インテルの次世代CPU「Panther Lake 「Core Ultra 300」」は、NPU5として知られる刷新されたNPUアーキテクチャを搭載する予定だ。
インテル、次世代AIコア「NPU5」を搭載したPanther Lake「Core Ultra 300」SoCのAI性能に全力投球の見通し
NPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)は、特にインテルのMeteor Lake CPUなどのプロセッサーへの統合により、AI市場を席巻している。
このタイルを通じて、チーム・ブルーはプロセッサーに膨大なAI演算能力を搭載することに成功し、最終的にはすべての対応デバイスでエッジAIを実現することになった。
現在、インテルは事態をさらに前進させる計画のようで、Phoronixによると、チーム・ブルーの次期 「Panther Lake 」SoCが、NPU5とも呼ばれる新しい第5世代NPUを搭載することが、最初のLinuxパッチで明らかになったという。
興味深いことに、このパッチでは第5世代NPUに期待される性能についてはあまり触れられていないが、ドライバのコードパスは前世代のNPUに搭載されていたものとほぼ同様であるため、初期の「NPU5」サポートには数行のコードしか必要ないと言われている。
インテルの現世代のNPUは、Meteor LakeのNPU3が11.5 TOPsを提供するのに対して、Lunar LakeのNPU4は48 TOPsのピークAI演算を提供するなど、性能が大きく異なっている。
NPU3とNPU4で驚異的な世代交代が見られたことから、インテルはPanther LakeとそのAI機能で大きな成果を上げることが期待される。
Panther Lakeについて簡単に説明すると、「Core Ultra 300」SKUにはCougar Cove PコアとSkymont Eコアが搭載され、搭載されるiGPUには、Battlemageの後継となるコードネーム「Celestial」と呼ばれるXe3という形で、3回目の主要なXeアーキテクチャのアップデートが行われるようだ。
これまでの噂に基づくと、Panther LakeのSoCの可能性は以下のようになる:
- PTL-H SKU #1: 4 Pコア + 8 Eコア + 0 LP-Eコア + 4 Xe3コア(45W)
- PTL-H SKU #2:4個のPコア+8個のEコア+4個のLP-Eコア+12個のXe3コア(25W)
- PTL-H SKU #3: 4 Pコア + 8 Eコア + 4 LP-Eコア + 4 Xe3コア (25W)
- PTL-U SKU #1: 4 Pコア + 0 Eコア + 4 LP-Eコア + 4 Xe3コア (15W)
インテルが最新のLunar Lake SKUで成功を収めたことを考えると、Panther Lakeがより高性能で、先進的なアーキテクチャと、より高いAI性能を特徴とすることは間違いない。
Panther Lakeがモバイル市場に何をもたらすのか興味深いところだが、発売は2025年後半と予想されており、まだ先の話だ。
インテル モバイルCPUラインナップ:
CPUファミリー | Panther Lake | Lunar Lake | Arrow Lake | Meteor Lake | Raptor Lake | Alder Lake |
製造プロセス (CPU タイル) |
Intel 18A | TSMC N3B | Intel 20A TSMC N3B |
Intel 4 | Intel 7 | Intel 7 |
製造プロセス (GPU タイル) |
TSMC 3/2nm? | TSMC N3B | TSMC N4? | TSMC 5nm | Intel 7 | Intel 7 |
CPU アーキテクチャー |
ハイブリッド | ハイブリッド (2種コア) |
ハイブリッド (3種コア) |
ハイブリッド (3種コア) |
ハイブリッド (2種コア) |
ハイブリッド (2種コア) |
Pコア アーキテクチャー |
Cougar Cove | Lion Cove | Lion Cove | Redwood Cove | Raptor Cove | Golden Cove |
Eコア アーキテクチャー |
Skymont? | N/A | Skymont | Crestmont | Gracemont | Gracemont |
LP Eコア アーキテクチャー (SOC) |
Skymont? | Skymont | Crestmont | Crestmont | N/A | N/A |
最大構成 | 6+8 (Hシリーズ) |
4+4 (MXシリーズ) |
6+8 (Hシリーズ) 2+8 (Uシリーズ) |
6+8 (Hシリーズ) 2+8 (Uシリーズ) |
6+8 (Hシリーズ) 8+16 (HXシリーズ) |
