■ IntelとAMDの次世代デスクトップCPU、2027年まで登場せず?
IntelおよびAMDの次世代デスクトップCPUがともに2027年まで発売されない可能性が浮上している。
中国のリーカー「Golden Pig Upgrade」がWeibo上に投稿した情報によれば、Intelの「Core Ultra 400」シリーズ、コードネーム「Nova Lake-S」のデスクトップ向けCPUは、2027年1月のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)に合わせた発売ウィンドウを狙っているとされる(ソース:https://m.weibo.cn/status/5268681401829517)。
同じリーカーによれば、AMDのZen 6アーキテクチャを採用したデスクトップ向け新製品「Olympic Ridge」も、早くとも2027年以降の投入になる見込みだという。
Intel CEOのリップ・ブー・タン氏は、2025年第4四半期の決算説明会においてNova Lakeを「2026年末」に投入すると発言していた。
しかし同氏の発言はデスクトップ・モバイルの区分を明示していなかったため、解釈の余地を残していた。
今回のリーク情報が正確であれば、「2026年末」に発売されるのはモバイル向けのNova Lakeであり、デスクトップ版のNova Lake-Sはその後CES 2027のタイミングで続けて投入される——という段階的なリリーススケジュールが浮かび上がる。
Intel製品では過去にも、モバイル向けが先行してデスクトップ向けが数ヶ月遅れて投入されるケースが多く見られており、このシナリオは業界の慣行とも一致する。
Nova Lake-Sの主な特徴
Nova Lake-Sはアーキテクチャを大幅に刷新した製品として注目されている。
最上位モデルでは最大52コア構成(パフォーマンスコア×16、Eコア×32、LP Eコア×4)が予定されており、現行Arrow Lakeの24コアと比較して大幅な増加となる。
プロセス面では、IntelのIntel 18Aプロセスで製造されたコンピュートタイルと、TSMCのN2ノードで製造されたタイルを組み合わせたマルチタイル構成が採用される見込みだ。
また、大容量のボトムレベル・ラストレベルキャッシュ(bLLC)タイルの搭載も予定されており、AMDの3D V-Cacheに対抗するキャッシュ性能向上が期待されている。
チップセットは新たな「900シリーズ」が用意されており、Z990・Z970・W980・Q970・B960の5つのSKUが展開される予定だ。
NPUも第6世代(NPU 6)へと刷新され、推論性能74TOPSが見込まれており、これは現行Arrow Lakeに搭載されているNPUの約5.6倍に相当する。
AMDのOlympic Ridge(Zen 6デスクトップ)も同様の遅延
AMDのデスクトップ向けZen 6製品「Olympic Ridge」についても、当初は2026年内の登場が期待されていたが、2027年以降にずれ込む見通しとなっている。
業界アナリストの分析では、この遅延はAMDがモバイル向けZen 6製品を優先しているためとみられており、デスクトッププラットフォームの刷新は後回しになっているとの見方が広がっている。
なお、現時点でいずれのリークも2027年内の具体的な発売時期を明示しておらず、さらなる延期の可能性も排除できない状況だ。
Intelが直面する構造的な課題
Intel側の遅延には、AI需要の急拡大という業界全体の構造変化が影響している側面もある。
IntelはXeon系のサーバー・エンタープライズ向けCPUに対する旺盛な需要に対応するため、製造ラインをエンタープライズ向けへと優先的に振り向けており、コンシューマー向け製品の供給能力に制約が生じているとされる。
インテルは2025年の決算説明会でも、AI関連サービスへの注力と製造キャパシティの最適化を強調しており、Nova Lake-Sの遅延はこうした事業方針の変化とも整合する。
現在のデスクトップCPU市場の状況
2026年2月現在、デスクトップCPU市場ではAMDのRyzen 7 9800X3Dや、同じく3D V-Cache搭載の旧世代チップが引き続き高い人気を維持している。
IntelはArrow Lake Refreshとして「Core Ultra 200S Plus」シリーズを2026年前半に投入予定で、これがNova Lake-Sまでのつなぎ製品と位置づけられている。
