Intelの次世代CPU「Arrow Lake」は、「Raptor Lake」よりも強力なパフォーマンスアップを特徴としながら、消費電力が少なく、不安定性の問題もない。
Intelは、Raptor Lake CPUのマイクロコードBIOSアップデートはオーバークロックとパフォーマンスに影響しないと発表、Arrow Lake「Core Ultra 200」CPUは強力なパフォーマンスと低消費電力を提供する。
Intelはまた、中国でのイベントで、Raptor LakeとArrow Lakeの両CPUをカバーするコンシューマー向けデスクトップCPUファミリーの最新情報を提供した。
Intelはまず、第14世代と第13世代のRaptor Lake CPUに影響を及ぼしている不安定性の問題にどのように対処しているかを強調している。
同社はすでに、電圧上昇の問題(根本的な原因ではない)を解決するマイクロコードBIOSアップデートを発表しており、また第14世代と第13世代のCPUの保証期間を2年延長する予定だ。
同社は、マイクロコードBIOSアップデートの変更点を強調し、新しいパッチはターボ周波数動作に影響を与えず、CPUは記載されたスペックまでブーストできるとしている。
オーバークロック機能も変わらず、全体的な性能はIntelのベースライン性能テストに近くなるはずだ。
Intel・ベースライン・プロファイル」は、ゲームでは最大15%パフォーマンスに影響することがあるが、アプリケーションによっては平均5%近くになることもある。
以下は、Intelがスライドで述べている内容である:
性能保証 更新パッチはターボ周波数機能に影響を与えず、Kシリーズのオーバークロック機能を保持します。
延長保証 第13/14世代i5K/KFおよびそれ以上のプロセッサーのユーザーには、Intel Backedの2年間延長保証が提供されます。
お使いのホストが第13/14世代Coreデスクトッププロセッサを搭載している場合、できるだけ早く最新バージョンのBIOSにアップデートしてください。それでも安定性の問題が発生する場合
- 箱入りのプロセッサー(BOX)を購入したユーザー: Intelカスタマーサポートにお問い合わせください。
- バルクプロセッサー(Tray)をご購入のお客様: 購入先にお問い合わせください。
- OEM(相手先ブランド製品製造)/SI(システムインテグレーター)ブランドの完成品マシンのユーザー:システムメーカーのサポートチームにお問い合わせください。
微博より
しかし、IntelはRaptor Lakeのラインナップの話を終わらせることなく、次世代Arrow Lake「Core Ultra 200」デスクトップCPUのティーザーを提供し続けた。
同社はCPU性能の数値はまだ披露しなかったが、Arrow Lakeの性能は非常に強力で、チップの消費電力も「少なくとも」100ワット削減されると述べた。
この追加電力と不均衡な電圧により、ユーザーは不安定性の問題に悩まされることになった。
これはまた、いくつかの第14世代と第13世代のCPUが永久に劣化し、RMAプロセスを通じて交換することが唯一の解決策となっている理由でもある。
不安定性に関して、Intelはまた、新しいプロセスは電圧の問題をすべて取り除き、周波数は高いままであると述べている。
フラッグシップのCore Ultra 9 285Kでは、最大5.7GHzの噂がある。
同社はまた、Arrow Lakeの安定性を保証するとも伝えており、Arrow Lakeには第13世代と第14世代のチップのような欠陥はないようだ。
本日のIntel×ASUSカンファレンスの内容はざっくりと
新世代CPUの消費電力は前年比で少なくとも100W下がり、メイン周波数は高いまま。プロセス更新後、以前の過電圧問題は発生せず、安定性が保証される。
BIOSを更新しても、ターボ周波数の能力には影響せず、Intelの公称性能を達成することができます。箱入りのCPUは、オリジナルの3年保証をベースに2年間延長されます。
新世代の性能は当分の間秘密にされるが、間違いなく熾烈だ。
Intelの新しいWitchシリーズのグラフィックカードは年末にリリースされ、性能は大幅に向上する。
ASUSのマザーボードは凄い!今後はAYWシリーズに注力すればいい微博より
COMPUTEX2024では、IntelのArrow LakeデスクトップCPUは消費電力が少ないという同様の噂も耳にした。
2024年10月に発売が予定されていると報じられており、Intelは、不安定性の問題で多くの影響を受けている顧客からの信頼を保証するために、約束を果たす必要がありそうだ。
Intel Arrow Lake-SデスクトップCPUラインナップ(暫定版):
CPU 名 | アーキテクチャー (P/E) |
コア数/ スレッド数 |
Pコア ブースト / 全コア |
Eコア ブースト | キャッシュ (L3) |
TDP (PL1) |
Core Ultra 9 285K |
Lion Cove / Skymont |
24/24 | 5.7 / 5.4 GHz | 4.6 GHz | 36 MB | 125W |
Core Ultra 7 265K |
