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ファーウェイ、禁止されたIntel Alder Lake チップの代わりに制裁を打ち破るCPU「Kirin 9000C」をデスクトップPCに投入

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中国製の遅いプロセッサを搭載した新システム

中国の大手コンピューター・メーカー、ファーウェイは、最新の内蔵型PCのギアを入れ替え、欧米製の第12世代Alder Lake CPUの代わりに自家製シリコンを使用する。

ファーウェイ セントラルが報じたように、新しいQingyun W515xは中国の最先端オクタコアKirin 9000Cプロセッサーを搭載しており、最高クロックは3.1GHzだ。

この新システムは、大企業をターゲットにしたスリムなOEM PCだ。プレーンブラック仕上げで、スリムなMicro-ATXフォームファクターを採用し、ロープロファイルPCIeカードのみをサポートする。

Quingyun W515xには3つのハードウェア構成がある: 8GB + 256GB、8GB + 512GB、16GB + 512GBのメモリとストレージの組み合わせです。ストレージ・オプションには、シングルNVMe M.2 PCIeスロットが含まれる。

CPUのスペックは秘密のままだが、CPUクーラーはロープロファイル・ユニットで、最大負荷時の筐体温度は30℃以下に保たれるという。

ファンの騒音レベルも21.82dBと静かだ。

フロントI/Oは、USB Type A 3.2 Gen 1ポート×3、Type-Cポート×1、オーディオジャック、ディスクドライブ。

リアI/Oは、3つのオーディオジャック、VGA、HDMI、1つのシリアルポート、4つのUSB Type-A 3.2 Gen 1ポート、イーサネットスロットで構成される。

ケース本体には3つのロープロファイル・スロットがありますが、マザーボードには2つ目のスロットがあるPCie x1スロットが1つしかありません。

小型のシングルまたはデュアルスロットのロープロファイル1x対応PCIeカードのみを接続するのに適しています。

米国の規制により、ファーウェイはインテル・ベースのCPUを利用できなくなり、自家製のソリューションを使わざるを得なくなった。

Kirin 9000Cは、12スレッド、周波数2.48GHzのオクタコアCPUである。

このチップはSMICの5nm製造プロセスに基づいており、ARMベースのMali-G78統合グラフィックユニットを搭載している。

残念なことに、9000Cに関するこれ以上の詳細情報は得られていない。

しかし、このチップは主に、SMICの5nm技術を採用したKirin 9000Sの兄弟機のようなものだと思われる。

性能面では、9000Cは速くなく、TSMCのはるかに優れたN5(5nmクラス)プロセス技術に頼っていたKirin 9000の前モデルよりもはるかに遅い。

ファーウェイはCPUのスペックを隠すのが得意になった。

中国のチップメーカーは、自国を守るために欧米諸国からチップのスペックを隠すことを習慣としてきた。

米国が中国が西側諸国からチップやチップ製造ツールを入手することを禁止して以来、中国は特にグレーマーケットから、必要なハードウェアを手に入れるために型破りな手段を使ってきた。

プロセッサーのスペックと性能能力を隠すことで、米国政府から非難を浴びることなく、こうした怪しげな手段を使い続けることができる。

ソース:Tom’s Hardware – Huawei brings sanctions-busting Kirin 9000C CPU to desktop PCs to replace banned Intel Alder Lake chips

 

 

 

 

解説:

ファーウェイのkirin9000Cを使ったクライアントPC

法人向けのOEM PCのようです。

マザーボードはMicroATXのようです。

こちらにファーウェイセントラルのQingyun W515xの製品情報があります。

OSは何を使っているのか興味深かったので見てみましたが、OS 2403 (Kirin Operating System)とあります。

2403は西暦をもとにしたOSのバージョン番号でしょう。

Ubuntuによく似ていますのでおそらくLinux系のOSなのだと思います。

中国にはRed Flag Linuxという中国政府公式のOSです。

中身はRHELにとても良く似ているといわれており、実質的なクローンだと思います。

Kirin9000CはTSMCの5nmで作られたKirin9000無印よりも遅いとされています。

米国の制裁によって輸入できなくなったAlderLakeに代わって、制裁を受けても問題がないように国産CPUに切り替えていくつもりなのでしょう。

中国の不動産バブルがはじけて以来、中国の半導体参議用はアメリカに制裁を受けても問題はないという論調はすっかり影を潜めてしまいました。

SMICもいまだにTSMC5nm以降(3nm/2nmなど)に相当するプロセスを使った製品が出てこないのはこの辺りが限界だからなのでしょう。

中国がアメリカの制裁を受けても問題なく半導体産業を維持できると証明するにはTSMC3nm相当のプロセスを使ったKirinの新しいCPUを出す必要があるでしょう。

今の景気が減速してしまった中国にとってはかなり難しいと思います。

 

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