マイクロソフト、HP、デルは、ドナルド・トランプ次期大統領の誕生に伴う「関税の層」に備えるため、サプライヤーに生産のスピードアップを要求している。
米国の大手企業は現在、トランプ政権が「敵対的」とみなす国から離れ、生産移転に注力している。
さて、ホワイトハウスの政権交代に伴い、テック業界は劇的な政策修正を目の当たりにすることになりそうだ。
「トランプ時代」は厳しい関税の賦課とともに到来し、サプライチェーンに劇的な影響を及ぼす可能性が高いからだ。
ご存じない方のために説明しておくと、ドナルド・トランプはメキシコ、台湾、中国などの国からの輸出品に関税をかける計画を持っており、すべての製品に最大25%の関税をかける。
日経アジアが新たに報じたところによると、大手ハイテク企業、特にマイクロソフト、HP、デルは、追加コストの支払いを防ぐため、部品の「備蓄」を進めているようだ。
同レポートによると、マイクロソフトはサプライヤーに対し、主にクラウドベースの製品の生産スピードを上げるよう要請しており、これとともにサプライヤーに対し、関税賦課を受ける国から移転するよう要請しているという。
マイクロソフトだけでなく、2大PCメーカーであるHPとデルも、それぞれのサプライヤーに今後数ヶ月の間に生産をスピードアップするよう進言しており、両社とも中国サプライヤーへの依存度を減らし、最終的に関税が会社全体の収益に大きな影響を与えないようにする計画を策定している。
ここでの計画は、関税政策が差し迫っているようなので、生産設備を新しい国に移転することだ。
以前、CTAが発表したレポートによると、関税の発動は家電製品の価格高騰につながる可能性があり、主に携帯電話、ノートパソコン、タブレット端末、コネクテッド・デバイス、ゲーム機、コンピューター・アクセサリーに影響が及ぶという。以下はその調査結果である:
この関税措置により、米国の消費者は軒並み大幅な値上げを強いられることになる:
- ノートパソコンとタブレット 46
- ビデオゲーム機 40
- スマートフォン 26
また、中国からの全輸入品に対する一律60%の関税は、実質的に生産拠点を米国ではなく他国に移すことになる。
– CTA
トランプ大統領には関税政策に賛成する主張があるかもしれないが、消費者の関心が市場から遠ざかり、米国企業の収益が減少する可能性があることは間違いない。
この関税政策が発動された後、市場がどのような影響を受けるのか、しばらく様子を見る必要があるだろう。
ソース:wccftech –
解説:
ついにやってきた関税大魔王「トランプ」の時代
トランプ大統領はアメリカから雇用を奪った「敵対的国家」に対して最低25%の関税を課すと言っており、さながら関税大魔王の趣です。
アメリカのPCサプライヤーも大部分は中国生産であり、今後はトランプが標的としない国家に生産拠点を移転するかアメリカ国内に回帰することになるでしょう。
当然アメリカ国内での価格は高止まりしますので、インフレが加速するのではないかともいわれています。
日本の自動車もほとんどがアメリカ国内に工場を作っていますが、今後は儲けた金をさらにアメリカに再投資することになるのではないかといわれています。
日本は原発を止めてからずっと貿易赤字に悩まされてきていますが、トランプ関税政策でそれが加速するのではないかともいわれています。
そうなると日本円の価値が下がり、通貨防衛のためにアメリカ国債を売って、そうなるとアメリカの金利が上がってしまい。経済に悪影響が出るのではないかといわれています。
ちなみに中国もアメリカ国債を放出しています。
いずれにしても生産拠点が海外に移ったのは時代の流れだったのだと思いますが、時代に逆行するかのような政策がきちんと機能するのかどうかは興味深いところです。
「勝者なき戦争」にならなければよいですが。