インサイダー/リーカーとして知られるHXL(@9550pro)が2026年2月19日にXへ投稿した情報によれば、AMDの次世代デスクトップCPU「Ryzen Olympic Ridge」のコア数構成が明らかになった。
情報源はhttps://x.com/9550pro/status/2024459834532433978。
これはあくまでリーク情報であり、AMDが公式に確認したものではない。
Olympic Ridgeのコア数ラインアップ(リーク情報)
シングルCCD(1チップレット)構成は以下の4モデルが予定されているという。
- 6コア
- 8コア
- 10コア
- 12コア
デュアルCCD(2チップレット)構成は以下の3モデルとなる。
- 16コア(8+8)
- 20コア(10+10)
- 24コア(12+12)
合計7種のコア数構成が用意されることになる。
Zen 6 CCDの仕様変化
現行のZen 5 CCDは8コア・32MB L3キャッシュ・TSMC N4プロセスで構成されている。
Zen 6 CCDはこれを大幅に刷新し、12コア・48MB L3キャッシュ・TSMC N2プロセスを採用するとされ、ダイサイズは約76mm²になる見込みだ。
Zen 2からZen 5までは1CCDあたり最大8コアが続いていたが、Zen 6ではついに1CCDあたり12コアへと拡張される。
これは前世代比でコア数・L3キャッシュともに50%の増加に相当する。
デュアルCCD構成の最上位モデルでは、計24コア・96MB L3キャッシュという構成になる計算だ(X3D非搭載時)。
既存AM5プラットフォームとの互換性
Olympic RidgeはAM5ソケットを継続して採用する見込みであり、既存のZen 4・Zen 5ユーザーはマザーボードを交換せずにアップグレードできる可能性がある。
すでに複数のマザーボードメーカー(ASUS、COLORFULなど)がB850などのAM5対応マザーボードでZen 6をサポートすることを確認しており、BIOSアップデートにより対応できると報告されている。
Zen 6のプロセスと発売時期
AMD公式のロードマップによれば、デスクトップ向けOlympic RidgeはTSMC N2Xプロセスを採用する見通しで、2026年後半の発売が予定されている。
業界関係者の分析では、AMDはZen 6ファミリーを段階的に展開する計画とされており、2026年前半にはモバイル向けMedusa Point APUとサーバー向けEPYC「Venice」が先行し、Olympic Ridgeはその後に続く見込みだ。
クロック速度については、N2Xプロセスを採用するOlympic Ridgeで最大7GHz超を目指すとも伝えられている。
Intel Nova Lake-Sとの比較
2026年後半には、IntelもデスクトップCPU新世代「Nova Lake-S」を投入する予定で、AMD Olympic Ridgeと真正面からぶつかる構図になる。
Nova Lake-SはLGA1954という新ソケットを採用し、プロセスはTSMC N2Pとなる。
コア構成はP-Core(Coyote Cove)最大16コア、E-Core(Arctic Wolf)最大32コア、LP-Eコア最大4コアで合計最大52コアと、AMDの24コアを大きく上回る。
ただしIntelの52コア構成は最大消費電力が単一タイル構成で約350W、デュアルタイル構成では約700Wに達する可能性があり、AMDの125W+とは電力設計の哲学が根本的に異なる。
Intel Nova LakeにはAMDのX3D対抗として「bLLC(Big Last Level Cache)」が導入される見込みで、アンロックモデルでは最大144MB(デュアルタイル時最大288MB)の大容量L3キャッシュが搭載される可能性がある。
下表にOlympic RidgeとNova Lake-Sの主要スペックをまとめる。
| 項目 | Intel Core Ultra 400(Nova Lake-S) | AMD Ryzen 10000シリーズ(Olympic Ridge) |
|---|---|---|