Lion Cove / Skymont |
20/20 | 5.5 / 5.2 GHz | 4.6 GHz | 33 MB | 125W |
Core Ultra 5 245K |
Lion Cove / Skymont |
14/14 | 5.0 / 5.2 GHz | 4.6 GHz | 24 MB | 125W |
Core Ultra 9 275 |
Lion Cove / Skymont |
未定 | 未定 | 未定 | 未定 | 65W? |
Core Ultra 7 255 |
Lion Cove / Skymont |
20/20? | 未定 | 未定 | 未定 | 65W? |
Core Ultra 5 240 |
Lion Cove / Skymont |
10/10? | 未定 | 未定 | 未定 | 65W? |
解説:
海外ではArrow Lakeは売れないといわれていましたが、さっそくIntelが手を打ってきたようです。
中国でのイベントで、Raptor LakeとArrow Lakeの両CPUをカバーするコンシューマー向けデスクトップCPUファミリーの最新情報を提供したようで、その場で様々な情報を発信したようですね。
Arrow LakeではRaptor Lake / Refleshのような問題は発生しないとされています。
完全に考え方が甘っちょろいIntelのマーケティング
このような情報を発信されても私が企業の担当ならば、Arrow Lakeを購入するかと言ったらしません。
Raptor Lake / Refleshという前例があるにも関わらず、自分の社内での評判や出世をかけて、Arrow Lakeの購入を主張するほどIntelに義理もなければ、こだわりもないからです。
一般個人に比べると企業の担当者は保守的で、前例を踏襲することを好みます。
何か例外的なトラブルがあると責任問題に発展し、トラブルの解決のために多くのリソースを割かざるを得ないからです。
リソースを割くということは労働力を投入するということで、コストがかかるということにほかなりません。
イコール金です。
そんなことに金を使うくらいならトラブルが起きてない他社の製品を買って一世代くらい様子を見たほうがマシです。
Intelの提供するソフトウェア環境がないと成立しない用途を除いて、みな同様の考え方でしょう。
Intelは保証をRaptor Lake / Refleshと同様にせよ
この問題の解決には目に見える形で大々的にPRする必要があります。
すなわち、Arrow Lakeの保証を通常の3年にプラスして2年にするということです。
これはマーケティング上の常識です。
むしろ、これだけでは弱いくらいです。
「前の製品と同じ不具合はありません。」といくら宣言したところで、口だけでは誰も信用しないということです。
人も企業も「何を言ったか」ではなく、「何をやったか」で判断されるからです。
自社の製品に本当に自信があるならば、リスクを取れるはずです。
なぜならば、それはリスクを取ってもリスクにならないからです。
※ ただし、計算上、論理上は保証期間を延長すれば見積もられるサポートのコストは増大するはずです。そうしない限り少なくとも社内の稟議は通らないはずです。
もちろん、サポートコストはかかりますしどこの国とはいいませんが、保証を悪用するのが当たり前になっている市場もあるので、保証の太っ腹というのはなかなか難しいでしょう。
しかし、企業のような大口な顧客であればあるほどはいったんトラブルが起きると対応に莫大なコストが必要であり、Intelがそこを肩代わりするくらいの気概がない限り、「新製品では問題は解決しました」といったところで信用は戻ってこないと思います。
広告費をばらまいて商業メディアの口を封じたとしても上のような事情を抱えている法人の需要に関しては厳しい目で見られることは確実です。
つまり不具合の起きた時のコストをだれが負担するかですね。
そこをIntelが負担しない限り、Intel製品の導入を強硬に主張するのは難しい状況だと思います。
自分が調達担当だった場合、上司の前や会議の場で「同じことが起きたらお前が責任取るのか?」と問われれば「YES」と力強く答えられる人はあまり多くないと思います。
いくら何でもにIntelと一緒に心中するほどの気概を持っている人はそう多くないでしょう。
信用というものは軽視している人が多いですが、無形の財産であり、失えば取り戻すのに莫大な費用と年月がかかります。
それは、最初から誠実に行動していた方が結果としてトータルのコストが圧縮できるほどのものです。
日本の商業メディアもIntelも日本の流通・小売り関係者もここがわかってないです。
そして、それだけ日本の自作erは鳥頭だと思われているということですよ。
普段から誰が何を言っているのかを厳しく問わない限り、永遠に甘く見られて、永遠に軽く扱われるでしょう。
もっと成熟した消費者になるべきだと私は思いますが、こればかりは他人に強制することはできませんので、それはあなたの自由です。
選択権を行使した自由の結果が「日本だけ情報が回ってこない」という今の状況です。
まわりまわってこの状況は「日本の自作市場のレベルが低い」ということです。