因になっている点だ。

OEM限定・情報開示の少なさという位置づけは、単体販売するには批判が大きすぎるとAMD自身も自覚している証拠ではないかという見立てだ。

メモリ高騰という業界構造の中で、悪者はAMD単体というよりもSamsung・SK Hynix・MicronのHBM優先という上流の供給構造にある点を指摘。AMDもNVIDIAも同じ制約下で苦しんでいる。

一方でNVIDIAは同じ高騰環境下でも、エントリーモデルのRTX 5050で8GBを死守している。「同じ荒波の中で船底に穴を開けたのはAMDだけ」という対比の切り口も使える。

5月時点のリーク(32コンピュートユニット)から最終的に半分(16基)まで削られた経緯は、発売直前まで仕様が流動的だったことを示しており、いかにこの製品がぎりぎりのコスト調整の産物であるかを物語っている。

「安さの代償を払うのは結局ユーザー側」という一言で締める案だ。

「値段を見てから容量を決めるのではなく、容量を見てから値段を諦める時代」という表現案だ。

 

さて、8GBでもFullHDのゲームがまともに動かなくなってきているこの時代に4GB GPUの居場所はあるのか?

メモリ価格が落ち着くまではゲーマーにとっては厳しい環境になるのだろう。