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AMD Zen 8/Zen 9の開発コードネームが判明、2030年代まで「Zen」ブランド継続へ

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半導体業界のリーク情報で知られるMoore’s Law is Deadが、AMDの将来的なCPUアーキテクチャであるZen 8とZen 9の開発コードネームを明らかにした。Zen 8は「Penelope(ペネロペ)」、Zen 9は「Nemesis(ネメシス)」というコードネームで開発が進められているという。これらは2030年前後から2032年頃に登場する見込みで、AMDの長期戦略を占う上で重要な意味を持つリークとなっている。

超長期リークが可能な業界の特殊性

半導体業界では、製品発表の数年前から内部情報が漏れ出すことは決して珍しくない。リーク元によれば、IntelのSierra Forestについては、コードネームが公式確認される約3年前の2021年初頭には既に詳細な情報を得ていたという。同様に、Meteor Lakeのコアアーキテクチャ「Redwood Cove」については2020年の時点で把握しており、当時はまだAlder Lakeすら発売されていない段階だった。さらにRaptor Lakeの情報を得たのは、Redwood Coveのリークから1年後だったという逆転現象も起きている。

このような時系列の前後が生じる理由はいくつかある。AMDの場合、時として将来製品の情報が別の製品に関する技術文書に紛れ込んでいることがあり、それが超長期リークにつながることもある。あるいは製品自体が通常より遅い段階で企画されるケース、社内の誰かが通常では耳にしないはずの早期情報を偶然入手するケースなどが考えられる。

通常、リーク元は情報源を保護するため、入手した情報をすぐには公開しない。製品が遠い将来のものであればあるほど、社内で知る人間が限られるため、早期リークは情報源の特定につながりやすい。しかし今回のZen 8/Zen 9の情報については、情報源を保護できる確信があり、また他のリーカーに先を越される前に公開したいという思いもあって、このタイミングでの発表に踏み切ったとしている。

判明した技術的詳細とプラットフォーム情報

Zen 8(Penelope)とZen 9(Nemesis)の略称は、それぞれPLとNMとなる。これまでのZen 6 Medusaの略称がMDS3と3文字だったのに対し、2文字となっているのは理由がある。これらがコアアーキテクチャのコードネームであり、完成したSoCファミリー全体の名称ではないためだ。この点で、今回のリークはZen 7の「Prometheus(コアアーキテクチャ)」と「Grimlock(製品ファミリー)」の関係に類似している。現段階では製品ファミリーの詳細まで判明していない、初期段階のリークということになる。

確実な情報としては、両アーキテクチャが最近リークされたAM6ソケットで展開されることが挙げられる。一部のリーク情報ではZen 7がAM6に移行するとされていたが、これは誤りで、Zen 7は依然としてAM5に留まる。AM6への移行はZen 8から行われることになり、この点も今回のリークで確認された形だ。

メモリ規格については、Zen 7がコンシューマー向けでDDR5を継続使用することから、Zen 8とZen 9では90%の確度でDDR6が採用されると予想される。ただし100%確実とは言えない段階だという。DDR6への移行は技術的な必然性とタイミングを考慮すると妥当な選択と見られている。

PCIeの世代については不確実性が残る。現在コンシューマー向けはPCIe 5.0が長く使われており、サーバー向けに6.0が導入されつつある状況だ。Zen 7ではサーバーが6.0、コンシューマーは5.0となる見込みで、この傾向が続くと考えられる。Zen 8の時点でPCIe 7.0へ飛び級する可能性については懐疑的で、おそらくコンシューマー向けでも6.0への移行が現実的とされる。Zen 8が登場する2030年頃でも、PCIe 6.0で十分すぎるほどの帯域が確保できると判断されているようだ。

発売時期と戦略的意義

Penelope(Zen 8)は早くても2030年より前の発売は難しく、Nemesis(Zen 9)は2031年から2033年頃の製品になると予想される。これほど遠い将来の製品に既にコードネームが付けられ、なおかつ「Zen」ブランドが維持されていることには、AMD の長期戦略を読み解く上で重要な意味がある。

約1年半前のPrometheusリークでは、AMDが2023年から2024年にかけてZen 6またはZen 7以降で「Zen」ブランドを終了し、特定市場向けに複数の異なるコアアーキテクチャを展開する「ポストZen」時代への移行を検討していた可能性が報告されていた。これはIntelが複数の異なるアーキテクチャを並行開発している戦略に近いものだった。

