AMDは、次世代Zen 6 RyzenおよびEPYC CPUにopenSILオープンソースファームウェアを実装し、より優れた透明性、セキュリティ、および開発を実現する計画を明らかにした。
AMD openSILは2025年から2026年の間にAGESAを置き換えるdyを量産する予定であり、Zen 6 RyzenとEPYCのリリースに間に合う予定である。
2023年に発表されたAMDのopenSILプロジェクトは現在順調に進んでおり、AMDの将来のプロセッサに間に合いそうだ。
ドイツで開催されたOpen-Source Firmware Conferenceで、AMDはopenSILプロジェクトの進捗状況を明らかにし、ファームウェアが2025-2026年内に製品化できるようになることを示した。
openSILは2023年6月にオープンソース化され、今後数年間でクライアント・サーバー両プロセッサにおいてAMDのAGESAを完全に引き継ぐと予想されている。
このプロジェクトの進捗はほぼ予定通りに進んでいるようで、OFSC 2024でAMDが共有したスライドによれば、Zen 6コア・アーキテクチャをベースとする第6世代AMD EPYC「Venice」とRyzenプロセッサには、このファームウェアが量産レベルで搭載される予定だ。
さらに、AMDは将来のプログラムについても計画を持っており、ハードウェアが発売された1四半期後に、より新しいプラットフォーム向けにopenSILコードをリリースすることができる。
情報によると、AMDはすでに同社のマザーボードの1つに実験的な移植を実施しており、Zen 6プロセッサの発売により、当初はAGESA-v10ファームウェアとともにopenSILが使用される。
AGESAは最終的にはまもなく完全にopenSILに置き換えられるが、Zen 6は依然としてx86以前のPlatform Security Processorバイナリに依存する。
AGESAはZen 7 CPUが登場する頃には完全に廃止され、AMDは同じくオープンソースのファームウェア・プロジェクトであるCorebootのサポートを強化し、Tianocoreへの貢献も増やしていくと予想されている。
オープンソース・ファームウェアへの移行により、AMDの独自コードへの依存は減少し、コミュニティの参加により、openSILファームウェアは、より良いファームウェアの開発へのコミュニティの協力と貢献を可能にする。
これは、AMDの次世代CPUの全体的な透明性、革新性、安全性を高めるだけでなく、将来的に他のハードウェアメーカーがオープンソースファームウェアを採用することにもつながる可能性がある。
現在、AMDは、サウンド・オープン・ファームウェア、セキュアな暗号化仮想化ファームウェア、openBMC(ベースボード管理コントローラ・ソフトウェア)など、さまざまな製品ラインのオープンソース・ソリューションの開発に積極的に取り組んでいる。
AMD Zen CPU / APUロードマップ:
Zen アーキテクチャー |
Zen 7 | Zen 6C | Zen 6 | Zen 5 (C) | Zen 4 (C) | Zen 3+ | Zen 3 | Zen 2 | Zen+ | Zen 1 |
コア コードネーム |
未公表 | Monarch | Morpheus | Nirvana (Zen 5) Prometheus (Zen 5C) |
Persphone (Zen 4) Dionysus (Zen 4C) |
Warhol | Cerebrus | Valhalla | Zen+ | Zen |
CCD コードネーム |
未公表 | 未公表 | 未公表 | Eldora | Durango | 未定 | Brekenridge | Aspen Highlands | N/A | N/A |
製造プロセス | 未公表 | 3nm/2nm? | 3nm/2nm? | 3nm | 4nm | 6nm | 7nm | 7nm | 12nm | 14nm |
サーバー | 未公表 | 未公表 | EPYC Venice (第6世代) | EPYC Turin (第5世代) | EPYC Genoa (第4世代) EPYC Siena (第4世代) EPYC Bergamo (第4世代) |
N/A | EPYC Milan (第3世代) |
EPYC Rome (第2世代) |
N/A | EPYC Naples (第1世代) |
ハイエンド デスクトップ |
未公表 | 未公表 | 未公表 | Ryzen Threadripper 9000 (Shamida Peak) |
Ryzen Threadripper 7000 (Storm Peak) |
N/A | Ryzen Threadripper 5000 (Chagal) |
Ryzen Threadripper 3000 (Castle Peak) |
Ryzen Threadripper 2000 (Coflax) |
Ryzen Threadripper 1000 (White Haven) |
メインストリーム デスクトップ |
未公表 | 未公表 | Ryzen **** (Medusa) | Ryzen 9000 (Granite Ridge) | Ryzen 7000 (Raphael) |
Ryzen 6000 (Warhol / キャンセル済) |
Ryzen 5000 (Vermeer) | Ryzen 3000 (Matisse) | Ryzen 2000 (Pinnacle Ridge) |
Ryzen 1000 (Summit Ridge) |
メインストリーム デスクトップ ノートPC APU |
未公表 | 未公表 | Ryzen AI 400 (Sound Wave) |
Ryzen AI 300 (Strix Point) Ryzen *** (Krackan Point) |
Ryzen 7000 (Phoenix) |
Ryzen 6000 (Rembrandt) |
Ryzen 5000 (Cezanne) Ryzen 6000 (Barcelo) |
Ryzen 4000 (Renoir) Ryzen 5000 (Lucienne) |
Ryzen 3000 (Picasso) |
Ryzen 2000 (Raven Ridge) |
低電圧モバイル | 未公表 | 未公表 | 未公表 | Ryzen *** (Escher) |
Ryzen 7000 (Mendocino) |
未公表 | 未公表 | Ryzen 5000 (Van Gogh) Ryzen 6000 (Dragon Crest) |
N/A | N/A |
解説:
AGSEAからopenSILに置き換え準備中
AGSEAはAIB各社のBIOSの元になるソフトウェアですが、こちらをオープンソースのopenSILに置き換える準備をしているようです。
Linux BIOSともいわれるCorebootのサポートも強化するようですね。
これ自体は良いことだと思います。
さて、元記事の一覧表を見てみましょう。
Sound Waveは例外的にARMでZen6自体はx86になる模様
Sound WaveまでZen6の情報というのはしばらくなかったのですが、Zen6のAPU以外のラインナップはx86になるようですね。
x86のAPUが出るのかどうかは不明ですすし、Sound Waveがまだ生きているのかどうかも不明です。
AMDはSound WaveでSurfaceへの採用を目指していたようですが、残念ながらSurfaceはNVIDIA SoCが内定したというリークが出ていましたので、現在のSound Waveがどうなったのかは不明です。
このままSound Waveをキャンセルし完全にx86陣営として製品を出し続けるのか、APUだけでもARMの製品を出すのか。
Copilot+のPCはまだ高止まりしていますので売れ行きはそれほど良くないといわれています。
来年NVIDIAのSoCを搭載した製品が発売されますから、それがどのような売れ行きになるのかである程度見通しが立つのではないかと思います。
仕様は以前の記事でお伝えしましたが、AI性能を大きなウリにして、おそらくはAppleをしのぐプレミア製品を目指すのだと思います。
それがどのくらい売れるのかといったところでしょう。
AppleはARM Macで現在までに15%を超える市場シェアを獲得しました。
今後どのような変化をもたらすのかは注視していきます。