| アーキテクチャ | Coyote Cove(P-Core)/ Arctic Wolf(E/LP Core) | Zen 6 |
| プロセス | TSMC N2P | TSMC N2P/N2X |
| 最大コア数 | 52 | 24 |
| 最大スレッド数 | 52 | 48 |
| 最大P-Core数 | 16 | 24 |
| 最大E-Core数 | 32 | なし |
| 最大L2+L3キャッシュ | 160〜320MB | 96MB(L3) |
| 最大bLLC/V-Cacheキャッシュ | 144〜288MB | 64MB?(未確認) |
| DDR5対応速度 | 8000 MT/s(CUDIMM対応) | 7200 MT/s?(CUDIMM対応) |
| ソケット | LGA 1954 | AM5 |
| 最大TDP(PL1) | 125〜175W | 125W+ |
| 最大消費電力 | 約700W(デュアル)/約350W(シングル) | 未確認 |
| 発売予定 | 2026年後半 | 2026年後半 |
※表中の情報はリーク・報道ベース。未確認項目を含む。
解説
今回のリークで最も注目すべきは、AMDがZen 6世代でついに「1CCDあたり12コア」の壁を突破してきたことですね。
Zen 2からZen 5まで実に4世代にわたって「1CCDは最大8コア」という設計が続いてきたわけで、これは半導体業界でも珍しい長期継続ラインだったと言えます。
今回その枠が12コアに拡張されたことで、ラインアップに大きな余裕が生まれています。
Zen 5時代は6・8・12・16コアという4種類の展開でしたが、Zen 6では6・8・10・12・16・20・24コアと一気に7種類まで増える。
特に10コアと20コアが新設されるのが面白いポイントで、価格帯の「すき間」を埋める効果が期待できます。
個人的に気になるのは、シングルCCDの12コアモデルにX3Dが組み合わさった場合の性能です。
Zen 5世代のRyzen 7 9800X3Dがゲーミング性能でほぼ無敵の地位を確立しましたが、12コア+X3Dという組み合わせが実現すれば、コア数の増加とキャッシュ量の両立でさらにとんでもないゲーミングCPUになる可能性があります。
コミュニティでも「12コアX3Dモデルへの期待」という声が目立っており、ゲーマーとしては2026年後半が非常に楽しみな状況です。
一方でIntelのNova Lake-Sとの比較は少し慎重に見る必要があります。
「最大52コア」という数字だけ見るとAMDの24コアが見劣りしますが、これはIntelが今回からE-Coreを大量投入しているためです。
デュアルタイル構成の52コアモデルは消費電力が700Wという恐ろしい数字になる可能性があり、正直これはデスクトップワークステーションかHEDT(ハイエンドデスクトップ)向けの話と考えた方が自然でしょう。
マニアやクリエイターが引っ張りだことして選ぶような最上位モデルと、日常的なゲーミングPCや自作PCとは、そもそもカテゴリが異なってくるわけです。
一般的なゲーマーやクリエイターがIntelのシングルタイル24コアモデルとAMDの24コアモデルを比較するのが現実的な対決ラインだと思います。
気になるのは価格面で、Zen 5からZen 6はプロセスノードがTSMC N4からN2へと大きくジャンプします。
TSMC N2は現時点で量産が始まったばかりの最先端ノードで、ウェハーコストはN4より相当高い。
AMDがZen 6でどこまで価格を抑えられるかは未知数で、仮に現行ラインアップと同等の価格帯を維持できるなら非常に攻めた戦略と言えます。
さらに、2026年後半という発売時期はDRAM価格が高騰している時期とも重なる可能性があり、CPUだけでなくメモリやSSDを含めたトータルのアップグレードコストが気になるところです。
市場予測によれば、2026年前半に向けてDDR5価格の正常化が期待されていますが、供給状況次第では想定外のコスト増もあり得るため、アップグレードのタイミングはよく見極めたいところですね。
2026年後半はAMD・Intel双方から新プラットフォームが登場するという、近年でもまれにみる「当たり年」になりそうです。