しかし、Zen 9まで明確に「Zen」ブランドが使用され、連番が続いていることから、AMDはその方向性を取らないことが強く示唆される。これは今後10年程度、AMDが「車輪の再発明」を避け、既存のZenアーキテクチャを着実に進化させていく方針を維持することを意味する。

この戦略には明確なメリットがある。Intelが最近行ってきたような大規模なアーキテクチャ刷新や複数の異なる設計の並行開発ではなく、世代ごとに20〜40%の着実な性能向上を積み重ねていく従来の手法を継続することで、開発リスクを抑制できる。個々の世代での向上幅は控えめでも、長期的には大きな性能向上につながり、かつIntelが経験したような大幅な遅延や開発コストの膨張を回避できる。

実際、Zen 7についても約半ダース(6種類程度)のサブアーキテクチャに分割される計画が明らかになっており、これも単一のベースアーキテクチャを市場ごとに最適化していく方針の表れと解釈できる。Zen 8、Zen 9と連番が続くことで、この戦略への確信がさらに強まったという。

長期計画における柔軟性と変更の可能性

ただし、これほど先の製品については計画変更の可能性も十分に高い。リーク元は警鐘として、Intelの過去の事例を紹介している。

Sierra Forestは当初、800個のAtomコアを搭載する計画だったが、最終的には最上位モデルでも288コアに落ち着いた。これは当初計画の36%程度という大幅な縮小だ。Granite Rapidsについては、2021年時点の内部資料では4ウェイハイパースレッディングの実装が検討されていたことが確認された。しかし実際には従来通りの2ウェイで実装され、さらに後継のDiamond Rapidsではハイパースレッディング自体が削除される見込みとなっている。

このように、開発初期段階の計画と最終製品の間には大きな乖離が生じることがある。技術的な障壁、市場環境の変化、コスト面での制約など、様々な要因が計画変更を引き起こす。特に5年以上先の製品については、現時点での計画はあくまで「現時点での方向性」に過ぎず、詳細スペックについて深く掘り下げることは時期尚早だという認識を示している。

それでも今回のリークには意義がある。コードネームと「Zen」ブランドの継続という情報だけでも、AMDの長期的な製品戦略と設計思想の方向性を示す重要な指標となるからだ。

Samsung SATA SSD生産停止問題の続報

リークの最後に、別の重要トピックとして、Samsung SATA SSDの生産停止について追加情報が提供された。以前のリークで、SamsungがAI市場向けのより収益性の高い製品へリソースをシフトするため、2026年初頭にSATA SSD生産を事実上停止すると報告されていた。

この報道に対して、一部メディアが誤った情報や誤解を招く記事を掲載したという。中にはSamsungの声明を捏造したと思われるケースもあったとされ、リーク元は強い言葉で批判している。改めて情報源に確認を取ったところ、当初の報告内容が正確であることが再確認された。

ただし、誤解を避けるため改めて強調されたのは、これがSamsungのSSD市場からの永久撤退を意味するものではないという点だ。短期的に生産を停止または大幅削減し、その結果として2026年初頭に市場供給が逼迫して価格が急騰するという内容であり、長期的には生産が再開される可能性もある。しかし再開時期については現時点で確定していないという。

既に市場への影響は表れ始めている。小売業者がSATA SSDの在庫確保に苦労しており、Samsungへの追加発注を断られるケースも出始めているという。中には「他の小売業者から市場価格で買い取るように」と言われた業者もあるとされ、供給逼迫が現実のものとなりつつある。

Samsungには既存の契約履行義務があるため、出荷自体は完全に停止しない。しかし主要OEM顧客への契約分を優先するため、小売市場やDIY市場への供給は大幅に制限される見込みだ。このため、2026年にSSDが必要な場合は、価格上昇前の早めの購入が強く推奨されている。

今回のZen 8/Zen 9のリークは、2024年から2025年にかけて蓄積されたAMD関連情報の「最後の大型リーク」と位置づけられている。2025年末までに確実に公開しておきたかった情報だったという。ただし、年末から2026年初頭にかけて、さらにもう一つの大型リークが予定されているとほのめかされており、AMD関連の情報開示はまだ続く見込みだ。

ソース: Moore’s Law is dead – AMD Zen 9 “Nemesis” Leak | Samsung SSD Supply Update