6+8 (Hシリーズ) 8+8 (HXシリーズ) |
Max Cores / Threads | 未定 | 8/8 | 14/14 | 14/20 | 14/20 | 14/20 |
AI NPU | NPU5 (TOPS未定) |
NPU4 (48 TOPS) |
NPU3.5 (未定) |
NPU3 (11 TOPS) |
NPU2 (7 TOPS) |
NPU2 (7 TOPS) |
計画された ラインナップ |
Core Ultra 300 | Core Ultra 200V | Core Ultra 200 | Core Ultra 100 | 第13・14世代 | 第12世代 |
GPU アーキテクチャー |
Xe3-LPG (Celestial) |
Xe2-LPG (Battlemage) |
Xe-LPG+ (Alchemist) |
Xe-LPG (Alchemist) |
Iris Xe (12世代) |
Iris Xe (12世代) |
Xe コア数 (最大) |
12 Xe3 Cores | 8 Xe2 Cores | 8 Xe Cores | 8 Xe Cores | 96 EUs (768 Cores) | 96 EUs (768 Cores) |
サポートメモリ | 未定 | LPDDR5X-8533 | DDR5-5600 LPDDR5-7500 LPDDR5X-8533 |
DDR5-5600 LPDDR5-7400 LPDDR5X – 7400+ |
DDR5-5200 LPDDR5-5200 LPDDR5-6400 |
DDR5-4800 LPDDR5-5200 LPDDR5X-4267 |
メモリ容量 (最大) |
未定 | 32 GB | 128 GB | 96 GB | 64 GB | 64 GB |
Thunderbolt ポート数 |
未定 | 未定 | 未定 | 4 (TB4) | 4 (TB4) | 4 (TB4) |
WiFi 世代 | 未定 | WiFi 7 | 未定 | WiFi 6E | WiFi 6E | WiFi 6E |
TDP | 未定 | 17-30W | 未定 | 7W-45W | 15-55W | 15-55W |
発売時期 | 2025H2 | 2024H2 | 2024H2 | 2023H2 | 2023H1 | 2022H1 |
解説:
Panther LakeはNPU5を搭載する
Intelのモバイル向けCPU Panther Lakeに搭載されるNPUはLunar Lakeよりさらに強化されるようです。
最後の表を見て思ったのはAlder LakeにもNPUが搭載されていたことですね。
ちょっと驚きました。
性能としては大したことがありませんが、こんな昔からNPUを搭載していたのは恐れ入ります。
さて、製品のラインナップとしてみると、2024年は
- Lunar Lake(モバイル)
- Arrow Lake(ノートPC、デスクトップ)
このようになるわけですが、2025年のPanther Lakeの世代からは
- Panther Lake(ノートPC)
- Arrow Lake Reflesh(キャンセル・デスクトップ)
ということになります。
Arrow Lakeは競合企業の製品に対して、来年も現役で戦えるという判断なのでしょう。
一方のAMDもノートPC製品に力を入れており、デスクトップ製品は従来からのラインナップを続けています。
新しい技術を積極的に入れるのはノートPC向けのAPUだけとなっており、Intelと同様の傾向になっています。
また、Lunar Lakeの後景が出ないような印象をうけますが、Panther Lakeのモデルの一部にオンパッケージのメモリを積んだ製品がラインナップされる可能性もあるのではないでしょうか。
少なくともネットの情報ではそのように予測しているものもあります。
いずれにしてもここからわかるのはもうデスクトップには力を入れてないということです。
ARM版Windowsが出て、ARMからWindowsノートPC市場に殴り込みをかけてきていますので、そこまで手が回らないというのが本音なのかもしれません。
Alder Lake、Raptor Lakeまでは同じアーキテクチャーを規模を変えてノートPCとデスクトップに投入していたわけですが、近年、モバイルとデスクトップに分けてアーキテクチャーを投入するようになっています。
今後もこの傾向は強くなっていく一方なのでしょう。
来年以降、ARMでWindowsに投入される製品がどの程度になるのかですね。
とりあえずNVIDIAはARM版WindowsノートPC向けの製品を投入します。
Samsungも独自の高性能SoCを持っていますので、この辺りがどうなるのかは気になるところです。
また、一方でAMDもARM SoCを準備しているという話がありましたが、こちらはSurfaceの採用を目指していました。
来年はノートPC向けAI PC市場が面白いことになると思います。