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AnthropicがClaude Maxの「水増し広告」で集団訴訟に 月2万円のプランで週制限に連続ヒット

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■事実

訴訟の基本情報

2026年6月14日、ワシントンD.C.在住のKarl Kahnがカリフォルニア州北部連邦地方裁判所にAnthropicを提訴(事件名:Kahn v. Anthropic PBC)しました。

Wall Street Journalが6月15日に報道、国際的に広く拡散しました。

Claude Max 5x(月額100ドル)とMax 20x(月額200ドル)の2プランを標的とした集団訴訟申請です。

2025年4月以降に両プランを購入したすべての米国ユーザーを代表するクラスアクション認定を求めています。

Anthropicはコメントを拒否しています。

Claude Maxのプラン体系と広告内容

Claude Proは月額17〜20ドル(年払いで17ドル、月払いで20ドル)です。

Max 5xは月額100ドルで「Proの5倍の使用量」を謳っています。

Max 20xは月額200ドルで「Proの20倍の使用量」を謳っています。

プランはもともと「常に制限に引っかかる」というClaude Proへの不満の声を受けて2025年4月9日に導入されました。

広告上は「セッションあたりProの5倍/20倍の使用量」という倍率を前面に打ち出した表現を採用しています。

使用制限の仕組み(技術的背景)

Anthropicの制限は「5時間のローリングウィンドウ(セッション制限)」と「週次制限(ウィークリーキャップ)」の2重構造になっています。

セッション制限は最初のメッセージから5時間が経過すると自動リセットされます。

週次制限は両方の制限が独立して稼働しており、セッション制限がリセットされても週次制限が残っていれば利用を継続できません。

使用量の消費はトークン数・モデル選択・コンテキスト長・添付ファイルなどの要素によって動的に変化するため、ユーザーが残量を事前に予測しにくい構造になっています。

さらにClaude.aiのチャットとClaude Codeは使用量プールを共有しており、どちらか一方を使うともう一方の残量も減ります。

Max 20xのセッション上限は従来約900メッセージ/5時間(2026年5月6日のアップデートで倍増されて約1,800に)です。

ウィークリーキャップはセッション制限の倍増時に変更されませんでした。

原告の主張と証拠

Kahnは2025年6月にClaude Proに加入し、同年1月にMax 5x、2026年4月にMax 20xへ順次アップグレードしました。

Max 20xへの移行後、コーディング作業中の5時間セッション1回で週次使用量の15%を消費したと申告しています。

このペースで計算すると、週次制限に1週間以内に到達する計算になります。

上限に達するたびに「作業中断」「使用量を節約する」「追加使用量を購入する」の三択を迫られたと主張しています。

訴状が証拠として引用するのは、2025年7月にAnthropicがサブスクライバーに送付したとされるメール。同メールにはモデルごと・プランごとの週次使用量の期待値が記載されていたとされ、実際の制限値がその数値を大幅に下回っていると主張しています。

訴状は「Max 5xとMax 20xプランが提供する実際の使用量は、広告で謳われた使用量を大幅に下回っている」と明記されています。

Anthropicのマーケティングが詐欺的・誤解を招くものであるとの司法認定も求めています。

周辺状況

Redditでは以前から「Claude Codeの1プロンプトで5時間制限に到達した」等の不満が多数報告されていました。

Anthropicは2025年7月、Claude Codeを24時間365日ぶん回す重量ユーザーへの対処として週次制限を導入した経緯があります。

同社はFable 5・Mythos 5のグローバルアクセス遮断(ホワイトハウス命令への対応)という別の問題も同時に抱えており、法的・政治的に多難な時期に提訴された形です。

Anthropicは著作権訴訟でも別途15億ドルのクラスアクション和解交渉中です。

 

(画像挿入箇所)

解説

問題の核心は「制限の存在」ではなく「制限の売り方」にある。週次制限の存在自体はAnthropicも隠していたわけではなく、公式ヘルプにも記載がある。問題は「Proの20倍」という倍率表現が、ユーザーに「月額Pro比20倍の作業が確実にできる」という期待を合理的に抱かせた点だ。

「Proの5倍」「20倍」という表現は正確には「セッションあたりの使用量が5倍/20倍」という意味だが、週次制限という天井が別に存在する。この2重制限構造を理解せずに課金したユーザーが一定数いることは想像に難くない。

使用量がトークン数・モデル・コンテキスト長・添付ファイルで動的に変化するうえ、チャットとClaude Codeが使用量を共有するという設計は、ユーザーが「あとどれだけ使えるか」を事前に把握することを構造的に難しくしている。これは不透明さとして批判されても仕方がない。

2025年7月にAnthropicがサブスクライバーへ送ったとされる「週次使用量の期待値を記載したメール」が証拠として引用されている点は興味深い。企業が自ら明示した数値と実際のユーザー体験の乖離を、企業の公式コミュニケーションで証明しようとする構図になっている。

Kahnの「Max 20xに課金して最初の週に上限ヒット」という体験は誇張でも稀なケースでもなく、Claude Codeをガッツリ使う開発者には普通に起きうる話。Redditの不満投稿の数がそれを裏付けている。

これはAnthropicだけの問題でもない。AI課金モデルは電気・水道のような定額使い放題ではなく、毎回のリクエストが計算資源を消費する従量構造が本質だ。それを「○倍プラン」という直感的な倍率で売ることには、本質的にギャップが生まれやすい。同様の問題はOpenAIやGoogleにも潜在的に存在する。

「月3万円出して週制限にヒット」という体験が裁判にまで発展したことは、AI課金がもはやサブスクリプション商品として生活費の中に組み込まれ、消費者保護の対象として真剣に見られ始めたことを意味する。

「Proの20倍」を買って数日で上限に届くというのは、「バイキングで胃袋の20倍の料理を注文した人が食べきれなかった」のではなく「バイキングの料理が思ったより少なかった」という話なので、笑えない。

Anthropicにとって最大のリスクは訴訟そのものより、「高い金を払っても制限に引っかかる」というイメージの定着かもしれない。IPOを控えた同社にとって、ユーザーの信頼はどんな技術力よりも先に問われるものだ。

 

筆者はProなので縁のない話だが、Proでも一時期トークン制限の壁はかなりひどかったと感じたのでMaxでもそうなのだろう。

proではもはやOpusは使えない。sonnetだけだ。

恐らく、使用できるトークンはその時のリソースのひっ迫状況に応じて動的に変化するのだろう。筆者も今年の2-3月はかなりトークンの制限を厳しく感じた。

毎日週間制限とにらめっこしていた。

バーでおおよその使用量と残量はわかるようになっているものの、トークンの量が絶対値として示されていないのがミソだ。

ここが、今回のユーザーが違和感を感じるようになった理由なのではないかと考える。

API料金としてきっちりと使用料金が示されているので毎月決まった量使えると誤解しがちだが、週間制限のトークン量が数値で示されていないということは変動している可能もあるということだ。

このあたり、anthropicの標榜する透明性とはいささか乖離がある。

今後はAPIで上限なし課金をしないとFable5やopus4.8は満足に使えないのだろう。AIは安価で人を集める時代から利益を求める時代に変化しつつある。

それを象徴するようなエピソードだ。