インテルArrow Lake-SデスクトップCPUプラットフォームとZ890マザーボードに関する詳細が明らかになった。
インテルArrow Lake-SデスクトップCPUはMeteor Lakeの半分のiGPU「Xe-LPG」コアを搭載、Z890マザーボードでThunderbolt 4をネイティブサポートへ
インテルのArrow Lake-S 「Core Ultra 200 」デスクトップCPUとそれぞれの800シリーズプラットフォームに関する詳細が明らかになりつつある。
最新情報はGolden Pig Upgradeからで、SKU、iGPU構成、トップZ890チップセットについて語っている。
SKUから始めると、インテルCore Ultra 200 「Arrow Lake-S 」デスクトップCPUは、第1世代のCore Ultra 100 「Meteor Lake 」ファミリーに続き、Core Ultra 5から始まることになる。
Core Ultra 9 285K、Core Ultra 7 265K、Core Ultra 5 245Kの3つの 「Unlocked 」SKUの可能性については、以前のレポートで詳述している。
このラインナップにはCore Ultra 3チップは含まれないようで、インテルは既存のCore i3 CPUの販売とリフレッシュを継続し、エントリーレベルの価格を設定しているにもかかわらず見かけより低いエントリーレベルの需要を補うようだ。
インテルは、次期Bartlett Lake-Sデスクトップ・チップのような、既存のLGA 1700プラットフォームのエントリーレベルSKUでリフレッシュを提供するかもしれない。
iGPUの構成に関しては、インテルArrow Lake-S「Core Ultra 200」デスクトップCPUは、Alchemist Xe-LPGグラフィックス・アーキテクチャに基づく4 Xe-Coreが最大となる。
これはインテルCore Ultra 9のトップCPU「Meteor Lake」に対して半分のコア数であり、特定のSKUは3Xeコアと2Xeコアも搭載すると予想されている。
これらのiGPUがどのような性能を発揮するか知りたい場合は、インテルCore Ultra 7 165U/155Uの性能テストを参考にするといいだろう。
TDPが高いため、デスクトップ用チップの方がクロックスピードが高く、そこそこのパフォーマンスを発揮するはずだが、あまり期待しない方がいいだろう。
AMD Ryzen 8000GのトップAPUは、今回テストしたような8 Xeコアを搭載したMeteor Lakeのトップ・ダイに匹敵する、場合によってはさらに高速なパフォーマンスをすでに提供しているからだ。
キャッシュに関しては、Lion Cove P-Coreあたり最大3MBのL3キャッシュを指摘する別のリーカーがいるようだ。
MebiuWによれば、Lion Cove P-Coreには3MBのL3キャッシュが搭載され、4つのE-Coreで構成されるSkymont E-Coreクラスタには3MBのL3キャッシュが搭載されるという。
これにより、合計キャッシュ量は、上位24コアCPU(Core Ultra 9 285K)で36MB、20コアCPU(Core Ultra 7 265K)で33MB、6+8コア構成で24MBとなる。
インテルArrow Lake-SデスクトップCPUラインナップ(暫定):
CPU 名 | アーキテクチャー (P/E) |
コア数/ スレッド数 |
クロック | キャッシュ (L3) |
TDP |
Core Ultra 9 285K | Lion Cove / Skymont | 24/24 | 5.5 GHz (最大?) |
36 MB | 125W? |
Core Ultra 7 265K | Lion Cove / Skymont | 20/20 | 未定 | 33 MB | 125W? |
Core Ultra 5 245K | Lion Cove / Skymont | 14/14 | 未定 | 24 MB | 125W? |
Core Ultra 9 275 | Lion Cove / Skymont | 未定 | 未定 | 未定 | 65W? |
Core Ultra 7 255 | Lion Cove / Skymont | 未定 | 未定 | 未定 | 65W? |
Core Ultra 5 240 | Lion Cove / Skymont | 未定 | 未定 | 未定 | 65W? |
最後に、800シリーズ・プラットフォームの一部となる上位インテルZ890マザーボードに関する新たな詳細が発表された。
これらのマザーボードは、Thunderbolt 4のネイティブ・サポートと、Arrow Lake-S(Core Ultra 200)メモリー・コントローラーのアップデートによる高速メモリーのサポートなどを含むその他のアップグレードを特徴とすると言われている。
以下は、Arrow Lake-SデスクトップCPUについて現在わかっていることである:
- LGA 1851ソケットの寿命は2026年までの予定
- 互換性はDDR5のみ、DDR4はサポートなし
- 800シリーズマザーボードで開始
- 最大DDR5-6400メモリをサポート(ネイティブJEDEC)
- CPUおよびPCHを通じてPCIe Gen 5.0レーンを増加
- Arrow Lake-S初のデスクトップ・ファミリーをサポート(DIY)
- Arrow Lake-S CPUはPコアあたり3MB L2キャッシュを搭載
- Arrow Lake-S CPUはAlchemist iGPUを搭載
- Arrow Lake-S CPUは8+16、6+8 CPU SKUを搭載
- Arrow Lake-S 8+16(24コア)
- Arrow Lake-S 6+8(14コア)
- ハイパースレッディング非対応(?)
- 2024年後半に発売
小耳に挟んだところによると、インテル800シリーズ・マザーボードは、近々、おそらくComputex 2024で実物を見ることができるそうだ。
解説:
Intelの次世代チップセット800シリーズに関する話です。
AMDは数世代にわたって互換性のあるソケットでマザーボードやメモリを使いまわせるのが利点です。
Intelは以前は1世代ごと、最近では2世代ごとにソケットが変更になり、マザーボードごとの買い替えが必要になります。
ソケットの変更が頻繁に起きることにはメリットやデメリットがありますが、メリットの一つが最新のI/Oに対応できることです。
もともとIntelが作った規格ということもあり、800シリーズの上位モデルにはThunderBlot4が搭載されるようですね。
AMDは10万円を超えるようなプレミアムクラスのマザーボードでもまだUSB4までにしか対応していないでしょう。
このように最新の規格に対応できるのはソケットの更新が頻繁であればこそです。
また、メモリの速度にも対応するのは簡単でしょう。
もっともこちらはBIOSの更新などで十分対応可能な範囲ではあります。
ここからは少し脱線します。
ArrowLake-SのリークにはNPUの情報が載ってないのですがどうなるのですかね。
正直、デスクトップ向けはほとんど単体GPUと組み合わされることが多いですから、単体GPUより劣化したAI性能しかないNPUを搭載するよりゲームに効果のある大容量キャッシュを搭載したほうがありがたいのですが・・・・。
最近の「猫も杓子もAI」という流れを見ているとデスクトップだけNPUをオミットしてL4を搭載するのは難しいのかなとも思います。