※ 2024/11/11 この件について記事の末尾の解説に補足がありますので、必ずお読みになることをお勧めします。
アップルが新たに発表したM4 Maxのベンチマークが Geekbenchで公開され始めた。当然のことながら、アップルは性能の王座を維持し、最速のチップとしてGeekbenchの舵を取った。マルチコアのパフォーマンスでさえ、インテルやAMDの最新製品を凌駕している。
テストベンチには、M4 Maxを搭載した新しい16インチMacBook Proが設置されている。
アップルの最新設計により、M4 Maxはベンチマークでシングルコア・テストで4,060ポイント、マルチコア・テストで26,675ポイントを獲得しました。
M3 Maxの結果はGeekbench 6データベースから取得したもので、残りの結果はプロセッサのレビューから取得したものです。
M4 MaxはGeekbench 6でシングルコアの王座を確保した。
このチップは、シングルコア性能で昨年のM3 Maxより約30%、マルチコア性能で27%高速だった。
x86では、AMDとインテルは対照的だ。M4 Maxは、インテルのCore Ultra 9 285Kをシングルコアで約19%、マルチコアで約16%上回るパワーを発揮し、マルチコアでも僅かなパワーで手堅く持ちこたえている。
Ryzen 9 9950Xと比較すると、M4 Maxはシングルコアで18%、マルチコアで25%高いパフォーマンスを示した。
プロセッサー | シングルコア スコア |
マルチコア スコア |
M4 Max | 4,060 | 26,675 |
Ryzen 9 9950X |
3,434 | 21,399 |
Core Ultra 9 285K |
3,422 | 22,954 |
M3 Max (16 CPUコア) |
3,128 | 20,928 |
M4 Maxは、データサイエンティスト、3Dアーティスト、専門家をターゲットとしたアップルのフラッグシップSoCである。
最上位の構成は、16個のCPUコア(12個のパフォーマンスと4個の効率的なCPUコア)と40個のGPUコアを搭載し、CPUとGPUの両方からアクセス可能な最大128GBのユニファイドメモリを搭載している。
アップルはまた、新しいMacBook ProラインアップにThunderbolt 5をサポートし、最大120Gb/秒の速度を実現しました。
アップルの新しいM4ラインアップは、インテル、AMD、クアルコムによる最新のAI PCの波にしっかりと対応するものだ。
性能の見通しは素晴らしいが、アップルは常に製品にプレミアムを課してきたため、価格設定には懸念が残る。問題のフルファットM4 Max構成では、3,999ドルになる。コンテンツ制作者や生産性重視のユーザーは、この価格帯の専用グラフィックス・ソリューションを搭載したノートパソコンに目を向けるかもしれない。
Geekbenchはチップを比較するのに最適なベンチマークではない。したがって、CinebenchやHandBrakeのようなものでM4 Maxがどのようなパフォーマンスを示すか、アップルの最新チップがまだ競合を凌駕しているかどうかを見るのは興味深い。
M4 Maxを搭載したMacBook Pro 2024は11月8日に出荷が開始される予定なので、M4 Maxの実力がすぐにわかるだろう。
解説:
※ 重要 補足します。
Geekbench6.3からSME命令に対応しているとその分スコアが加算されるようになりました。
SME命令に対応していない場合、Geekbench6.2以前と同じスコアになります。
現状SME命令はM4シリーズとA18シリーズしか対応しておらず、Geekbench6.3はAppleシリコンに有利な結果が出るということのようです。
何をもって性能とするか?に関しては諸説あるところだと思いますが、純粋にクロスプラットフォームでスコアを比較したい場合、特殊な命令に対応していないとスコアが下がるのでは困るという人が多いと思います。
現状ではAppleシリコンとその他のCPUをGeekbench6.3以降で比較するとAppleシリコンに有利な結果が出るということは覚えておいてください。
「SME命令は行列処理を効率化し、スループットを大幅に向上させられるため、機械学習などの用途で利用した場合に効果がある。」とのこと。
Geekbench6.3の結果を有意とするかどうかはテストケースにおいてこの命令があった方が良いかどうかが左右すると思います。
AppleのM4 MaxのGeekbenchスコア
シングルコアスコアで4000越え、26000越えでRyzen 9 9950XにもCore Ultra 9 285Kにも差をつけて勝っているようです。
鳴り物入りで登場したAppleシリコンですが、ついにここまでx86を追い詰め目るようになったかという感じです。
これを見ると、結局重要なのは最新の製造プロセスを使うことなのだなあと改めて思います。
ただし、M4の場合、製造プロセスはlunar LakeやArrow Lakeと同じTSMC3nmであり、この結果から判断すると、Appleの設計能力とARMのアーキテクチャー、いずれかもしくは両方がx86より優れているということになります。
マイクロソフトもWindowsPCのARM化に熱心ですが、このような結果が出ると先見の明があったと言わざるを得ないです。
一番痛いのはM4 MaxはノートPC用のプロセッサであり、デスクトップで無制限ともいえるTDPを使ってこの性能を実現しているわけではないということです。
来年のA19/M5はTSMC2nmを使い、革新的な性能向上を果たすともいわれており、PCの世界ではすっかりAppleが世界一のプロセッサメーカーとなってしまった感じがあります。
x86とARM、どちらが優れているとはいいませんが、最新の製造プロセスを金の力を使って惜しげもなく利用できる体制を整えているところは昔のIntel黄金期の勝ちパターンと同じで、Appleの凄みが増してきたなと思います。
今まで何度も書いていますが、わたくしはAppleの製品は好きではないです。
しかし、A18/M4といったプロセッサ製品はPCのARM化を進めたという点で非常に優れた製品だと思います。
さて、x86はPantherLakeで逆転できるのか?それともこのまま、CPUのパフォーマンスキングはAppleシリコンという評価を定着させてしまうのか?気になるところです。
最新の製造プロセスを使うのが難しいAMDとQualcommはこの争いには入っていけないと思いますので、IntelがかなわなければWindows勢はAppleの後塵を拝しているという評価が定着してしまうかもしれませんね。
性能評価をiGPU込みではなく、CPUのみにするのは正解だと思います。