ASMLの元CEOが、米中チップ戦争には “イデオロギー “がないにもかかわらず数十年続くと見ており、半導体業界を火の海にしている旨。
ASMLの前CEO、米中チップ戦争が半導体ビジネスを阻害、関係維持が難しくなっているとの見方
欧州最大の半導体メーカー、オランダのASML社が、米国が同社に好ましくないビジネスモデルの採用を強いたと考えている旨。
オランダの放送局BNRとのインタビューで、ASMLの前CEO、Peter Wen氏は、米中紛争は事実無根であり、両国は一定の目標もなく関与しており、その敵対関係は最終的に双方からの制裁につながり、ASMLのような企業はロードマップや顧客関係を再構築せざるを得なくなったと絶賛している。
以下は前CEOのコメントである:
中国と米国の間の紛争は事実やデータ、情報に基づいているのではなく、イデオロギーに基づいている。
中国と米国の間のチップ戦争について、外の世界ではさまざまな意見がありますが、私たちは企業であり、株主を大切にしなければなりません。
利益。イデオロギーだけでビジネスが妨げられるのであれば、私は同意できません。
– ピーター・ウェン、ASML 元 CEO、コマーシャル・タイムズより
ASMLは中国市場で大きな役割を果たしており、中国がオランダ企業の第2位の顧客であることからも、ASMLが中国にとっていかに重要であるかがわかる。
米国の制裁措置が発動された際、ASMLはハイエンドのEUVリソグラフィ装置を中国に提供することを制限されたため、半導体競争において後塵を拝することになった。
この半導体企業の元CEOは、米国と中国はどちらも重要なビジネスパートナーであるため、バランスを取るのは難しいと考えている。
米国の規制により、ASMLは中国とビジネスを行うことができず、両国との関係を維持するために、両者の利害関係者を慰めることに苦労している。
それとは別に、ASMLの現CEOであるクリストフ・フーケ氏は、ドイツのHandelsblatt紙(ロイター経由)に寄せた声明の中で、ASMLは「よりシンプルで古くから知られている技術」に対する膨大な需要を経験していると明かした。
クリストフは、生産ラインを確立するよりも、中国からそのようなチップを入手する方が現実的だが、この地域の状況を考えると、まったく不可能だと述べた。
ASMLは、TSMCやインテルと違って特定の国に傾倒できない立場にあるため、米国と中国の両方とビジネスができるように行動する必要がある。
競争はかつてないほど激しくなっており、各国が半導体の「冷戦」を繰り広げているため、展開も目まぐるしい。
解説:
米中貿易戦争には益はないとASMLの前CEO
中国の脅威にさらされている日本人の一般市民としては反論したいところですが、距離的に離れており、半導体業界から見たらこのような意見になるのでしょうねえ。
中国で利益を出して、中国にも利益を与えた企業は結局その一部が武器になって日本に標準が向けられるわけで笑えないですね。
高い兵器なども買わなくてはなりませんし、受益者負担ということで、在日の中国人や中国と取引している企業に関税や人頭税などで租税負担していただきたいところです。
関係維持が難しくなっているということですが、あと2-3年もしたら中国が技術革新についていけなくなるのではないですかね。
日本人の自分としてそう願いたいところです。
半導体業界から見ると米中貿易戦争は迷惑千万なのでしようね。