AMDは、RADEON RX 8000用のNavi 44 “GFX1200” およびNavvi 48 “GFX1201” SKUを含む次世代RDNA 4 GPUをROCmで確認した。
AMD Navi 44 “GFX1200” & Navi 48 “GFX1201” RDNA 4 GPUがROCmで確認され、次世代Radeon RX 8000グラフィックスカードに搭載されることが判明
驚くほど新しい情報ではないが、AMD ROCm Githubでは、RDNA 4グラフィックス・アーキテクチャに基づくNavi 44 GPUとNavi 48 GPUの両方が、それぞれのグラフィックスIDとともに確認されている。
予想通り、AMD Navi 44は「GFX1200」とタグ付けされ、Navi 48は「GFX1201」SKUとタグ付けされている。
この次期AMD RDNA 4 GPU SKUについて、ROCm GitHubではあまり言及されていないが、最新の噂によると、Navi 48 GPUは2つのチップのうち最も高速で、よりハイエンドの製品提供をターゲットにすると予想されている。
とはいえ、Navi 48はNavi 31(RDNA 3)やNavi 21(RDNA 2)シリーズのような典型的なハイエンドSKUではなく、これらは大衆市場をターゲットとしたよりメインストリームのチップを優先するために製造中止されたと伝えられている。
そのため、AMD Navi 48 GPUは現在のところ、Navi 31程度の性能になると予想される一方、ゲーム大衆向けの強力なperf/$オプションとなっている。現在、エントリーレベルのRDNA 3 SKUであるAMD Radeon RX 7900 GREは、新しい価格設定に更新されて以来、約$549 USで販売されている。AMDが7900 GREよりも優れた性能を400~500ドル程度の価格で提供することに成功すれば、それはゲーマーにとって殺人的な取引になるかもしれない。
注意すべき点として、AMDのRDNA 4 GPUアーキテクチャはまったく新しい設計となるため、レッドチームがレイトレーシング・タイトル内でその性能を微調整し、さらにAIを組み込んだFSRアップスケーリング・テクノロジーを提供できることも考慮する必要がある。
AIアクセラレーションは、FSRの欠点のいくつかを整理し、DLSSに対して現在欠けている分野で画質の向上をもたらすことができる。
RDNA 4 GPUに関する詳細は限られているが、次世代ラインアップはGDDR7メモリをサポートし、当初は28/32 Gbpsダイと16Gb(モジュールあたり2 GB VRAM)を搭載すると予想される。
しかし、AMDはより費用対効果の高い路線で、当面は単に高速のGDDR6ダイを使用することもできる。
また、チップはより小型でモノリシックになると噂されており、これはMCD設計が導入後1年で放棄されることを意味する。
AMD RDNA世代GPUラインナップ
Radeon ラインナップ |
Radeon RX 5000 |
Radeon RX 6000 |
Radeon RX 7000 |
Radeon RX 8000 |
GPU アーキテクチャー |
RDNA 1 | RDNA 2 | RDNA 3 / RDNA 2 | RDNA 4 |
製造プロセス | 7nm | 7nm | 5nm/6nm | 5nm/3nm? |
GPU ファミリー | Navi 1X | Navi 2X | Navi 3X | Navi 4X |
フラッグシップ GPU |
N/A | Navi 21 (5120 SP) |
Navi 31 (6144 SP) |
Navi 41 (キャンセル?) |
ハイエンド GPU | Navi 10 (2560 SP) |
Navi 22 (2560 SP) |
Navi 32 (4096 SP) |
Navi 48 (4 SE?) |
ミドルレンジ GPU |
Navi 12 (2560 SP) |
Navi 23 (2048 SP) |
Navi 33 (2048 SP) |
N/A? |
エントリーGPU | Navi 14 (1536 SP) |
Navi 24 (1024 SP) |
Navi 34 (1024 SP)? |
Navi 44 (2 SE?) |
解説:
ROCmのソースにRDNA4の記述があったというリークです。
特に目新しい情報はありませんが、わたくしが今までに予想した情報を整理してみましょう。
まずチップはNavi48とNavi44が出るとされています。
これらの2つのチップはいずれもMCMではなく、モノリシックとされ、RX X600/XT相当以下のモデルに採用される規模のチップとされています。
上位のモデルNavi41/42/43はキャンセルされ、生産されません、
これらはTMSC5nm/3nmが使われるとされていましたが、すべてがサーバー向けのハードウェアAI/MLアクセラレーターMI300/400シリーズの生産に回されます。
そのほうがRadeonを生産して販売するよりも利益率が高いため、また、生産容量がひっ迫しているための経営判断が理由とされています。
さて、RDNA4は上位のモデルと下位のモデルの2種類になるわけですが、上位のモデルに使われるチップはNavi48、下位のモデルに使われるチップはNavi44とされています。
通常Navi4XのXの部分が大きいほど下位のチップとされてきましたが、Navi48のほうが上位のモデルなのはおそらく、上位のモデルNavi41/42/43がキャンセルされ、急遽設計されたチップだからでしょう。
これらのネーミングスキームを考えるとNavi44は当初の計画通りのモデルである可能性が極めて高いです。
Navi48はRX7900GREからRX7900XTの間の性能とされています。
RadeonがうまくAI/MLを取り込めていないことの懸念
ムーアの法則は2年で演算速度を倍にしていました。
しかし、Ai/MLは1年で10倍の演算速度を実現しているといわれています。
おそらくはまだ実感できている人は少数派だと思います。
しかし、2世代ごとにソフトウェアの力と合わせて理論値以上の性能を実現していることは確かです。
DLSSはver3になってからフレームジェネレーションが搭載され、大幅にFPSの向上を果たしています。
すでにDLSSやその他のアップスケーラーを使わないラスタライズ性能だけでPCゲーミングを語る人は少数派でしょう。
これらの性能向上はDLSSを利用することによるものです。
一方でのAMDのFSR3はフレーム生成こそ実現しているものの、AIベースではありません。
今のところRDNA3に搭載されているAI/MLハードウェアアクセラレーターを使用したソフトウェアというのは聞いたことがないです。
次期DLSSが3から4になるのかどうか迄はわかりませんがAIのトップランナーであるNVIDIAですから、おそらくはまた新しいAI技術を投入してくるのでしょう。
RTX5000シリーズはNVIDIA史上最大の性能飛躍とされてきましたが、TSMC3nmではなくTSMC4NPというAda使われたTSMC4Nの改良版が使われるとされています。
プロセスルールのあまり見込めない状態なので、NVIDIA史上最大の性能飛躍は果たされるのでしょうか?
当初TSMC3nmを使う見込みだったのかどうかがわからない限り真相ははっきりしませんが、今の状態でも十分NVIDIA史上最大の性能飛躍が果たされるのならば、それはDLSS4の新機能によってしか考えられないと思います。
AMDがNVIDIAのAI技術についていけなくなった瞬間にRadeonはGeforceのライバルたり得なくなる、わたくしはそんな風に思います。
できるだけそうならないように頑張っていただきたいところです。