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インテルが新たなレイオフを発表、リストラ方針を実行へ

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CRNが入手した詳細によると、インテルはリストラ計画を実行に移し始め、セールス&マーケティング部門のレイオフが報告されている。

インテルの最近の業績が会社の将来を危ぶませる、アナリストは2030年まで好転なしと予想

インテルの過去数四半期における財務実績は、特にNVIDIAやAMDのような競合他社に比べて満足のいくものではなかった。

広報担当者はCRNに対し、同社がマーケティング部門に影響を及ぼす新たなレイオフを実施したことを認めたが、その詳細や解雇の範囲についてはまだ明らかにされていない。

レイオフ、リストラ方針について

インテルの[セールス&マーケティング・グループ]は、引き続き企業戦略を実現し、お客様のために成果を上げることを目的として、組織体制の変更を発表しました。私たちはインテルの未来に自信を持っており、影響を受ける従業員に尊厳と敬意をもって接することを含め、このプロセスを通じて全従業員をサポートすることを約束します。

– インテルの広報担当者 via CRN

インテルのリストラ計画は、2022年にインテルのパット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)自身が、同社が広範なコスト削減策を模索していることを明らかにしたことからも明らかだ。

このような状況を踏まえ、インテルは以前にもファウンドリー部門を分離し、別の事業体としたが、これはむしろチーム・ブルーが半導体事業で存在感を示したかったため、戦略的な動きであった。

インテルはIFSに大きな期待を寄せており、今後数年間でファウンドリー部門を第2位の規模にする計画であることから、同部門は同社にとって収益の柱となる可能性が高い。

インテルは、2030年までに25~30%の営業利益率を確保する計画であることを明らかにした。

そのためには、事業縮小やいくつかのプロジェクトの開発中止など、積極的な経済戦略が必要となる。

しかし、バーンスタインのアナリストは、インテルの目標は投機的であり、チーム・ブルーには「2030年までここにいる本当の理由はない」と主張し、同社の「強気」な市場スタンスに疑問を呈している。

AIの状況はこれまでインテルに有利なものではなかったが、計画を実行に移せば、同社は市場で競争力を持つ立場になりそうだ。

ソース:wccftech – Intel Announces New Wave of Layoffs, Implementing On Its Restructuring Policy

 

 

 

解説:

Intel、リストラを発表。2030年まで好転無しとアナリストに断ぜられる

Intelは2023年度、Fab部門で1兆円以上の大赤字を出したことが先日明らかになりました。

それを受けてなのかどうかわかりませんが、マーケティング部門のリストラを行うようです。

自作市場から見ると、AlderLake以降、Intelは復調し、製品もスケジュール通り発表していますので好調のように見えます。

しかし、残念ながら全体的にみると調子が良いとは言えないようです。

自作市場から見ると、どこが悪いのか全く分からないレベルです。

AMDのほうが押されているように見えますが、自作市場などほんの一部なので、自作にフォーカスしたハイブリッドという技術を前面に押し出したこと自体がどこかずれているのかもしれません。

AMDはAPUでも採用するだけでもう用途が決まってしまう7840Uのような特徴的な製品を出しており、携帯ゲーミングPCという新たな需要を生み出しています。

しかし、従来の市場で戦っているIntelがリストラというのは笑えない話です。

最近のAMDはGPUでもNavi41/42をキャンセルしゲーミング市場を捨て、AI/MLアクセラレーターに全振りしていますが、今のところのAMDの業績を見るとそれは正しいと言わざるを得ないです。

競争が激しく儲からない市場は捨てて儲かるところで勝負するというのは戦略として正しいということなのでしょう。

しかし、1自作erとしてはそれではあまりに寂しいですね。

残念ながら、個人のゲーマーが法人のAI/ML市場を超えるような予算を持っているわけではないので、ゲーミング市場を選べば利益としてはあまり高くなくなるのでしょう。

それは事実だと思います。

Intelもそうした流れに苦しんでいるのですかねえ。

Snapdragon X Elite搭載機はまだ発売されていませんが、投入されてx86より評価を受ければ、今後のIntelの業績にも暗い影を落としかねないということになります。

2024年は全面的にARMの攻勢が始まる年となるでしょう。

2025年以降はQualcomm以外の企業がARM版のWindows向けCPUを発売し始めるといわれていますので、ここでもまた既存のCPUと戦うことになります。

驚くべきことにSnapdragon X Eliteはゲームでもかなり優秀とのことですから、x86も安穏としていられる状況ではありません。

わたくしはARMはゲームでは全く駄目でバッテリー駆動やネイティブアプリで強いのかと思っていました。

しかし、ゲームのパフォーマンスでもx86とほとんど変わらないほど強いということですから、dGPUと組み合わせることができれば、今のゲーミングPC市場に食い込むくらいの性能を発揮するポテンシャルは十分あると思います。

いまのところPCIexpress×16のインターフェイスを持ったシステムの話が上がっていませんが、来年以降、そうしたシステムの話が具体的に上がってきてもおかしくはないと思います。

特にnVIDIAがどのようなシステムを発売してくるのかは注目に値するでしょう。

dGPU市場で圧倒的な強さを見せるnVIDIAですから、ARMとGeforce搭載システムを組み合わせてお得感のあるシステムを発売したら圧倒的人気になる可能性も十分にあるだけに、x86を脅かすことになるのではないかとわたくしは考えています。

AMDのMI300AはEPYC(x86)との組み合わせですが、nVIDIAのGraceHopperはARMとの組み合わせです。

nVIDIAなら、すぐにでもARM+Windowsの市場に参入できる下地を持っているということになります。

AMDもARM+Windowsには興味を持っているといわれており、ARMの勢いがある程度ついてくればx86のみならずARMのCPUやプラットフォームにも参入してくると思います。

dGPUも現在立ち上げ段階でうまくいっているとはいいがたい状態でしょう。

こうしたことを考えるとIntelへの逆風はしばらく続くと判断されても仕方ないのかなと思います。

 

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