しかし、Arrow Lake Refreshは既存のアーキテクチャを踏襲した小幅な改良にとどまる見込みであり、AMD製品に対して販売面での逆転を果たせるかは不透明だ。
ドイツの大手リテーラーMindfactoryの販売データによれば、IntelのCPU販売シェアは数%程度まで低下しており、AMDが圧倒的な優位を維持している状況が続いている。
解説
正直なところ、IntelとAMDがそろって2027年にずれ込むというのは、少し前まで想定していなかった展開です。
Nova Lake-Sについては「2026年後半に登場するのでは」という観測が業界では支配的でしたが、ここにきてCES 2027という時期が浮上してきた。
Intelが「2026年末」という言葉を使いながら、その内訳がモバイル向けだった——というのは、正直うまいごまかし方ですね。
公式には嘘をついていないわけですが、デスクトップユーザーからすると「聞いていた話と違う」という感覚になるのは当然だと思います。
AMDも同様に2027年にずれるというのが今回のポイントで、要するに「どちらを選んでも次世代は2027年まで来ない」ということですね。
個人的に気になるのは、この遅延がどの程度「AI需要シフト」で説明できるのかという点です。
確かにIntelがサーバー向けXeonに製造リソースを集中させているのは事実で、Intel 18AやTSMC N2という先端プロセスを使うNova Lake-Sは、製造ラインの確保が難しい状況にある。
ただ、AMDも同時に遅れているということは、業界全体でデスクトップ向け製品の優先度が下がっているとも読めます。
これはある意味で、半導体業界の重心がコンシューマー向けデスクトップから完全にAI・データセンター側にシフトしていることの象徴的な出来事と言えるかもしれません。
そして個人的には、Intelがこの方向に舵を切ったこと自体は、悪い話ではないと思っています。
Intelはそもそも、AI需要の拡大を読み違えたことで常に受け身の立場に追い込まれてきたメーカーです。
AMDも市場を主導しているとは言いがたい状況ですが、Intelはそれ以上に後手を踏んできた。
その意味で、AI需要の波に正面から向き合ったAMDの判断は市場の動向に沿っており、そちらの方向が正しかったと言えます。
Intelが今回の遅延を通じて同じ方向に足並みをそろえようとしているなら、コンシューマー向け製品の観点からは不満が残るにしても、会社としての方向性は正しくなりつつあるのではないかと見ています。
ただ、その結果として我々デスクトップユーザーは完全に脇役になったとも言えます。
ゲーマーやクリエイター向けのデスクトップPCユーザーにとっては、厳しい話ではあります。
現行のRyzen 9000シリーズやArrow Lakeは、性能的にはもちろん十分使えるレベルですが、「そろそろ買い替えか」と思っていた人は、2027年のCESまで待つ価値があるかもしれません。
もっとも、CES 2027での「発表」がそのまま「即発売」を意味するとは限らない点も注意が必要です。
リークが指摘しているのはあくまで「CES 2027のウィンドウを狙っている」という話であり、実際の発売が同年3月や4月以降になる可能性も十分あります。
さらに言えば、今回のリークは具体的なSKU名や価格を含んでいないため、CES 2027での発表が「予告のみ」に終わり、実販売はさらに後になるケースも考えられます。
過去のIntelの動向を見ると、製品発表からリテール向け発売まで数ヶ月のギャップが生じることは珍しくないですし。
しばらくはArrow Lake RefreshやRyzen 9000シリーズと向き合いながら、次世代のニュースを待つフェーズが続きそうです。
画像プロンプト1: 【英文】Futuristic desktop CPU processor chip with multi-tile architecture glowing on a dark background, showing complex semiconductor die layers and interconnects, photorealistic, dramatic studio lighting, technology product photography style 【日本語】ダークな背景の上で輝くマルチタイル構造の最新デスクトッププロセッサー。複雑な半導体ダイ構造と相互接続を表現した、ドラマチックなスタジオ照明によるテクノロジー製品写真スタイル