リリースハイライト
ROCm 6.1.0
ROCm™ 6.1リリースには、AMD Instinct™ MI300 GPUアプリケーションの安定性とパフォーマンスを向上させる新機能と修正が含まれています。特に、以下の機能が追加されました:
Ubuntu 22.04.4の完全サポート。
rocDecodeは、AMD GPU用の高性能ビデオ・デコード・サポートを提供する新しいROCmコンポーネントです。rocDecodeを使用すると、結果のYUVフレームをビデオメモリに保持したまま、圧縮ビデオストリームをデコードできます。デコードされたフレームをビデオ・メモリに保持することで、ROCm HIPを使用してビデオの後処理を実行することができ、PCIeバス経由の不要なデータ・コピーを回避することができます。
詳細はドキュメントをご参照ください。
OSとGPUサポートの変更
ROCm 6.1では、以下のOSサポートが追加されました:
MI300A: Ubuntu 22.04.4およびRHEL 9.3
MI300X: Ubuntu 22.04.4
今後のリリースでは、一般的な製品に対応するオペレーティングシステムが追加される予定です。旧世代のAMD Instinct製品については、Ubuntu 22.04.4のサポートを追加しました。
システム要件 (Linux)
対応GPU
次の表は、Instinct™、Radeon™ PROおよびRadeon™でサポートされているGPUを示しています。GPUがこの表に記載されていない場合は、AMDによって正式にサポートされていません。
AMD Instinct
GPU | Architecture | LLVM target | Support |
AMD Instinct MI300X | CDNA3 | gfx942 | ✅ 1 |
AMD Instinct MI300A | CDNA3 | gfx942 | ✅ 2 |
AMD Instinct MI250X | CDNA2 | gfx90a | ✅ |
AMD Instinct MI250 | CDNA2 | gfx90a | ✅ |
AMD Instinct MI210 | CDNA2 | gfx90a | ✅ |
AMD Instinct MI100 | CDNA | gfx908 | ✅ |
AMD Instinct MI50 | GCN5.1 | gfx906 | ⚠️ |
AMD Instinct MI25 | GCN5.0 | gfx900 | ❌ |
Radeon Pro
GPU | Architecture | LLVM target | Support |
AMD Radeon PRO W7900 | RDNA3 | gfx1100 | ✅ |
AMD Radeon PRO W7800 | RDNA3 | gfx1100 | ✅ |
AMD Radeon PRO W6800 | RDNA2 | gfx1030 | ✅ |
AMD Radeon PRO V620 | RDNA2 | gfx1030 | ✅ |
AMD Radeon PRO VII | GCN5.1 | gfx906 | ⚠️ |
Radeon
GPU | Architecture | LLVM target | Support |
AMD Radeon RX 7900 XTX | RDNA3 | gfx1100 | ✅ |
AMD Radeon RX 7900 XT | RDNA3 | gfx1100 | ✅ |
AMD Radeon RX 7900 GRE | RDNA3 | gfx1100 | ✅ |
AMD Radeon VII | GCN5.1 | gfx906 | ⚠️ |
✅: サポート – AMDは、対応するROCm製品のソフトウェア・ディストリビューションでこれらのGPUを有効にしています。
⚠️: 非推奨 – サポートは将来のリリースで削除される予定です。
❌: Unsupported – 弊社のソフトウェア・ディストリビューションでは、この設定は有効になっていません。
1 MI300Xは、Ubuntu 22.04.4でのみサポートされています。
2 MI300Aは、Ubuntu 22.04.4、RHEL 9.3、RHEL 8.9、SLES 15 SP5でサポートされています。
対応オペレーティング・システム
AMD ROCm™ソフトウェアは、以下のLinuxディストリビューションをサポートしています。
Operating system | Kernel | Support |
RHEL 9.3 | 5.14.0-362 | ✅ |
RHEL 9.2 | 5.14.0-362 | ✅ |
RHEL 8.9 | 4.18-513 | ✅ |
RHEL 8.8 | 4.18-513 | ✅ |
CentOS 7.9 | 3.1 | ✅ |
SLES 15 SP5 | 5.14.21-150500 | ✅ |
SLES 15 SP4 | 5.14.21-150500 | ✅ |
Ubuntu 22.04.4 | 6.5 | ✅ |
Ubuntu 22.04.3 | 6.2 | ✅ |
Ubuntu 20.04.6 | 5.15 | ✅ |
Ubuntu 20.04.5 | 5.15 | ✅ |
一部抜粋しておりますので、すべてを確認したい場合はAMD公式のROCmドキュメントを確認してください。
ROCm6.1はMI300A/Xのサポート強化が主な変更点になるようです。
WindowsのHIP SDKのリリースは以下のようになっています。
HIP SDK 5.5 – ROCm5.6(スキップ) – HIP SDK 5.7 – ROCm6.0(スキップ)
となっていますので、6.1ではWindows版が出るはずです。
今回からHIP SDKからROCmになるのではないかともいわれていますので、注視したいと思います。
セットアップスクリプトをどうするかに関してはWindows版の対応状況を見て決めようと思います。