AMDの次世代GPU「RDNA 5」はゼロから構築され、Radeon部門の「Zen」のようになることを目指す。
AMD Radeonは、RDNA 4 GPUがレイトレーシングを改善するが、RDNA 5まで 「Zen 」のような革新を待たなければならないだろう。
この新しい噂は、Chiphell Forumのメンバーであるwjm47196によるもので、彼はサイト上での暗号めいたメッセージで知られているが、Radeon RX 6000 RefreshやNVIDIA RTX 30シリーズカードなどの過去のリークに関しては正しかった。
これらのGPUシリーズが発売されてからしばらく経つので、現在、このフォーラムメンバーはAMDの次世代シリーズに関する投稿に戻っている。
このリーカーは、AMDのRDNA 3 GPUラインアップに関する計画が予想通りに進まなかったと述べている。
RDNA 3に関する問題は、最終的なシリコンが社内の性能予測を満たさなかったことに起因しており、効率向上が必ずしも宣伝されていたほどではなかったことが明らかになった。
一方、NVIDIAの「Ada」GPUは、すべてのセグメントにおいて、効率の数値でAMD RDNA 3チップを破壊した。
さらにAMDは、コストと消費電力の制約から、最大192MBのインフィニティ・キャッシュを搭載する予定だった初期設計を、わずか96MBに縮小せざるを得なかった。
このラインナップはRadeon RX 7900 XT GPUに匹敵すると言われており、ご存知の通り、Navi 48とNavi 44の2つのSKUが用意される予定で、どちらも第1世代RDNA GPU(Radeon RX 5000シリーズ)と同様にメインストリームおよびエントリーレベルの消費者をターゲットにしたものとなる。
特に、同様のIPブロックが次期ソニーPS5 Proコンソールに活用されることから、これまで伝えられてきた噂と一致している。
AMDはまた、Strix PointやStrix Haloなどの次世代Ryzen APUで主にiGPU側を強化するRDNA 3+も開発中だ。そのほか、RDNA 3+がiGPUに限定されるのか、あるいはこのアーキテクチャに基づくディスクリート描写が見られるのかについては不明だ。
最近の噂では、AMDは今年、新しいRadeon RX 8000 GPUを発表する予定はないが、NVIDIAは今年後半にフラッグシップGPUであるBlackwell RTX 5090とRTX 5080を発表する見込みだとも言われている。
次はAMD RDNA 5 GPUだ。RDNA 4に続くGPU世代は、ゼロから設計されたまったく新しいアーキテクチャで構築される見込みで、AMDがRDNA 5のブランドを維持するのか、まったく新しいものに切り替えるのかさえわかっていない。
Radeonファミリーでは「Zen」の瞬間が待ち望まれており、RDNA 5はまさにそれになると期待されている。
AMDは次世代アーキテクチャを設計する際、完全なケーススタディと研究開発を実施する予定だ。
RDNA 5はまた、RDNA 4が大幅に削減される主な理由とも言われており、多くの開発コストを必要としないメインストリーム・シリーズを提供しながら、その次の世代の完成度を高めるために多くの時間を割くことができる。
このGPUアーキテクチャは、Zen 6コアを搭載する次世代APU「Medusa」のラインナップにも採用されると噂されている。
さらにこの噂は、AMDがザイリンクスを直接介入させることで、AIとROCmソフトウェア・スイートをどのように微調整するかに大きな重点を置いている。
Radeon AI」ブランドは、レッドチームが「AI PC」セグメントにさらに重点を置いていることから、将来のGPUに見られるものである。
AMD RDNA 5 GPUの発売はまだ数年先であり、AMDが何を作り上げたのかのヒントが得られ始めるのは、2025年後半か2026年頃になるだろう。
それはRadeonチームが待ち望んでいたZenのような革新をもたらす瞬間となるのだろうか。
AMD RDNA世代GPUラインナップ
Radeon ラインナップ |
Radeon RX 5000 |
Radeon RX 6000 |
Radeon RX 7000 |
Radeon RX 8000 |
GPU アーキテクチャー |
RDNA 1 | RDNA 2 | RDNA 3 / RDNA 2 | RDNA 4 |
製造プロセス | 7nm | 7nm | 5nm/6nm | 5nm/3nm? |
GPU Family | Navi 1X | Navi 2X | Navi 3X | Navi 4X |
フラッグシップ GPU |
