AMDは、コンシューマー向けのソフトウェアとAIエコシステムの改良を目指し、将来のアップデートでROCmソフトウェア・スタックとハードウェア・ドキュメントの一部をオープンソース化する予定だ。
AMD、コミュニティからのフィードバックを受けてROCmソフトウェア・スタックとハードウェア・ドキュメントの一部をオープンソース化すると発表
AMDは最近、ROCmにおけるソフトウェアとAIのサポートに関して話題になっていた。
ジョージ・ホッツ(George Hotz)氏が率いるタイニーグラッド(TinyGrad)などの企業は、AMDの不安定なドライバ・サポートを非難し、Radeon RX GPUの使用体験が非常に不安定になることを指摘した。
解決策の1つとして提案されたのが、RadeonソフトウェアとROCmをオープンソース化し、コミュニティがドライバの修正とさまざまな最適化を提供できるようにすることだった。
https://twitter.com/__tinygrad__/status/1770155923211997403?ref_src=twsrc%5Etfw
AMDはそのフィードバックに耳を傾け、ソフトウェア・スタックとハードウェア・ドキュメントの追加部分をオープンソース化するようだ。
それに加えて、AMDは「fuzzyHSA」と呼ばれるトラッカーも作成し、フィードバックを収集し、アップデートを提供する予定だ。
AMDはこの小さな団体に返信し、報告された問題に対処するため、ソフトウェアとファームウェアのアップデートを提供することに注力していると述べた。
彼らのソフトウェア・チームは現在これらに取り組んでおり、比較的近いうちに最新の状況をGitHubで報告する予定だ。
https://twitter.com/amdradeon/status/1775261152987271614?ref_src=twsrc%5Etfw
これまでのところ、AMDは、Radeon RX 7900 XTX、Radeon RX 7900 XT、Radeon RX 7900 GRE、Radeon Pro W7900、Radeon Pro W7800などのコンシューマーレベルのハードウェアにROCm 6.1をサポートすることで、かなり良い仕事をしてきた。
これらはAIの最適化と相まって強力なソフトウェア・スタックを提供し、オープンソースの性質は、彼らが前進するのに役立つかもしれない。
同社は、NVIDIAのCUDAやIntelのoneAPIと競合しており、前者は現在AI分野で議論の余地のないリーダーであり、後者はCUDAに対抗する手段としてChipzillaを含む様々な企業によって取り組まれている。
そのため、オープンソースが開始された後、AMDのROCmがどのような位置づけになるのか興味深い。
ソース:wccftech – AMD ROCm Going Open-Source: Will Include Software Stack & Hardware Documentation
解説:
AMDがROCmとROCmドキュメントの一部をオープンソース化
一部の企業から、AMDのドライバには問題があると指摘された結果のようです。
残念ながらわたくしはオープンソースに関するキャリアが不足していますので、この事実がどのような結果をもたらすのかまでは予測できません。
しかし、AI/MLで最先端を突っ走るnVIDIAに対してAMD一社ではもうキャッチアップするのが難しいことだけは理解できます。
外部の力が必要なのでしょう。
ROCm 6.1をサポートすることで、かなり良い仕事をしてきた。
ROCm6.1はまだロンチされてていませんが、ROCm6.0の間違いではないのですかね?
ROCmはNVIDIAのCUDAやIntelのoneAPIと並ぶ第三極になりましたが、AMD一社ではやはり力不足なのでしょう。
nVIDIAは圧倒的に先行していますし、Intelはもともと開発力があります。
一応oneAPIもオープンソースとなっています。
しかし、AMDもROCmをオープンソース化して、後に続くようですね。
ROCmはもともとオープンソースなのでは?と思いましたが、ソフトウェアスタックとありますので今まで一部オープンソースにしていたものをすべてオープンソースにするという理解でよいのだと思います。
この決断がどのような結果をもたらすのかに関しては非常に興味深いところです。
nVIDIAを追撃するために、ほとんどの企業がソフトウェアに対する権利を捨ててオープンソースにしているのはそれだけnVIDIAが先行しているということなのでしょう。
現在AMDがMI300でnVIDIAの代替として選ばられているのもROCmに対して以前から投資していたからで、その他の企業も今から数年後に向けて、nVIDIAへの追撃の体制をとっているということなのでしょう。