ライバル関係にあるにもかかわらず、TSMCはIntelのファウンドリー事業の株式を取得する決意を固めているようで、その「野心的な」計画について主要ハイテク企業と話し合っている。
TSMCがIntelファウンドリーと契約を結ぶことは、同社が 「トランプ関税 」から逃れる方法のひとつかもしれない。
トランプ政権が発足したことで、米国に半導体の栄光を取り戻すことに大きな力を注いでおり、その一環としてIntelが立ち直ることが期待されている。
ここ数週間、IntelとTSMCが協業し、米国でのチップ生産を加速させる可能性が取り沙汰されてきたが、ロイター通信が報じたところによると、台湾の巨大企業がどうやら動き出す準備が整ったようだ。
TSMCは、NVIDIA、AMD、Broadcomなどのパートナーとともに、Intelファウンドリーの株式を取得し、製造設備を担当することについて議論している。
TSMCがIntelの50%以上を所有することはないと主張されているが、これはTSMCが「独占権」をIntelに残すことを望んでいることと、トランプ政権がチーム・ブルーを外国企業に完全にアウトソーシングすることに賛成していないことを考慮したものである。
台湾大手によるこの合弁契約は、TSMCが米国に1000億ドルを投資すると発表する前に発表されたもので、アリゾナ州に5つの新施設と研究開発センターを開設する計画もある。
台湾の巨大企業の運営方法がIFSのそれとは全く異なること、またIFSの運営コストを考慮すると、この取引は単にTSMCの持続を困難にするものであることを考えると、この取引におけるTSMCの関心は確かに疑わしい。
しかし、この提携がTSMCを助ける唯一の方法は、「トランプ関税」の脅威を取り除くことである。関税は最大100%になる可能性があり、TSMCのビジネスは壊滅的な打撃を受けることになる。
Intelにとっては、絶望的なカムバックが必要であり、インテル・ファウンドリーにまつわる楽観論にもかかわらず、彼らから「勝者製品」を見たことがない。
この状況は、18Aの登場によって変わる可能性があるが、やはりこのプロセスが実際に動くのを見るまでは結論は出ない。
TSMCはパートナーとの協議を開始しているため、近いうちに合弁契約が締結されることになるだろう。
解説:
TSMCがIntelと「合弁」か?
トランプ関税やトランプ大統領の意向が強く働いているものと思いますが、TSMCはIntelの救世主になることを承諾したようですね。
そうでなければ山師の世界である半導体製造において、Intelがつぶれるのを待って安値で買い叩くでしょう。
台湾とアメリカの関係性によってそうはならなくなってしまいました。
Intelはまっとうな競争が行われてきたときにはTSMCには地政学的リスクがあるからうちで生産しろとアビールしていました。
TSMCはこれに激怒してIntleから受注した製品の価格優遇を辞めました。
憤懣やるかたないという話なのでしょうが、そのIntelを救わざるを得ない状況になったのはどんな気持ちでしょうか。
かなりストレスマッハなのでしょうね。
さて、Intelは新CEOを迎えたわけですが、ファウンドリ事業を回復させることができるでしょうか?
Intel18Aになした投資額を考えると、失敗すると売却は避けられないと思います。
今のところ2nmはTSMC、Intel、日本のラピダスがあるわけですが、残念ながらこの話によってラビダスが最も不利な立場になってしまったことは確かでしょう。