N/A | Navi 21 (5120 SP) |
Navi 31 (6144 SP) |
Navi 41 (キャンセル?) |
ハイエンド GPU |
Navi 10 (2560 SP) |
Navi 22 (2560 SP) |
Navi 32 (4096 SP) |
Navi 48 (4 SE?) |
ミドルレンジ GPU |
Navi 12 (2560 SP) |
Navi 23 (2048 SP) |
Navi 33 (2048 SP) |
N/A? |
エントリー GPU |
Navi 14 (1536 SP) |
Navi 24 (1024 SP) |
Navi 34 (1024 SP)? |
Navi 44 (2 SE?) |
解説:
RDNA4でレイトレーシングが改良され、RDNA5では一から設計され、大幅に変化する
らしいです。
実際RDNA5は今まで通りのスケジュールならば2026年のはずで今から2年後のことを言われてもなあというのが正直な感想です。
AMDはRDNA4を予定通り出すよりもその分の生産容量をMI300やMI400に振り向けたほうが儲かると判断してRDNA4はミドルレンジしか出さないと決めたのでしょう。
それが正しいのかどうかは今のところ未知数です。
しかし、RTX5090、RTX5080、RTX5070Ti、(とひょっとしたらRTX5070無印も)この3つのモデルに関してはライバル不在のためNVIDIAの思ったように価格がつけられるということになります。
わたくしはROCmやZLUDAのセットアップスクリプトを配布していますし、Radeonのことが好きです。
それを前提に聞いてください。ちょっと厳しいことを書きます。
まずNVIDIAの性能向上は近年DLSS(AI技術)とワンセットで実現されています。
RTX5000シリーズは高い確率で新バージョンのDLSS4と一緒に出てくるでしょう。
RTX4000シリーズもDLSS3と一緒に出ましたが、フレームジェネレーションが搭載され性能が大幅に伸びました。
AMDもFSR3で追従しましたが、ロンチされたのは2023年9月29日でRDNA3発売からほぼ1年経ってからということになります。
つまりフレームジェネレーションを実装するのにGeforceの1年遅れだったということです。
また重要なことはFSR3はAIベースの技術ではないということです。
DLSS4があるとしたらどのような技術なのかはわかりません。
しかし、確実にAIベースの技術になるのでしょうから、AIベースの技術をまだ出していないAMDがここに追従できるのかどうかというのは未知数だと思います。
フレームジェネレーションはたまたまAI以外の技術で追従できました。
しかし、DLSS4(?)に搭載される技術にAI以外の方法で追従できるかは全くの未知数です。
ROCmについても触れておきます。
LinuxをわざわざインストールしてROCmで生成AIを使っている人はほとんどいないと思います。
ですから、ROCmがどのように振舞うのか、実感している人はほとんどいないと思います。
ROCmはCUDAネイティブより優れているところはほぼないです。
例えばRX7900XTXは61TFLOPSでRTX4080より演算性能は高いですが、実際にStable DiffsuionWebUIを動作させるとRTX4080よりかなり遅いです。
各ソフトウェアの動作はCUDAに最適化されており特にROCm向けに最適化されているところとはありません。
現時点では「使えるだけですごい」という状態です。
これでも昔と比べるとかなり使い勝手がよくなったそうです。
ここに優位性を感じられる状態になるにはしばらく時間がかかるでしょう。
今の性能向上トレンドはAIなのでAI技術を中心にお話しましたが、RDNA5がROCm8.0(?)での動作を前提としてAI性能が大幅に向上し、それに伴ってFSR4?FSR5?も大幅に生まれ変わるならばRDNA5にも期待はできると思います。
しかし、現時点でAMDがNVIDIAのAI技術に対して後手後手に回っていることを考えるとなかなかに難しいのではないかと言わざるを得ないです。
RDNA5が一から設計しなおし全く新しいアーキテクチャーになるのは素晴らしいことだと思いますし、期待もしています。
しかし、出るのは2年後とかなり先の話になるということと、AIを使って何度もパラダイムシフトを起こしている近年のNVIDIAにキャッチアップしていくのは並大抵のことではないでしょう。
否定的なことを書きましたが、どんな市場でもワンサイドはよくないと思いますのでAMDとRadeonには期待をしています。
しかし、現状を考えると一抹の不安がぬぐえないのは確かです。