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AMD Ryzen AI 7 PRO 360は、Radeon 880M iGPUを搭載した初の8コアStrix APUです。

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AMD Ryzen AI 7 PRO 360は、3つのZen 5コア、5つのZen 5Cコア、およびRadeon 880M iGPUを搭載する初の8コア「Strix」APUとなる。

AMD Ryzen AI 7 PRO 360 APUがGeekbenchに登場、8つの「Zen 5」コアとRadeon 880M iGPUを搭載

AMD Ryzen AI 7 PRO 360の存在が確実となったことで、AMDのStrixポイントはいくつかのSKUだけで終わりません。

数日前、Lenovoが次期Ryzen AI 300 PROチップの1つを搭載したCopilot+認定PCを準備していることをお伝えしたが、本日その1つをGeekbenchで発見した。

Olrak29_(Everest)氏のおかげで、GeekbenchでAMD Ryzen AI 7 PRO 360 APUの性能数値が発見された。

記載されている仕様から、このプロセッサーは「AMD KoratPlus-STXKRK」と呼ばれる新しいプラットフォームで使用されているようだ。

この名称を考えてみると、「STX」は「Strix Point」を、「KRK」は「Krackan Point」を表している可能性が高い。

Krackan PointはStrix Pointの亜種で、メインストリームセグメントをターゲットにしている。

既報の通り、このAMD Ryzen AI PRO 360は次期レノボのノートパソコンに採用される予定だ。

スペックにあるように、Ryzen AI PRO 360は8コア16スレッドのプロセッサーで、ベース周波数は2.00GHz。

iGPUはRDNA 3.5ベースのグラフィックスであるRadeon 880Mで、12個のCompute Unitで構成される。

したがって、AMD Ryzen AI PRO 360 APUはStrix Pointファミリーの一部であり、Krackan Pointは8 CUの統合グラフィックスを搭載すると考えられる。

Krackan Pointは低消費電力で手頃な価格のモバイルCPUシリーズで、2025年初期シリーズ向け、Strix Pointはプレミアムモバイルセグメント向けとなる。

これまで、AMD Strix Point APUは主にゲーミングノートPCに搭載されてきた。

しかし現在、AOOSTARやBeelinkなど数社がRyzen AI 300 APUを搭載したミニPCを発表し始めている。

Ryzen AI 7 PRO 360は、3x Zen 5 + 5x Zen 5Cコアを使用するエントリークラスの構成で、Ryzen AI 7 365プロセッサの4x Zen 5 + 6x Zen 5cコアよりも少ない。

AMD Ryzen AI 7 PRO 360とRyzen AI 7 365の性能を比較すると、後者の方がコア数が多いため、性能が大幅に向上している。

しかし、両CPUは同じRadeon 880Mグラフィックスを搭載しているため、グラフィック性能は同程度となる可能性がある。

とはいえ、AMDは10月10日にRyzen AI 300 PROチップを発表し、Strix Haloは来年のCESで公開すると予想されている。

AMD Ryzen AI 「HX」 APU:

CPU 名 アーキテクチャー コア数/
スレッド数
クロック
(最大)
キャッシュ
(合計)
AI 性能 iGPU TDP
Ryzen AI
9 HX 375
Zen 5 / Zen 5C 12/24 2.0 / 5.1 GHz 36 MB /
24 MB L3
85 AI TOPs
(55 TOPS NPU)
Radeon 890M
(16 CU
@ 2.9 GHz)
28W
(cTDP 15-54W)
Ryzen AI
9 HX 370
Zen 5 / Zen 5C 12/24 2.0 / 5.1 GHz 36 MB /
24 MB L3
80 AI TOPs
(50 TOPS NPU)
Radeon 890M
(16 CU
@ 2.9 GHz)
28W
(cTDP 15-54W)
Ryzen AI
9 HX PRO 370
Zen 5 / Zen 5C 12/24 2.0 / 5.1 GHz 36 MB /
24 MB L3
80 AI TOPs
(50 TOPS NPU)
Radeon 890M
(16 CU
@ 2.9 GHz)
28W
(cTDP 15-54W)
Ryzen AI
7 365
Zen 5 / Zen 5C 10/20 2.0 / 5.0 GHz 30 MB /
20 MB L3
80 AI TOPs
(50 TOPS NPU)
Radeon 880M
(12 CU
@ 2.9 GHz)
28W
(cTDP 15-54W)
Ryzen AI
7 PRO 360
Zen 5 / Zen 5C 8/16 2.0 / 5.0 GHz 24 MB /
16 MB L3
未定 Radeon 880M
(12 CU
@ 未定 GHz)
28W
(cTDP 15-54W)
Ryzen AI
7 HX 350?
Zen 5 / Zen 5C 8/16 未定 24 MB /
16 MB L3
未定 未定 28W
(cTDP 15-54W)
Ryzen A
5 HX 330?
Zen 5 / Zen 5C 6/12 未定 20 MB /
12 MB L3
未定 未定 28W
(cTDP 15-54W)

ソース:wccftech – AMD Ryzen AI 7 PRO 360 Is The First 8-Core Strix APU With Radeon 880M iGPU

 

 

 

 

 

解説:

AMD Ryzen AI 7 PRO 360のベンチマークがGeekbenchに登場し、詳細なスペックが確認される

来年発売予定のKrackan Pointとよく似ていますので、表にまとめてみました。

AMD Ryzen AI 7 PRO 360 VS Krackan Point

CPU 名 アーキテクチャー コア数/
スレッド数
クロック
(最大)
キャッシュ
(合計)
AI 性能 iGPU TDP
Ryzen AI
7 PRO 360
Zen 5 x3
Zen 5Cx5
8/16 2.0 / 5.0 GHz 24 MB /
16 MB L3
未定 Radeon 880M
(12 CU
@ 未定 GHz)
28W
(cTDP 15-54W)
不明
Krackan Point
Zen5x8 8/16 未定 不明
32MB L3?
未定 8CU
512SP
不明
15-45W?

上の表を見ると、同じ8コア16スレッドでも基本的にAMD Ryzen AI 7 PRO 360の方が優れていると考えた方がよさそうです。

同じTDPセグメントながら、AMD Ryzen AI 7 PRO 360はハイブリッドですから、同じTDP内でより高い性能を引き出すことができるでしょう。

また、iGPUの性能もAMD Ryzen AI 7 PRO 360のほうが上です。

NPUに至っては搭載されるのかどうかの情報がまだありませんので、Copilot+への対応も未知数ということになります。

高性能なモデルが欲しい方はAMD Ryzen AI 7 PRO 360を選んでおけば間違いなく、安価なモデルが欲しい方はKrackan Pointまで待った方が良いということになります。

 

iGPUのスペックは差がついているが・・・・。

Ryzen Z1/Extremeでは768SP(Extreme)と256SP(無印)とSP数で3倍の差がついていましたが、性能は60%程をマークしていました。

このことから768SPと512SPで結構な差がついているように見えますが、ゲーム性能はあまり変わらないのではないかと思います。

世代ごとにモデルが増え、多様なニーズに対応してくるノートPC向けAPUと16コア32スレッドから旧態依然のラインナップを繰り返すデスクトップCPUと結構な差がついてしまっている形です。

この状況はZen5世代でかなり大きくなってきています。

どちらに未来があるのかといえば、APUの方でしょう。

そろそろデスクトップCPUの方にもラインナップのテコ入れを期待したいところです。

 

 

 

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