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「史上最高クオリティの偽RTX 4090」——GDDR6Xを削りレーザー刻印、顕微鏡でしか見抜けない

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■事実

発覚の経緯

修理に持ち込まれたのはASUS ROG Strix GeForce RTX 4090(中古品)です。

購入者はeBayで入手、出品者は「Amazonのリターンパレット品」と称していました。

どのテスト機材に接続しても認識されず、修理依頼として持ち込まれました。

GPU修理専門のYouTubeチャンネル「Northwest Repair」が2026年4月に動画を公開しました。

 

ソース:https://www.youtube.com/watch?v=Ox6g2cKbbRM

外観検査では発見不可能なレベルの偽造

PCB(基板)は清潔で、はんだの焦げ跡や明らかな分解・改造の痕跡はありません。

VRAM周辺の一部ランド(はんだパッド)が1つ消えていたことが最初の違和感でした。

基板全体に薄いスジ跡があり、超音波洗浄が行われた可能性が高くなっています。

コア周辺のコンパウンドの色が通常より濃く、乾燥後に黄変したエポキシ状に見えました。

最終的に偽造が確認されたのは顕微鏡での観察後です。

 

偽造の手口:削ってレーザー刻印

動画主のNorthwest Repair曰く「これまで見た中で最高のSCAMだ」とのことでした。

GPUパッケージとGDDR6Xメモリチップの元々の刻印を物理的に表面を削り取って除去しています。

その上から、正規のRTX 4090と同一の文字・ロゴをレーザーで刻印されています。

GPUコアには「AD102-300-A1」と刻印——本物のRTX 4090に使用される正規のダイ識別番号と同一でする

刻印された型番・ロゴは肉眼では本物と区別がつかない品質です。

コアおよびメモリが実際には何のチップなのかは外観から特定不能です。

 

過去の類似事例との比較

2024年事例ではメモリチップの一部が本来の2GBのGDDR6Xではなく256MBのチップが混在していました。

2024年7月にも同系統の偽RTX 4090が発覚——当時はRTX 3080 Tiのダイ(GA102)をRTX 4090として偽装しています。

今回の2026年事例はその手口を大幅に洗練させたもので、レーザー刻印の品質が格段に高く、顕微鏡なしでは判別不能となっています。

なぜRTX 4090が偽造しやすいのか

RTX 3090 Ti(GA102ダイ)とRTX 4090(AD102ダイ)はパッケージとピン配列が類似しています。

この物理的な互換性により、古い・壊れたチップをRTX 4090の基板に搭載できます。

ただし完全なRTX 3090 Ti基板がRTX 4090に直接換装できるわけではなく、あくまで「同じ基板にチップを載せ替える」形になります。

偽造の目的と想定される製造元

動画のピン留めコメントでNorthwest Repairが「個人や専門工房では不可能なレベルで、ゲーミングGPUをAI用にVRAM換装するような地下業者による工場レベルの作業」と分析しています。

「この工場が無料でフィードバックを得るために自分で送り込んだのでは」という視聴者のコメントもあります。

このSCAMの主な目的はエンドユーザー詐欺ではなく、返品検査の突破にあります。

使えないと気づいた購入者が返品→返品センターの検査をくぐり抜ける→再度流通させる、というサイクルが狙いでする

 

見分ける方法

修理技術者Tony氏の推奨はRTX 4090・RTX 5090は素性の確かな販売者からのみ購入すること。詐欺被害に遭った場合は警察へ届け出てください。(複数の届出が捜査につながる)

Ada Lovelace(AD102)はコア周辺のMLCC(積層セラミックコンデンサ)の配置レイアウトが旧世代と異なります。

本物と並べて比較すれば判別できるが、「知識がない限り気づかない」「開けて確認するのは現実的でない」とのことです。

 

解説

「Amazonパレット品」という売り文句が危険信号

個人・フリマ・eBayでの高額GPU購入リスクを、この事例は極めて具体的に示している。

返品パレット品は検査をすり抜けた偽造品の温床になりえるという構造がまさに今回で実証された。

出品者が「Amazon返品品」と言っている時点で、実はこのスキャムの「退出口」にいる可能性がある。

 

「工場レベル」という評価の意味の重さ

通常の詐欺は個人が安直にやる——コーラーをかけるだけ、安い代替品を入れるだけ。

個人や小規模業者では再現不可能なクオリティ、という点が最大の問題だ。

今回は超音波洗浄、表面研磨、レーザー刻印と複数工程が組み合わさった工業的プロセスだ。

これはAI向けにGPUをカスタム改造する地下業者が持つ設備・技術と一致する。

 

「使えないのがバレる」前提で作られている点

使えないとわかって返品→検査員が外観を見てOKと判断→再流通——このサイクルを狙っている。

これが通ってしまうなら、流通経路全体の検査体制に問題があることになる。

エンドユーザーを欺くためではなく、流通上の返品検査を突破するための偽造という解釈が重要だ。

 

RTX 4090はすでに生産終了のレガシー製品

RTX 5090が入手困難・高額な状況では、RTX 4090の中古需要は引き続き高い。

RTX 4090は現行モデルではなくRTX 5090にバトンが渡っている。

にもかかわらずこれほどの手間をかけて偽造される理由は、中古市場での高値維持だ。

「品質フィードバックのために自分で送った工場」説は笑えないレベルでリアリティがある。

「本物かどうかを顕微鏡で確認してから買う」——それが今の中古GPU市場の現実になりつつある

こういう詐欺が出てくるのもNVIDIAのGPUが貴金属並みの価値になってしまったからだ。

NVIDIAのGPUは信用の出来る業者からしか買わないようにするほかないだろう。

故人売買ね中古や返品など一度でも正規の流通ルートを外れた品物にはもう信頼性はないということを肝に銘じておこう。

また、歴史的にNVIDIAのGPUは世代にまたがったチップのピン互換、PCB互換性を持ち、他社より早い速度でチップ世代を上げていったのが競争に勝った要因の一つだったが、それがうまく悪用されている。