■事実
今回のリーク概要
リーカーLC Tech Leaks(Intel系リーカーJaykihnが補足)が、Nova Lake-Sデスクトップ向けZ990マザーボードの電源設計ガイドラインが改訂されたと報告しています。
改訂後のガイドラインでは、デュアルコンピュートタイル構成のNova Lake CPU向けに、通常動作(定格)でのPL2が474Wに設定されると明記しています。
474W超はデュアルダイのオーバークロック領域と位置づけられています。(「Over 474 = dual die OC」)
これは未確認のリーク情報。Intelは公式発表をしていません。
Nova Lakeプラットフォームの基本
正式ブランド名はCore Ultra Series 4「Nova Lake-S」(デスクトップ向けはNova Lake-S)です。
ソケットは新設計LGA1954に移行します。LGA1851/LGA1700との互換性なし(ソケット形状がCPU右側にノッチ移動)です。
CPUクーラーはLGA1851対応品を流用可能です。
対応チップセットはZ990(フラッグシップ、フルOC対応)とZ970(主流エンスージャスト向けOC対応)の2種類、他にB960・Q970・W980も予定です。
発売時期:シングルタイル28コアモデルはCES 2027で発表・Q1 2027発売、デュアルタイル52コアモデルはComputex 2027前後(2〜3ヶ月後)の見込みです。
52コア構成の概要
フラッグシップは52コアでPコア16基(Coyote Coveアーキテクチャ)+Eコア32基(Arctic Wolf)+LP Eコア4基です。
これはデュアルコンピュートタイル構成で、各タイルに8P+16Eコアを搭載します。
bLLC(Big Last Level Cache)は1タイルあたり144MB、52コア版で合計288MB(AMD X3Dへの対抗策)です。
Intelはデスクトップ向けにもTSMC製造を採用(自社Fabではない)します。
電力数値の変遷
2026年2月時点のリーク:PL2≒496W(Jaykihnは「古いスペック」と後日否定)、PL4は854Wです。
今回(2026年6月)の改訂版はPL2 = 474W(定格)、474W超でOCモードです。
PL1(定格TDP)は175W(Arrow Lake比+40%)です。
現行Arrow Lake Core Ultra 9 285K:PL1=125W、PL2=250W(参考:14900KもPL2=250W)です。
マザーボード電源設計の変更
IntelがZ990マザーボードメーカー向けに、8ピンEPS CPU電源コネクタを3基とする改訂設計指示書を送付(現行は2基が一般的)します。
GIGABYTEがComputexでZ990の試作基板(3基の8ピン搭載)を展示済みです。
ただし3基が必須なわけではない。175W対応Z990でも2基のままの製品が存在し得ます。
マザーボードの電力クラスは4段階:35W Baseline/cfgdwn、65W Value/Performance、125W Baseline/Performance、175W Baseline/Performance
CPUが動作するボードのPL1格付けを下回る場合、CPUは低いパフォーマンスプロファイルで動作(自動ダウンクロック)します。
Z990プラットフォームの仕様
DDR5-8000をネイティブサポート(1DPC構成時)します。
PCIe 5.0が全スロット対応(Z990ではM.2含む)です。
Thunderbolt 5対応(ただしリタイマーが必要で、Z990/W980/Q990のみ)です。
Z990 PCHサイズはZ890比22%縮小、消費電力は基本7.9W・最大14W(Z890の6Wより高い)です。
Multi-Core OC機能:コア単位でのオーバークロックが可能な新機能です。
比較表
| 項目 | Core Ultra 9 285K(Arrow Lake) | Nova Lake 52コア(デュアルタイル・リーク) |
|---|---|---|
| コア構成 | 8P + 16E(計24コア) | 16P + 32E + 4LP-E(計52コア) |
| ソケット | LGA1851 | LGA1954(新設計) |
| PL1(定格TDP) | 125W | 175W |
| PL2(ブースト上限) | 250W | 474W(リーク値) |
| L3キャッシュ | 36MB | bLLC 288MB(144MB×2タイル) |
| 対応チップセット | Z890系 | Z990系 |
| DDR5対応 | DDR5-6400(定格) | DDR5-8000(ネイティブ) |
| CPU電源コネクタ | 8ピン×2 | 8ピン×3(175W対応ボード推奨) |
| 製造プロセス | TSMC N3B等 | TSMC(詳細未確認) |
解説
474WのPL2というのは、単純計算でCPUだけで現在のミドルクラスPC全体の消費電力に相当する数字。「CPUのブースト時」の話とはいえ、かなり頭がくらくらする。
Arrow Lake 285KのPL2が250Wで、Nova Lakeのそれが474W。コア数は2倍強(24→52)なので、消費電力の増加はコア数の増分に概ね比例しており、「1コアあたりの効率は維持している」ともとれる。
ただしこれは定格動作の話。PL4(極短時間のハードリミット)は700Wを超えるとされており、簡易水冷どころかワークステーション級の冷却が必要になる現実がある。
8ピン×3コネクタの要件は、現在一部のハイエンドGPUが抱える電源事情と構造的に類似している。GPU側はPCIe 5.0の16ピン1本に統一しつつあるが、CPU電源はEPS 8ピンの本数を増やすアプローチ。設計の方向性が面白いほど逆だ。
「定格でPL2 474W」というのが肝で、OCしなくてもそこまで行くということ。ボードに格付けを設けてPL1未満のボードでは自動ダウンクロックするという仕組みは合理的だが、消費者側は購入前にボードの電力格付けを把握する必要が生じる、(わかりにくい)
bLLC 288MBという数字は壮大だが、AMD X3Dがシングルタイルに積む現在の構造(片方のCCDにのみV-Cacheが乗る非対称)に対し、Intelが「両タイルに均等に積む」とすれば、スケジューラの複雑さが減りゲーミング性能で優位に立てる可能性がある、
一方で52コアがゲームに活きる場面は限定的。このCPUの主戦場は動画レンダリング・AIローカル推論・マルチタスク重視のクリエイター/開発者向けで、ゲーマーには28コアのシングルタイル版の方が実質的に重要になる見込み、
今回のリークはあくまで設計段階の内部資料ベース。Jaykihnが2月の496Wを「古い値」と否定した経緯があるように、474Wも発売時点では変わっている可能性が十分ある。ただ方向性(Arrow Lakeの約2倍)は変わらないだろう、
「CPUだけで470Wを食う未来」は、電源ユニット業界にとってはむしろ朗報かもしれない。1,000W超の電源がエントリークラスになる日は近い。
ATX 3.1の12V-2×6コネクタ問題を議論していた頃が、むしろ牧歌的な時代だったと後から思うことになるかもしれない。
IntelはRaptor/Refleshでの失敗をどう考えているのか?気になるところだ。
私は初代Raptor 13700Kを購入したが、旧コントロールパネルの電源オプション設定から「プロセッサの状態」95-99%を設定した運用で特に故障することはなかった。
最新のファクトリーOCはあまりにも消費電力が大きすぎて信用してなかったというのもある。
さて、NovaLakeではこの轍を踏まないように出来るだろうか?喉元は過ぎてないように思える。
Raptor/Refleshのような不具合だとある程度使ってみないと結果が出ないのが困ったところだ。
パフォーマンス競争はわかるのだが、最近の行き過ぎたファクトリーOCには一抹の不安がよぎる。